新車試乗レポート
更新日:2020.11.06 / 掲載日:2020.11.06
人気Youtuber・ウナ丼レポート「新型キックスに乗ってみた!」
人気を集めるSUVカテゴリーにe-POWER専用車として登場したキックス。どこがいいの? どういいの?人気ユーチューバーのウナ丼がその魅力に迫る!
■ウナ丼:自動車専門誌編集者を経てクルマ系ユーチューバーに。本誌公式「月刊自家用車TV」や自身のチャンネルで活躍中。「どうも、一生声変わり中の者です」で始まる、独特の喩えとクルマ愛があふれる動画が人気を集めている。
e-POWER×プロパイロット! 運転の楽しさがここに!
どうも、一生声変わり中の者です。さて今回は日産のキックスでちょいと遠出をしてみました。市街地から高速、ワインディング、未舗装路、ついでに言うと天候は晴れたり曇ったりと、いろんなシチュエーションでキックスの走りを試すことができました。キックスはe‐POWER専用車です。エンジンは発電専用で、タイヤを駆動するのは100%モーター。これがいいんです。エンジンで走るコンパクトカーは一般に排気量が小さく、力不足を補うため高回転を多用しがち。でもモーターなら食わせる電流に応じたトルクがゼロ回転からでも一瞬で出るんです。ちょいと踏めばグイグイ加速するんですね。しかもキックスのe‐POWERは最新版。さらに力強くなるとともに、エンジンが稼働する領域をより賢く制御。街中などの低速域でエンジンが掛かる割合いがグンと減って、その静かさがいっそう際立つようになっていました。つまり、より静かでより力強い。プレミアム感がヒシヒシです。そして高速走行やワインディングでもシッカリした車体で安心して運転を楽しめる。うーん、プレミアム。実は車体もe‐POWER専用の強化版なんでした。それで荷物もドサドサ積めるとなれば、もう遊びに行きたくてしょうがないわけですが、アウトドアでもまたうれしいところが浮かび上がります。駆動はFF、クロカンではなくクロスオーバーとはいえ、やはりSUVはSUV。最低地上高の確保と低速から大トルクで車体を進めるパワートレーンが頼もしい味方になってくれます。例えば未舗装の急坂を通るようなキャンプ場でも腹を擦るとか上れないとかの不安なし。さらに前輪切れ角が大きく小回りが得意、車体はコンパクトで見切りもいい。ビクビクよさようなら、ワクワクよこんにちは、なんでした。“ならでは”の魅力はさらに。まずは高速道路。もうおなじみのプロパイロットがストレスや疲労を低減してくれるんですが、そういう効能だけでなく、なんか誇らしいような満足感も味わえます。そして峠。特に下りでECOモードにすると気分はもうアトラクション。踏み替え不要のワンペダル操作でリズミカルに速度を操り、ハンドリングに集中して駆け下りる感覚、ぜひ体験していただきたい!住宅街を静かに抜け、高速や峠を快適に疾走し、湖畔での癒しのひととき。たいへん美味な体験でした。ごちそうさまでした。
【街】スムーズ&サイレント

X ツートーンインテリアエディション ●価格:286万9900円 ●ボディカラー:プレミアムホライズンオレンジ× ピュアブラック 2トーン(特別塗装色)
出足のスムーズさや走行中の静かさは、まさに電気モーターならでは。市街地はe-POWERが特に得意とする走行フィールドだ。
【高速道路】プロパイロット、ハンパない!!

高速道路の渋滞走行や長時間の巡航走行に効果大! 加減速や操舵を支援して、車間距離や車線内の走行位置を一定にキープしてくれます。
【峠】上りモリモリ、下りラクラク
峠の上りもモリモリのモーターパワーで余裕で駆け上がる。エンジンには上りの負荷は関係なく、ただ効率よく発電するだけ。
上りはSモード、下りはECOモードがおすすめ。いずれもアクセルペダルを戻すと滑らかかつ強く回生ブレーキが作動。
ウヒャヒャヒャ
ウヒャヒャヒャ
唸るエンジンに急かされて眉を吊り上げるようなこともなく、ただただ楽しい!
【悪路】アウトドアも丼と来い!!

大径タイヤと高めの地上高で砂利や少々のわだちも問題なし。ヒルスタートアシストにより、急な上りでの坂道発進も不安ゼロ。
NISSAN キックス

●価格:275万9900円~
日産の切り札技術を満載したプレミアムコンパクトSUV e-POWERとプロパイロットという日産のお家芸を惜しみなく搭載したコンパクトクロスオーバーSUV。プレミアム感と先進感を身にまとい、激戦カテゴリーに挑む自信作だ。XとXツートーンインテリアエディションのシンプルな2グレード展開で、駆動方式はFFのみとなっている。
■主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4290×1760×1610 ●ホイールベース(mm):2620 ●最低地上高(mm):170 ●車両重量(kg):1350 ●パワーユニット:交流同期モーター(95kW/260 N・m) ●発電用エンジン:1198cc直3DOHC(82PS/10.5kg・m) ●使用燃料:レギュラーガソリン ●WLTCモード総合燃費:21.6km/L ●JC08モード燃費:30km/L

ツートーンはオレンジタン、モノトーンはブラック。シートはダブルステッチ付きだ。
高さなど寸法的なゆとりを確保した荷室。後席は6:4分割可倒式だ。
パワートレーンはよりパワフルで静かになった最新版e-POWERだ。

【厳選】キックスのココにやられた!

