徹底分析中古車相場
更新日:2019.12.24 / 掲載日:2019.12.24

【ホンダ シビックタイプR】歴代モデルの相場を徹底比較。手頃なのはどのモデル?

初代タイプR(EK9)

FFスポーツカー界のトップランカーと言えば、ホンダ シビックタイプR。ルノー メガーヌR.S.やスペインのセアト レオンなどとニュルブルクリンク北コースで、FF最速の座をかけて争っているモデルである。現行型は5代目のタイプRとなっており、最高出力は300馬力オーバーのハイパフォーマンスカーに進化。その一方で高価格なモデルとなってしまい、以前のように身近なスポーツカーとは言えなくなってしまった。そこで今回は、歴代シビックタイプRの中古車を調査してみる。90年代に登場した初代は、プレミア価格となっていないかも気になるところ。現在リーズナブルに買えるのはどの世代なのか、詳しく掘り下げてみたい。

シビックタイプRの歴史を振り返ろう

 シビックは、もともとコンパクトなボディを持ちながら、ホンダが得意とする高回転型エンジンを搭載したスポーティなモデルだった。そんなシビックに、より一層過激な内外装とチューニングされたエンジンを与えたのが「タイプR」である。最初に登場したのは1997年8月で、6代目シビックに設定された。ちなみに「タイプR」という称号が初めて使われたのはNSX(1992年11月)で、その後はインテグラ(1995年8月)にも設定されるなど、ホンダのスポーツカーを象徴するブランドとなっている。初代のシビックタイプR(EK9)は1.6Lの自然吸気エンジンながら、最高出力は185馬力を発揮。リッター当たり116馬力という自然吸気としてはハイスペックなエンジンを搭載したほか、ハードにセットされたサスペンション、大径ブレーキローター、トルセンLSDを盛り込み、市販スポーツモデルとしては例を見ないほどスパルタンな1台に仕上げられた。

 2001年10月に発表された2代目タイプR(EP3)は、シビック3ドアが英国生産となったことで、逆輸入という形で国内販売された。この世代のシビックは、従来型よりもサイズアップして室内空間を優先した設計となったことが注目点。タイプRの排気量は2.0Lに拡大され、最高出力は215馬力にアップ。ベース車と同じく、6速MTはインパネシフトとなるのも特徴的である。2007年3月に登場した3代目タイプR(FD2)は、国内ではベース車がセダンのみの展開となったことから、ハッチバックからセダンボディへとチェンジ。エンジンは先代と同じく2.0Lだが、最高出力は225馬力に向上した。さらに、2009年11月には欧州仕様のシビックタイプR(FN2)が、先代と同じく逆輸入というかたちで導入。この「タイプRユーロ」は、ハッチバックボディを持ち、201馬力の最高出力を発揮した。

 4代目タイプR(FK2)が登場したのは、2015年10月のこと。この世代は、国内でベース車の販売が見送られ、英国工場で生産されたタイプRのみが750台限定で導入された。エンジンは新開発の2.0Lターボが搭載され、最高出力は310馬力に大幅にアップ。見た目も、チューニングカーのようなデザインとなり、特別感のあるモデルに仕立てられた。2017年7月に登場した5代目(FK8)は、限定車からカタログモデルへと昇格。外観の過激さはさらに増し、最高出力は320馬力に向上。デビュー当時の価格はおよそ450万円と、初代タイプRの2倍以上の価格となった。

シビックタイプRの世代別中古車価格相場は?

