VOLVO V60クロスカントリー 試乗インプレッション

●発売日：’19年4月17日
●価格：549万~649万円
●輸入元：ボルボ・カー・ジャパン
●問い合わせ先：0120-922-662

主要諸元（V60クロスカントリーT5 AWD プロ）
●全長×全幅×全高（mm）：4785×1895×1505●ホイールベース（mm）：2875●最低地上高（mm）：210●車両重量（kg）：1810●駆動方式：4WD●パワートレーン：1968cc直列4気筒DOHC直噴ターボ（254PS／35.7kg・m）●トランスミッション：8速AT●JC08モード燃費（km／L）：11.6●燃料タンク容量（L）：60（プレミアム）●最小回転半径（m）：5.7●タイヤサイズ：235／45R19　※オプションを含まず

　V60にXC60の方向性を加えたモデルと考えれば分かりやすい。全長／ホイールベースがXC60よりも長く、全高は155mm低い。そのため外観はSUVに比べると低く伸びやかである。しかし、最低地上高はXC60と5mmしか変わらない210mmを確保。踏破に関係する車体諸元はSUVと同等のものである。
　一方、1505mmの全高はSUVらしいボリューム感を欠く。しかし、立体駐車場の全高制限やルーフラック装備時の使い勝手ではとても有利であり、都市部も長距離もアウトドアレジャーにも使うには極めて実践的な全高設定だ。
　走りの志向も同じように実践主義でまとまっている。T5ユニットは浅いアクセル開度の低回転からトルクフルであり、ダイナミックモードを選択しても要点を押さえて無駄回しを控えた理性的なシフト制御を行う。同パワーユニットを採用するボルボ車に共通した特性だが、V60クロスカントリーのフットワークと相性がいい。
　19インチホイールを採用するが、意外と乗り心地は穏やかであり、ボルボ車の中でもストローク使いは柔らかめ。ピッチやロールの変化は大きめになるが、SUVよりは低めのアイポイントもあって、安心感のあるしなやかさを操安と乗り心地の両面に備えている。
　室内は長手方向のゆとりを活かした着座姿勢など上級ワゴンの寛ぎを楽しめる。外装では路面からの飛沫を抑えるサイドシルガードなど、雰囲気ではなく実利ある設計が施される。実際に役立つウェルバランスこそ最大の魅力である。

V60がFFのみなのに対し、こちらは4WDのみを設定。グリルやバンパー、フェンダーなどの専用パーツによりSUVテイストに仕立てられ、全幅は45mm拡大。V90クロスカントリーのサス部品を採用し、全高70mm／最低地上高65mmプラスとなっている。グレードは標準仕様と上級装備の「プロ」の2グレードだ。

インパネ中央に配置された9インチのタッチスクリーン式ディスプレイが存在感を放つが、スイッチやボタンが削減され、先進感よりもシンプルで落ち着いた印象が強い。そうしたデザインに加え、手袋をしたままタッチ操作ができるのも北欧らしさを感じさせる。

安全性と快適性を追求した室内。電動調整式のフロントシートはボルボ最上位の90シリーズと同様の構造だ。リヤシートにもシートヒーターがオプションで用意されている。

荷室は6：4分割可倒シートによりアレンジが可能で、529~1441Lの大容量を誇る。ハンズフリーパワーテールゲートも設定される。