新車試乗レポート
更新日:2019.05.24 / 掲載日:2019.02.05
VOLKSWAGEN Passat Alltrack 試乗インプレッション
パサートにクロスオーバースタイルのオールトラックが追加。先行するパサート/同ヴァリアントと同様のTDIエンジンに4WDシステムを組み合わせている。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
VOLKSWAGEN Passat Alltrack[ニューモデル]

パサートオールトラック TDI 4モーション アドバンス
●発売日:’18年9月25日
●価格:499万~819万円
●輸入元:ボルボ・カー・ジャパン
●問い合わせ先:0120-922-662
主要諸元(パサートオールトラック TDI 4モーション アドバンス)
●全長×全幅×全高(mm):4780 × 1855 × 1535●ホイールベース(mm):2790●車両重量(kg):1680●駆動方式:4WD●パワートレーン:1968cc直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボ(190PS/40.8kg・m)●トランスミッション:6速DCT●JC08モード燃費(km/L):17.3●燃料タンク(L):66(軽油)●最小回転半径(m):5.4●タイヤサイズ:245/45R18●価格:569万9000円 ※オプションを含まず
太いトルクと落ち着いた足回りでストレスフリー
VWは外さない。手堅いという言い方もできるが、カテゴリーの主用途に対して走行性能も実用性もきっちりと盛り込んでくる。パサートもそんなVW車らしいモデルだ。そんなパサートのワゴン仕様となるヴァリアントをベースに悪路踏破性を向上したモデルがオールトラックである。ヴァリアントには設定のない4WD車、SUV的ドレスアップと最低地上高の拡大が特徴。ただし、最低地上高は160mmであり、雪路の轍またぎや荒れていない未舗装路なら楽々こなせても、悪路用途前提で選ぶタイプのSUVとは言い難い。
試乗に関しては9割方がパサートヴァリアントTDI車の印象だ。40.8kg・mもの最大トルクと幅広いトルクレンジで巡航エンジン回転数は1500回転以下。巡航ギヤの維持能力も高く、一般路から山岳、高速まで余力たっぷり。ラフロード走行向けに低速でのコントロール性の向上や最終減速比の変更が加えられているが、ドライブフィールに大きく影響するほどの違いは見られない。
フットワークも減衰を控え目に深めのストロークで乗り心地を追求した最近のVW車らしいもの。ガシッとした接地感はないのだが、コーナリング中の加減速や路面のうねりでも乱れのない方向安定性が印象的。ストレスなくハイアベレージを維持できる。
本格アウトドアレジャー志向のユーザーには中途半端な印象もあるが、使いやすいワゴンでレジャーの行動半径の拡大を考えているユーザーには程よいバランス。その名の通りのモデルである。

Dセグメントのパサート/同ヴァリアントから派生したクロスオーバーSUV。ヴァリアントのワゴンスタイルを踏襲しつつ、バンパーやホイールハウス、ルーフレールのデザインでSUVテイストを加え、他のパサートには用意されないフルタイム4WDを採用している。


360度ビューが可能な9.2インチの大型センターディスプレイをインパネ中央に配置。フルタイム4WDのオールトラックはヒルディセントアシスト機能を含むオフロードモードが選択可能となっている。
頭上や足下にも余裕があり、大人4人がくつろぐに十分。前席シートヒーターを標準装備し、アドバンス(写真)は前席ベンチレーション機能付きのナッパレザーシートとなる。
400Nmの大トルクを1900~3300rpmで発生させる、VW最新のEA288型ディーゼルを搭載。高圧/低圧の2系統EGR(排気再循環)や尿素SCR(選択触媒還元)などにより、日本の厳しい規制をクリア。
力強いデザインのホイール。アドバンスは18インチ(写真)、標準仕様は17インチを履く。

ハンズフリーリヤゲートで使い勝手を高めた大容量の荷室。後席は6:4の分割可倒式で、容量は639~1769L(VDA方式)を確保。