2代目タイプR(EP3)

 シビックタイプRは、現在まで5世代6モデルが存在する。いずれもファン垂涎のモデルで、スポーツカー好きなら一度は乗ってみたいはず。まずは世代別の中古車平均価格を見ていこう。

世代別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
初代(EK9)164万円
2代目(EP3)98万円
3代目(FD2)205万円
3代目(FN2)136万円
4代目(FK2)394万円
5代目(FK8)419万円
※中古車平均価格はグーネット2019年12月19現在のデータによる。


初代(EK9)と2代目(EP3)で相場の逆転現象が起きている

  • 初代タイプR(EK9)

  • 2代目タイプR(EP3)

 上の表で平均価格を比べて見ると、EK9が164万円、EP3で98万円と、世代の古い前者のほうが高くなっている。テンロクスポーツの真骨頂とも言えたEK9は、車高が高くミニバン的なEP3よりも人気なのかもしれない。走行距離が10万kmオーバーでも、状態のよい個体は200万円以上のプライスタグが掲げられ、なかには走行距離3万km弱で400万円の物件も確認できた。EK9デビュー時の新車価格は199万8000円(東京エリア)だから、当時の2倍で販売されている。フルノーマルかつ低走行のグッドコンディション車両は、今やプレミアモデルというわけだ。

 それと比べるとEP3は、かなり手頃に購入できる。全世代でもっとも安価なタイプRとなっており、60万円程度の予算でも入手可能。高価な物件でもおよそ180万円なので、とりあえずタイプRが欲しいというひとなら、オススメしておきたい。コンパクトにまとまった初代と比べてルックスが賛否両論ではあるが、運動性能はタイプRの名に恥じないものだ。

セダンのタイプRはピュアスポーツ、ハッチバックはカジュアルな走り

  • 3代目タイプR(FD2)

  • 3代目タイプR(FN2)

 3代目のタイプRにはセダン(FD2)と英国産ハッチバック(FN2)が存在する。後者は「タイプRユーロ」と呼ばれ、欧州市場のタイプRとして日本仕様のタイプRとはシャシー、外観ともに大きく異なっている。相場データを見ると、FD2のほうが、限定車扱いのFN2よりも物件豊富。この2車は走りの指向も異なり、FD2のほうがハードコアなスポーツモデルとなっている。相場はそれなりに高値をキープし、100万円以下の予算では購入が難しく、200万円程度の予算は用意しておきたい。なお、こちらも状態のよい個体は300万円以上となり、一部プレミア価格がいている。

 タイプRユーロはコンパクトなボディを持ち、初代を彷彿とさせるサイズなのが魅力。しかしパフォーマンスはFD2よりも下で、タイプRのなかで人気は高くないようだ。それゆえ100万円以下の予算でも購入可能となっており、タイプRのなかではEP3に続いて買いやすい。ただし物件数が少ないのがネックで、FD2の半分以下だ。

ターボになった新世代タイプRはいずれも高値安定

 3代目(FD2)の生産終了から4年後、4代目のFK2が750台のみ限定で登場。日本で販売された数が少ないため、中古車物件はシリーズでもっとも少なく、探すのには根気が必要だ。中古車市場に出まわる個体の多くは低走行車が中心で、価格帯は400万円前後に集中している。極端に安い物件がないため、それなりの出費は覚悟したい。一方、現行(FK8)は、先代よりもさらに高値で平均価格は419万円。こちらは、カタログモデルのため物件数はそれなりに揃い、中古車の大半は新車に近いグッドコンディション。新車よりも30万円~50万円ほど安く買えて納車も早いとなれば、十分お買い得と言ってもよい。

ホンダ シビックタイプRの中古車価格相場のまとめ

 歴代シビックタイプRを俯瞰した場合、価格面で手頃なのはEP3。100万円以下の予算で高性能なスポーツモデルを手に入れたいなら、ぜひオススメしたい。同様に、タイプRユーロ(FN2)も物件の少なさを除けばリーズナブルである。その一方で、初代EK9はプレミア価格となっており、走行距離が10万km以上の個体でも新車とさほど変わらない価格のケースもあるほどだ。また、セダンのFD2も相場が高めだが、現代的な走りと実用性では十分考慮に値する。そしてターボ化されたFK2以降のモデルは、基本的に高値。ただし新車購入と比較するなら、幾分と割安で購入可能である。

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グーネットマガジン編集部

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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