走りの全体像に続いては、ウナ丼のハートを射抜いた、キックスe-POWERの快適&快感ポイントを選りすぐって紹介する。
【最新e-POWER】にやられたっ!
何度でも言おう、唯一無二であると ぼくがまずグッときたのは、やはり電動ならではの走りです。回転数にかかわらず大きなトルクを引き出せるモーター、それをワンペダルでコントロール。これはガソリン車ではあり得ない。踏めばグイグイ加速、戻せばスムーズに減速、しかも電気を貯めながら、ですよ! コンパクトな量産車でこれですからね。まさに唯一無二!
2.5L級の大トルク!!
2.5L級の大トルク!!
力強い、でも静か♪
力強い、でも静か♪
エンジンが掛かるのは発電時のみ。しかもキックスに搭載される新型は、踏めば即発電じゃなくて、エンジン始動を抑制する制御を採用。この静かさがプレミアムです。
ワンペダルで自由自在、ふくらはぎにやさしー
アクセルペダルだけでの加減速は、それ自体がおもしろいのはもちろん、ブレーキペダルへの踏み替えがだいぶ少なくてすむから疲労も低減。ハンドル操作に集中して運転を楽しむべし。
【カッコよさ】にやられたっ!
アクティブで先進的! 見た目って大事


無骨な道具系、クーペ風スペシャリティ路線など、SUVのデザインは様々。キックスは都会の街並みに違和感なくなじむプレミアム路線ながらプロポーションは実用志向で、室内&荷室空間を犠牲にしていないのです。実用性を確保しつつ、大開口のエアスクープやリヤ上がりのキャラクターライン、大径タイヤ&ホイールなどがスポーティさを醸し出します。
ダブルVモーション!
ダブルVモーション!
二重のVモーショングリルがシャープな造形の灯火とともに精悍な顔を形作り、ホイールアーチを強調したメリハリのあるボディはSUVらしいタフさを表現している。
コンパクトでもプレミアム
コンパクトでもプレミアム
シームレスデザインを採用するインテリアの上質感もこだわりのひとつ。ダブルステッチを施したシートやインパネ、その素材の風合いは、思わずスリスリしたくなってしまう。
【くつろぎキャビンと 余裕のラゲッジ】にやられたっ!
いやされる~~

道中も目的地もストレスフリー
日本の市街地をスイスイ走れるコンパクトな車体でありながら、室内は広々。頭上空間や後席のヒザまわりにも余裕があって、窮屈感を感じません。荷室はスクエアな形状の開口部で積み降ろしがしやすく、容量もたっぷり。後席を起こした状態でも奥行きが900mmあり、家族や仲間とレジャー用品を積んで出掛けられるんでした。
マエもウシロも開放的!!
ウインドウエリアの高さも十分で、外からの見た目以上に見晴らしがグッド。後席は座面の高さが見晴らしや足さばきに貢献していて、それでいて頭上にはなお余裕あり。
クズリが一頭入ります
おなじみの動物喩えで言うと、クズリ(イタチ科/英名ウルバリン)を一頭ゴロンと積める。後席を畳むとゴルフバッグを縦積み可能。尾崎三兄弟が一台で移動できます。
【全方位の運転サポート】にやられたっ!
プロパイロット標準搭載、SOSコールも!
プロパイロットの標準装備など、日産が力を注ぐ全方位の運転支援によってドライバーの認知・判断・操作をサポート。SOSコール(要申込み)は、緊急時に位置情報やセンサー情報をデータ送信するとともに、専門のオペレーターに通話が繋がる。あおり運転に遭遇した場合など、手動で通報もできる。安心・安全は優先事項、ここ、試験に出るぞ!
疲労軽減で安全、安心!!
充実の運転支援技術

ソナーやレーダー、カメラといった複数の情報を統合し、見落としや誤操作といったドライバーのミスをバックアップしてくれる。
全部見えちゃう
■インテリジェント アラウンドビューモニター
全部見えちゃう
ナビ画面またはインテリジェントルームミラーに見下ろし映像を映し出し、人や自転車などが周りで動いていれば表示とブザーで注意を促してくれます。
クラス唯一!
カメラ映像
通常ミラー状態
後方カメラの映像がルームミラーに。後席に関取が3人並んでも、荷室に荷物を満載していても、後方視界を確保。
【気になるライバル】チラ見チェック
激戦のコンパクトSUVクラス。ライバルたちをざっくり解説

上級パワートレーン同士の価格はこの通り。お買い得感の判断材料にどうぞ。
C-HRとCX-30は後席や荷室の空間確保よりもデザインやプレミアム感を優先。ヴェゼルは比較的実用派。プレミアムかつ実用的なキックスとは、いずれも方向性が少々異なる。それぞれ小排気量ガソリン車を設定していて、スタート価格こそキックスより低いが、上級パワートレーン搭載車はキックスともろに同じ価格帯となる。
TOYOTAC-HR(ハイブリッド・FF)●価格:273万~309万5000円
HONDAヴェゼル(ハイブリッド・FF)●価格:250万5555~298万186円
MAZDACX-30(ディーゼル・FF)●価格:288万7500~306万9000円
●写真:長谷川 徹 ●レポート:ウナ丼(ウナ丼_STRUT_エンスーCARガイド)