新車試乗レポート
更新日:2020.07.28 / 掲載日:2020.07.28

HONDA 新型フリード モデューロX 走りの“深化”を確認!

“実効空力デバイス”の新採用で 1ランク上のエモーショナルな走りへ!!

ホンダアクセスが、ホンダの純正アクセサリー開発で培われた技術をベースに専用パーツを開発、組み込んだコンプリートモデルが「Modulo X」だ。そのラインナップの一つであるフリードModulo Xが初のマイナーチェンジを行い5月29日に発売された。専用フロントエアロバンパーにセットされた新開発の“実効空力デバイス”による走りの深化を確かめてみよう!

  • 専用フロントエアロバンパーと専用セッティングのサスペンションが相まって、高速走行だけでなく、日常の速度域でも安心感の高い走りを実現。

子育てファミリーも納得の 深化した走行性能

 運転する人も、乗る人も、みんなにとって「特別な1台」をつくることにこだわり、ホンダ車を知り尽くした匠の手で磨き上げられる純正コンプリートカー。Modulo Xは、元祖であるホイールブランド「Modulo」として誕生した30年以上前から、一貫して大切にしてきたものがある。手間と時間を惜しまず、「人の感性」を重視した開発だ。それは走りだけでなく、デザインや上質感といった領域も同じように大切な要素となる。開発中は、エンジニアはもちろんのこと、デザイナーもテストコースを走って、想いを一つにするという。だからこそ、パーツ単体では届かない高みを目指し、それらをまるごと1台でトータルにセッティングしたコンプリートカー、Modulo Xが生まれることとなった。
 2012年の第一弾であるNーBOXからスタートし、これまでにNーONE、ステップワゴン、フリード、S660、ヴェゼルという6モデルが登場したModulo X。そのどれもが「意のままに操れる操縦性」「所有感を満たし、機能につながるデザイン」「視覚、触感、乗り味にまで追求した上質感」の3要素を備える。軽自動車からミニバン、スポーツカー、SUVとタイプの異なるモデルたちだが、ホンダのエンジニアたちが長い年月をかけて完成させた車両をベースに、さらに走り込みやチューニングによって本質を追求し、熟成させる。そうすることで、Modulo Xでしか成し得ない世界を創り出している。
 今回、そんなこだわりの1台として好評を博していたフリードModulo Xが、ベース車両のマイナーチェンジを受けてさらに進化。外観からすでに、視線を惹きつけられるほどの違いを感じさせてくれるが、いったいどこがどんな風に進化をしたのか、試乗してチェックさせてもらった。
 もともとフリードは、5ナンバー規格に収まるコンパクトなボディサイズながら、3列シート6人/7人乗りの広い室内、両側スライドドアと低床技術の利便性を手に入れたミニバンとして、「ちょうどいい」を合言葉に多くのユーザーに愛されている人気モデル。市街地での取り回しの良さに、ホンダらしいスポーティな走りや先進安全装備も大きな魅力だ。 そんなフリードの魅力をさらに引き上げ、上質でスポーティな走りを実現したのが、従来のフリードModulo Xだった。子育て世代を中心とするファミリーが多いこともあり、乗る人みんなが笑顔になるクルマを目指し、一目置かれる存在となった。

風のレールを走って いるような 安定感を実現!

もともとの完成車であるフリードをベースに、人の感性に重きを置いた開発で走りを追求しているModulo X。あくまでも日常域での乗りやすさを重視している。

  • Modulo Xの走りは単なるスポーティということではなく、荒れた路面からワインディング、高速道路まで、様々な走行シーンで乗り心地が向上している。

  • 単にハンドリングがいいだけではないのがModulo X。ミニバンのフリードの場合、2列目、3列目の乗り心地にもこだわって開発されている。

Modulo 開発アドバイザーとして参加しているドリキンこと土屋圭市氏。新型フリードModulo Xは、新たに採用された実効空力デバイスで、マイナーチェンジ前のモデルよりコーナリング中タイヤ2本分内側を回ることができ、4輪がきちんと仕事をするようになったと絶賛している。

  • パワートレーンはマイナーチェンジ前のモデル同様に1.5Lエンジン+モーターのハイブリッド車と1.5Lガソリン車をラインナップ。

  • 専用デザインの15インチアルミホイール。

  • 専用サスペンションはローダウンこそしていないが、専用にセッティングされている。

左が改良前、右がマイナーチェンジモデル。2019年10月にマイナーチェンジしたベースのフリードのデザインに合わせて、従来のマッシブ&スポーティなデザインに爽快さと愛嬌のある、親しみやすさをプラスしたフロントマスクに変更された。

新型フリードModulo Xの空力性能は、エアロフィンとエアロスロープ、エアロボトムフィンの3つで構成されている。

  • エアロバンパーの前面端左右にフィンを設置。ホイールハウス内を通る風の流れをスムーズにし、内圧を低減。サスペンションの動きをよくして、乗り心地を向上。

  • フロントエアロバンパー下部中央に設置されたは箱型のエアロスロープで速い空気の流れを生んで風のレールを走行するような安定感のある走りを実現。

  • フロントエアロバンパーサイドの左右にエアロフィンを設置。車両を旋回姿勢へスムーズに移行させつつ、ホイールハウスから発生する気流の乱れを抑制し旋回性を向上。

FREED Modulo X Honda SENSING(7名ベンチシート)

