新車試乗レポート
更新日:2020.10.14 / 掲載日:2020.10.14
ランドローバー ディフェンダー 公道試乗
伝統ある世界的クロカンのひとつ、ディフェンダーがフルモデルチェンジ。現代的になったデザインだが、果たしてその走りは。
モノコック化したことで 心地よさ、頼もしさを両立

ランドローバー ディフェンダー【フルモデルチェンジ】
●受注開始日:4月9日●価格:499万~820万円●輸入元:ジャガー・ランドローバー・ジャパン●問い合わせ先:0120-18-5568主要諸元(110 S)●全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm●ホイールベース:3020mm●車両重量:2320 kg●駆動方式:4WD●パワートレーン:1995cc 直4DOHCターボ(300PS/400N・m)●トランスミッション:8AT●WLTCモード燃費:8.3km/L●最小回転半径(m):6.1●タイヤサイズ:255/65R19
ランドローバーの一番 「得意な部分」を堪能できる
ディフェンダーと言えば「働く自動車」的なハードクロカンの印象が強いが、そのイメージを一新するのが新型である。アウトドア趣味に沿ったカジュアル&スポーティな内外装は現代的でもある。興味深いのは走行ハード。ラダーフレーム式シャシーからモノコック型に一新。2L4気筒ターボと8速AT。グレード別の装備となるがエアサスモデルの選択も可能。4WD制御はコイルサスが5モード、エアサスが7モードとなり、ハードクロカンも含めて想定される大半の状況をカバーする。 スペックを追うだけでも昂揚してしまうが、期待を裏切らない試乗結果となった。 ゆったりとしたストローク制御は本格オフローダーらしいが、緩いロールの入りでも無闇にロール角を増加させない。車軸の揺動感はないが、衝撃をくるみ込むようなソフトさもある。オフローダーの鷹揚さを維持しながらモノコック車体がもたらす精度感を挟み込んだような乗り味や操縦感覚が心地よくも頼もしくもある。 低回転からトルクフルなエンジンはオンロードはもちろんオフロードでの扱いもいい。伸びストローク使いの上手いサスや車体下路面を映し出すモニター等々もあり、悪路性能確認用に用意された特設路は一般SUVでは緊張感もあろうが、ディフェンダーにとっては緩すぎるくらいだった。 本気のオフロード性能とオン/オフで穏やかな乗り心地。ゆったり気分のドライブフィール。ランドローバーの一番得意な部分を実感させてくれるモデルである。

実用性の確保はもちろんのこと、現代風に洗練させつつポップさも加えたという新型のデザイン&シルエット。
直列4気筒の INGENIUM ガソリンエンジンを搭載。エマージェンシーブレーキ、レーンキープアシスト、クルーズコントロールなどの支援装備も備える。
90系が3ドア、110系が5ドア。基本は5人乗りで、110系には7人シート仕様車も用意している。
素材やデザインで「むき出し」感を演出するなどして力強さを表現。フローリングはラバー素材としてアウトドアでの使い勝手を向上。
光を取り込む、個性的なアルパインライト(ガラスルーフ)も装備。四隅に広く、しっかり四角く使えるラゲッジは非常に実用的だ。
●文:川島茂夫 ●写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン