新車試乗レポート
更新日:2019.05.23 / 掲載日:2019.02.05
VOLVO XC60[T6]試乗インプレッション
世界的に評価の高いプレミアム・ミッドサイズSUV。これまでのT5(ターボ)、D4(ディーゼル)に続いて、ターボ+スーパーチャージャーのT6に試乗した。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
VOLVO XC60 T6 AWD R-Design [モデルチェンジ]

XC60 T6 AWD R-デザイン
●発売日:’17年10月16日(T6の納車は’18年)
●価格:724万円
●輸入元:ボルボ・カー・ジャパン
●問い合わせ先:0120-922-662
主要諸元(試乗車:T6 AWD R-デザイン)
●全長×全幅×全高(mm):4690 × 1915 × 1660●ホイールベース(mm):2865●車両重量(kg):1890●駆動方式:4WD●パワートレーン:1968cc直列4気筒DOHC直噴ターボ+スーパーチャージャー(320PS/40.8kg・m)●トランスミッション:8速AT●JC08モード燃費(km/L):11.5●燃料タンク(L):71(プレミアム)●最小回転半径(m):5.7●タイヤサイズ:255/40R21●価格:724万円 ※オプションを含まず
余力のあるエンジンでしっとり心地良く走る
T6・Rデザインはハイブリッド車を除いたXC60では最もパワフルなモデルであり、320PSに達する最高出力を誇る。4WDのみの設定で、モノチューブダンパーなどの専用設計の強化サスに255/40R21というロープロファイル大径タイヤを装着する。スペックは身構えてしまうような超高性能仕様だが、見た目は意外に大人しい。高性能を誇示するようなデコレーションはなく、和気あいあいのドライブを愉しむプレミアムSUVの体だ。それは外見だけでなく、走らせても同様の印象である。
320PSを引き出しても破綻を起こさないシャシーは一般的には硬い乗り心地を示すが、身体に堪えるような突き上げはなく、21インチにしては路面当たりもしっとりとしている。高速コーナーでも切れ味を抑えて絞り込んでいくような操縦感覚を維持し、速度やコーナー半径の違いによる操縦特性の変化も少ない。全開加速でも乗員を脅すような部分がなく、大トルクに任せた悠々巡航も心地良い。
これほどの高性能を何に使うかは別として、良質な高性能がプレミアム感を高めるのは間違いない。これはつまり、大人味の高性能と言ってもいい。付け加えるなら、それはボルボ車そのものの味わいでもある。

XC90以降の新世代ボルボが採用するSPA(Scala ble Product Architec ture)プラットフォームに、ターボ&スーパーチャージャーの強力なT6エンジンを搭載。グレードはスポーティなR-デザインの4WD仕様のみだ。

大型液晶を中央に置いてスイッチ類を削減した、シンプル&モダンな北欧デザイン。タッチパネルは手袋をしたまま操作可能だ。

低回転域ではスーパーチャージャー、高回転域ではターボを効かせるT6エンジン。2200~5400回転にわたり最大トルクを維持する。