新車試乗レポート
更新日:2018.10.26 / 掲載日:2018.10.04
VOLVO V60 試乗インプレッション
SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)を採用し、従来のスポーツ系V60と実用系V70を統合したキャラクターに一新。2Lターボの上級グレードに試乗した。
●文:山本シンヤ ●写真:佐藤正巳
VOLVO V60 [モデルチェンジ]

VOLVO V60 T5 インスクリプション
●発売日:’18年9月25日
●価格:499万~819万円
●輸入元:ボルボ・カー・ジャパン
●問い合わせ先:0120-922-662
●エコカー減税:なし(プラグインハイブリッドは未確定)
主要諸元(T5 インスクリプション)
●全長×全幅×全高(mm):4760×1850×1435●ホイールベース(mm):2870●車両重量(kg):1700●駆動方式:FF●パワートレーン:1968cc直列4気筒DOHC直噴ターボ(254PS/35.7kg・m)●トランスミッション:8速AT●JC08モード燃費(km/L):12.9●燃料タンク(L):55(プレミアム)●最小回転半径(m):5.7●タイヤサイズ:235/45R18●価格:599万円
※オプションを含まず
快適性を一切犠牲にせずスポーティにキビキビ走る
今もボルボ=ステーションワゴンというイメージが強い人も多いが、その最新作である。先代V60の後継にして、日本でも大ヒットした850/V70の実質的な後継モデルの役割も担っている。
エクステリアは兄貴分のV90よりダイナミックなデザインと実用性を両立したデザインだが、注目はまるで日本のために開発されたかのような絶妙なボディサイズ。特に全幅は異例のサイズダウンだ(1865→1850mm)。その一方、インテリアはパッケージの進化によって先代より大きく引き上げられた後席の居住性と大容量ラゲッジスペースを実現する。
パワートレーンはガソリンの2L直4ターボ(T5)と2種類のプラグインハイブリッド(T6/T8ツインエンジン)を用意。サスペンションはエアサスではなく全車コンベンショナルなバネ仕様だが、OPで電子制御可変ダンパー(FOUR‐C)が選択可能だ。
今回の試乗車は可変ダンパー仕様のT5インスクリプション。直進安定性の良さやしなやかな足さばきは最新ボルボ共通だが、初期応答性の良さやロールを抑えたキビキビとした動きなどは明確にスポーティ。だが、快適性は一切犠牲になっていないのが凄い。実は試乗前はディーゼル車がない事が気になっていたが、このフットワークにはフラットで扱いやすい上に軽快でレスポンスの優れるガソリン車の特性が合っている。
現在ステーションワゴンはSUV人気に押され気味だが、V60の完成度の高さをキッカケにブーム再燃を期待したい所である。

日本市場にも配慮して車幅を従来より15mm狭めながら、車高を45mm低くしてロー&ワイドイメージを形成する。納車は2LターボのT5モメンタム/インスクリプションからで、PHEVのT6/T8 AWD インスクリプションは’19年3月以降を予定。なお、’19年7月頃にはT6 AWD モメンタムも導入予定だ。輸入車唯一の5年保証やプラグインハイブリッドの戦略的な価格設定も注目ポイントだ。

上級仕様のインスクリプションは流木風のドリフト・ウッド・パネルを採用。手袋をしたまま操作できるタッチパネル等の機能・操作性は新世代ボルボに共通で、安全&運転支援機能は対向車線対応機能を加えた最新版だ。
インスクリプションはベンチレーション&マッサージ機能付きのナッパレザーシートを標準装着。シートカラーはブロンド(写真)、アンバー(茶)、チャコール(灰)を設定。
T5エンジンはランニングコスト低減と高効率化、運転する喜びを狙った次世代パワートレーン戦略「DRIVE-E」に基づくダウンサイジングターボで、エコカー減税に適合。スーパーチャージャーを加えたプラグインハイブリッド車がT6、その高出力版がT8となる。
写真はオプションの19インチホイール。標準は18インチで、モメンタムは17インチ。

センターコンソールには操作系と収納を巧みに配置。USBや12Vのソケットを備える。
トランクは容量529L。仕切り機能付きフロアボードなど、荷室機能の充実はさすがだ。
提供元:月刊自家用車