新車試乗レポート
更新日:2020.05.28 / 掲載日:2020.05.28
BMW 2シリーズ グラン クーペ 試乗インプレッション
BMW初となる4ドアクーペ、2シリーズ グラン クーペに試乗。最上級モデルとなるM235iのインプレッションをお届けする。●文:川島茂夫 ●写真:佐藤正巳
M235i xDriveグラン クーペ

●発売日:2019年10月31日●価格:369万~665万円●輸入元:ビー・エム・ダブリュー●問い合わせ先:0120-269-437主要諸元(M235i xDriveグラン クーペ)●全長×全幅×全高:4540×1800×1430mm●ホイールベース:2670mm●車両重量:ー ●駆動方式:4輪駆動●パワートレーン:1998cc 直4DOHCターボ(306PS/45.9kg・m)●トランスミッション:8AT●JC08モード燃費:ー ●最小回転半径(m):5.4●タイヤサイズ:225/40R18
癖はなく、身構えずに乗りこなせる 室内空間も実用的
4.5m強の全長に306PSの最高出力。特別なハイパフォーマンスカーに相応しいスペックを備えたM235iだが、身構える必要はない。1500回転以下から従順かつ太いトルクを発生し、普段使いの走り方でも深く踏み込んだ加速でも、癖のないコントロール性を示す。ハンドリングはラインコントロール性を優先したもので、切れ味を誇張することなく素直に狙ったラインに収まる。加減速や路面のうねり等の荷重変動での方向安定の乱れも極めて少ない。予備操作や補正操作なく、自然体の運転で高性能を引き出せる。 時としてハードサスとランフラットタイヤの硬さを実感する突き上げもあるが、細かな揺れから減衰感の伴う挙動は良質であり、スポーツ性よりもプレミアム感が印象に残る。高水準で操安と乗り心地が両立されていた。 FF化された新1シリーズと共通のプラットフォームを採用した恩恵で、コンパクトな4ドアクーペにしては後席居住性とトランクスペースも実用的だ。大柄な男性にとってはレッグスペースもヘッドルームも必要最小限。視角的閉鎖感も強めだが、収まりのいいシートもあって居心地は悪くない。4名乗車前提で選ぶタイプではないものの、たまのドライブくらいなら問題なくこなせる。 実質700万円級のプレミアムスポーツに一般性があるとは思えないが、日常と趣味性の両立あるいは良質なグランツアラーを求めるユーザーには見所が多いモデル。高性能とプレミアムの両面を求めれば十分に納得できるはずだ。

L字型テールライトなどBMW最新のデザイン。キドニーバーはシルバーに黒のアクセントを刻んだBMW初のデザイン。MスポーツとM235iは18インチで、その他は16インチのホイールを履く。

6色に変更できるライト付きのインテリアトリム。10.25インチのフルデジタルメーターパネル、10.25インチのコントロールディスプレイをオプションで用意し、先進的な印象に。

最上級のM235iは1998ccの直4+8AT。その他はMスポーツも含めて1498ccの直3エンジン+7DCTを搭載する。
4ドアを採用しつつ、1シリーズ譲りのFFプラットフォームで室内は実用的。2シリーズ クーペ比で後席足元は約33mm拡大。

ラゲッジルームもFFプラットフォームの恩恵などで、2シリーズ クーペ比で約40L拡大した最大430Lを確保している。