新車試乗レポート
更新日:2019.06.07 / 掲載日:2019.03.09
日産と三菱それぞれの4WD技術【ニュースキャッチアップ】

文●竹岡 圭 写真●日産、三菱
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
(掲載されている内容はグー本誌 2019年2月掲載の内容です)
今後ますます増加が予想される4WDモデル
「冬+北海道=雪→4WD」。こんな図式が成り立ってしまうほど、雪道で4WDが最強なのは言うまでもないこと。でも何も雪じゃなくたって、足を取られやすいシーンはたくさんあります。
たとえば、砂の浮いた坂道やゲリラ豪雨がそう。そんなときも4WDの安定感は抜群だし、ネガティブ要素と言われてきた燃費も、最近は2WDとさほど遜色のないレベルになってきたこともあって、4WDはもはや必要な安全装備のひとつと言ってもいいくらいの存在なのです。
というわけで、進化のほどをより挙動の出やすい特設雪上コースで試してきたのですが、4WDに対する考え方も、メーカーによってさまざまなのがおもしろいんですよね。
EVやeパワーに力を入れている日産では、モーターのダイレクトなトルク出力特性を活かし、何があっても横滑りしないよう制御するのに対し、三菱はより積極的に曲がる方向にアシストしたり、あるいはある程度リヤを滑らせることで、操る楽しさを演出するなど、いろいろな側面を体験できました。
パワートレインのハイパワー化やSUVの台頭に合わせて、各メーカーともに、今後も4WDのバリエーションが増え、進化してくるのは間違いなさそう。また新たな走るワクワクに出会えそうですよ!
Profile
自動車ジャーナリスト
竹岡 圭
人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染み。全日本ラリーにも自らチームを結成し参戦中!
NISSAN:電動化技術を活かした雪でも安心できる走り

爆発的な人気を博したノートeパワーに4WDモデルが登場。低速度域のみ4WDということで、どちらかと言えば力を必要とする発進時や街中での好燃費、また低速度域で走行せざるを得ない、悪条件下での走行安定性に注力したモデルと言えます。
また、制御の繊細さで飛び抜けていたのはリーフ。スノーモードと同様の制御をするエコモードが雪道には適してました。どれを選んでも絶対滑らせないコントロール性能はお見事!

時速30kmまでが4WDで、それ以上になると自動的にFFになる。

フェアレディZやGT-Rといったハイパワーモデルも、しっかり緻密な制御がなされていて、より滑りやすいアイスバーンに近いところでは早めに制御が入るなど、安定した走行が楽しめた。
MITSUBISHI:走破性が高く悪路での扱いやすさに驚く!

恐竜の肋骨のようなリブボーンフレーム構造で、ライバルを寄せ付けないしっかり感を誇るデリカD5。体幹はしっかり保ちつつ、足をしなやかに動かしてコブ斜面を越えていくモーグル選手のごとき見事な走破力とアウトランダー譲りのシャシー性能で、グズグズのワダチ路面もいとも簡単に越えていく様は、もはやミニバンとは思えない!エンジンパワーの出方も洗練され、ステアリングも軽くなり、扱いやすさが光っていました。

12年ぶりのビッグマイナーチェンジで力強さと洗練度が高バランスされた。

ドライブモードが増えてより緻密な制御を行うようになったアウトランダーPHEVや、コントロール性の高いエクリプスクロスなど4WDの種類も豊富な三菱。アグレッシブに楽しめる。
冬ドライブの極意は道路状況の見極め

走りやすい圧雪路からより滑りやすいアイスバーンまで路面はいろいろ。とくにブラックアイスバーンはただ濡れているだけのように見えて危険度高し。路面をしっかり見極め怖がり過ぎずにドライブを楽しもう!