新車試乗レポート
更新日:2018.11.05 / 掲載日:2018.06.21
アウディ TT RS クーペ 試乗レポート

歴代最強スペックで登場したスポーツモデル
アウディのなかでも、「RS」は特別だ。手がけるのは、ハイエンドスポーツモデル専門のスペシャリスト集団「Audi Sport GmbH(旧quattro GmbH)」。「RS」はラインアップでもっともパワフルなエンジンを搭載するモデルに与えられる呼称で、1994年に登場したRS2アバントからの伝統だ。
2017年に新型となって登場したTT RSは、新開発のオールアルミ製エンジンを搭載。従来型に比べ26kgもの重量を軽減しつつ、新たに設計されたターボチャージャーとの組み合わせにより、60馬力のパワーアップを実現。最高出力は400馬力、最大トルク48.9kgmという強心臓だ。もちろんそのパフォーマンスは強力で、0-100km/h加速は3.7秒(ロードスターは3.9秒)と歴代最速。それでありながらも、11.7km/L(JC08モード)という燃費は立派だ。
ルックスも特別仕立てで、ハニカムメッシュを使った専用フロントバンパーや固定式リヤスポイラーによるエクステリアは迫力そのもの。

さらに、アウディ自慢のクワトロシステムについてもチューニングが施されている。前後重量配分を最適化するために、多板クラッチの位置をプロペラシャフト後部に配置。コーナリング時のライントレース性を高めるよう、前後のトルク配分も調整される。
そんな予備知識を頭にステアリングを握ったが、タウンスピードでは拍子抜けするくらいに乗り心地がよく、快適。エキゾーストの音量こそ大きめだが、十分に街乗りできる洗練度合いなのだ。
しかし、アクセルを深く踏み込むと世界が一変する。レーシーなサウンドとともに、まるでロケットのようにTT RSは猛然と加速する。感心するのは、車体姿勢がフラットで、まるで地面に張り付くような安定感が伴うこと。
まさにアウディだからこそ実現できる高性能スポーツの世界。この感覚はクセになりそうだ。
文●グーワールド
写真●澤田和久、内藤敬仁
問い合わせ アウディ コミュニケーションセンター TEL:0120-598-106
Detail Check
コックピット
コックピット
手の触れる部分にアルカンターラを用いたDシェイプの専用ステアリングが目を引く。バーチャルメーターにも、Gメーターや変速タイミングを知らせるシフトライトといったTT RS専用の機能が追加されている。
インテリア
インテリア
本格スポーツカーに匹敵する性能を持ちながらも、ラグジュアリーな雰囲気を漂わせるのがTT RSの魅力のひとつ。クロスステッチが施されたシートは質感も極めて高い。
エンジン
エンジン
400馬力に到達した2.5L 5気筒ターボエンジン。クワトロも後輪へのトルク配分を増やす専用セッティングとなっている。
ラゲッジルーム
ラゲッジルーム
ラゲッジルームは標準モデルと同等の容量を確保。走りを極めつつも、高い実用性を備えている。
タイヤ・ホイール
タイヤ・ホイール
TT RS専用のマグネティックライド付きサスペンションは、公道のみならずサーキットまで対応するハイスペック。
アウディ TT RS クーペ(7速AT・Sトロニック)
全長×全幅×全高 | 4190×1830×1370mm |
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ホイールベース | 2505mm |
トレッド前/後 | 1560/1540mm |
車両重量 | 1490kg |
エンジン | 直5DOHCターボ |
総排気量 | 2480cc |
最高出力 | 400ps/5850-7000rpm |
最大トルク | 48.9kg m/1700-5850rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前・後 | 245/35R19 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2017年3月)
アウディ TT RS クーペ(7速AT・Sトロニック) | 989万円 |
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Body Color
※ほか2色。
■ベガスイエロー □グレイシアホワイトM ■フロレットシルバーM ■ミストブラックM ■カタルーニャレッドM ■デイトナグレーパールエフェクト |