主要諸元 全長×全幅×全高:4290×1695×1710mm、ホイールベース:2740mm、トレッド前/後:1480/1485mm、最低地上高:135mm、最小回転半径:5.2m、車両重量:1380kg、パワートレーン:1496cc直4DOHC(最高出力:129PS/最大トルク:15.6kg・m)、トランスミッション:CVT、サスペンション前/後:マクファーソン式/車軸式、タイヤサイズ:185/65R15

ボディカラーバリエーション

  • クリスタルブラック・パール

  • プラチナホワイト・パール (3万3000円高)

  • プレミアムクリスタルレッド・メタリック (5万5000円高)

  • ミッドナイトブルービーム・メタリック (3万3000円高)

  • メーカーオプションとして9インチプレミアムインターナビ装着車を設定。フロント用ドライブレコーダーもセットで装着。フリードModulo Xの車両本体価格に対し、23万5400円高。

  • ステアリングホイールは専用本革巻(ディンプルレザー&スムースレザー/ピアノブラック調)だ。

  • インパネミドルエリアにはピアノブラック調のパネルが施され、スポーティさと上質さを両立させている。

Modulo Xロゴ入りの専用ブラックコンビシートを1列目シートに採用。マイナーチェンジでシートメイン部の素材をファブリックからスエード調に変更し、滑りを抑制。ファブリックもマイナーチェンジ前はモカだったが、ブラックを新採用することで引き締まった印象に。

ボタン操作ひとつでパワースライドドアの 開閉が可能な純正アクセサリー、 「ワンタッチスライドドア」が新登場!

荷物で手がふさがっている状況や子供でもボタン操作ひとつでパワースライドドアの開閉ができる「ワンタッチスライドドア」をホンダアクセスが開発し、7月下旬から全国のHonda Carsで発売される。フリード用のほか、N-BOX/N-BOX Custom用があり、左右ドア用がそれぞれ用意され各1万1880円。

若々しくフレンドリーな 印象になったフロントマスク

 マイナーチェンジを受け、新しくなったフリードModulo Xだが、従来からの路線は変わることなく、開発コンセプトは「エモーショナル・ツアラー」。これは、直進安定性や外乱感受性の最適化、機能的で存在感のあるエクステリアデザイン、質感を高めたシック&スポーティインテリアの3つのポイントを押さえ、「走りの楽しさを日常に、幅広く」との想いが込められている。これまでのように、開発アドバイザーとしてレーシングドライバーの土屋圭市さんも加わり、時にエンジニアとぶつかり合いながらの熱意あふれる開発現場となったところも変わらない。
 そんな新生フリードModulo Xのデザインは、ひと目でキリリと引き締まった中に、若々しくフレンドリーな印象を受けた。大きなトピックとしては、これまでのModulo Xシリーズで特徴的だった、ピアノブラックの「Xグラフィック」の考え方を進化させ、ボディ同色での立体造形で「X」を表現しているフロントマスクだ。ピアノブラックはバンパー下部のガーニッシュやフォグランプ、リアロアースカートなどに採用することで、Modulo Xとしての統一感も両立している。
 そして、機能につながるデザインの肝となるのが、専用エアロバンパーに備わる“実効空力デバイス”と呼ばれる3つのフィン。“実効空力”とは日常の速度域でも効果を体感できる空力効果のことで、ホンダアクセスでは開発スローガンとして掲げてきた。それぞれの効能は、まず左右バンパーサイドに設定される1つ目のフィンで、旋回姿勢をスムーズにし、しなやかで上質な旋回を実現。バンパー下部にある箱型のエアロスロープが2つ目で、車体下センターに速い空気の流れを生み、風のレールを走っているような安定感を実現する。さらにバンパー前面左右に設定されるエアロボトムフィンが、ホイールハウス内を通る風の流れをスムーズにして内圧を低減することで、サスペンションの動きを向上させ、乗り心地をアップする。

実効空力デバイスの効果は 後席の乗り心地の向上でも実感

 フリードModulo Xの室内に入ると、全体の上質感もグっとアップしている印象を受ける。新たにプライムスムースとスエード調素材となった専用ブラックコンビシートは、しっとりとした感触が心地いい。本革巻きステアリングホイールや、ピアノブラック調のインパネとの相性もよく、ふかふかの専用フロアカーペットや、始動時に9インチプレミアムインターナビに浮かび上がるModulo Xのエンブレムなど、気分をアップあああしてくれる演出がある。
 そして市街地から走り出すと、落ち着きのある上質なステアフィールや、カーブを曲がる時の安定感、シッカリと一体感のある走りに驚いた。従来モデルからの専用サスペンションやアルミホイールなどは変更がないにも関わらず、乗り比べても明らかに進化している。高速道路に入るとそれはさらに明確に感じられ、「本当はエアロバンパー以外も何か変えたのでは?」と疑いたくなるほど。しかも試乗日は注意報が出るほどの強風だったが、直進安定性がよく安心して走ることができた。さらに後席でも乗り心地の良さを実感。まさに特別な1台と言える新しいフリードModulo Xは、フリード史上最高の1台とも断言したい。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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