新車試乗レポート
更新日:2021.01.07 / 掲載日:2021.01.06

HONDA シビックタイプR Limited Edition 試乗!

完売御礼! HONDA シビックタイプR Limited Edition
鈴鹿サーキット全開インプレッション

今年10月9日の発売からあっという間に売り切れたシビック TYPE R Limited Edition。この超レアモデルを鈴鹿サーキットで走らせる機会に恵まれた。頭脳派自動車研究家の山本シンヤ氏がレポートします!

従来モデルで感じたFFのネガがほとんど消えた!

 シビック タイプRが登場3年目にして初改良を実施。パッと見ると現行モデルとの違いは間違い探しレベルだが、エクステリアは冷却性能アップのためにグリル開口部の拡大と空力性能向上のためにフロントエアスポイラーを追加。インテリアはアルカンターラ巻のステアリングとティアドロップ式のシフトノブを採用。安全運転支援システム「ホンダセンシング」も装着。

 320PS/400Nmのエンジンスペックの変更はないが、シャシー側はエンジンパワーを活かし切るために各部を最適化。

 より安定した制動とコントロール性のためにブレーキは2ピースのフローティングディスクを採用。更なる一体感/ダイレクト感のためにアダプティブダンパーシステムの制御をアップデート。

 今回の改良に合わせてタイプRのポテンシャルをより引き上げる「リミテッドエディション」を限定200台で発売。ベース車に対して23kgの軽量化や専用セットアップのサスペンション、専用BBSアルミ鍛造ホイール+ミシュラン・パイロットスポーツカップ2の採用で運動性能をより高めている。ニュルアタックはコロナの影響で実現できていないが、鈴鹿サーキットのタイムは2分23秒993とライバルのルノーメガーヌRSトロフィRの持つ2分25秒454を短縮。鈴鹿FF世界最速の座を奪還している。

 今回、その鈴鹿サーキットでリミテッドエディションに試乗することができた。従来モデルも驚異的な速さと安定したハンドリングが特徴だったが、新型はそのレベルが大きく上がっている。具体的に言うと従来モデルで感じていたFFのネガがほとんど消えている。従来はリヤの絶大な安定感に対してフロントが負けていたが、新型は追い込んでいってもアンダーステアは顔を出さずにノーズがグイグイと入っていく。

 これは単純にタイヤのグリップが上がっただけでなく、重心が後ろ寄りになったかのようなコーナリングバランスになっており、今まで以上に4つのタイヤを効率よく使えているような感じを受けた。

 更にS字のような切り返しのあるコーナーでの姿勢変化の少なさと身のこなしの軽快さにビックリ。車両重量は23kg軽量化されているが、体感的には100kgくらい軽くなったイメージである。

 ブレーキは絶対的な効きはもちろんだが、連続周回でもフェードはもちろんタッチの変化もほとんどなし。また、従来モデルのウイークポイントだった熱ダレも今回の走行では感じることはなかった。

 従来モデルユーザーなら買い替えしたくなる進化で多くの人に味わってもらいたい一台なのだが、残念ながらすでに完売……。ただ、ホンダも「スポーツカーは継続が大事」はよく解っているので、この先(次期タイプR!?)を期待して待っていて欲しい。

鈴鹿世界最速を奪還!! 大きくレベルが向上した改良モデル

Limited Editionの車両本体価格は550万円。日本向け販売台数は200台。11月中旬の時点で予定していた販売台数は終了している。

試乗会場には鈴鹿FF世界最速2分23秒993を達成した車両(左ハンドル車)も展示。

  • Limited Editionはシリアルナンバー付きエンブレムが付く。

タイプR専用の2L・VTECターボエンジン。320PS/400Nmを発生。劇的な加速Gを体感できるスポーツユニットだ。

Limited Editionは専用のBBS製20インチ鍛造アルミホイールを採用(写真左)。高剛性でありながら感動的な軽さを誇る。

2017年モデルの革巻きステアリングに対し、2020年モデルはアルカンターラを採用。車両の挙動をダイレクトに感じられるようになった。

トランミッションは6速マニュアルのみ。ベースのシビックと共通のデザインだが、随所にタイプR専用装備は配されている。

インテリアカラーはレッド/ブラックの組み合わせのみ。フロントシートは専用のHONDA TYPERシートを採用する。

5ドアボディをベースにしているため、タイプRといえどもラゲッジスペースは広く、使い勝手がいい。リヤシート格納もベース車と同じ。

●文:山本シンヤ ●写真:澤田和久

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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