新車試乗レポート
更新日:2018.05.28 / 掲載日:2018.05.28

新型MINI 海外試乗インプレッション

独特の存在感で人気のミニがモデルチェンジ。意匠変更や新7速DCTの採用により、さらに魅力を増しているという。4月下旬にスペインで行われた試乗会からDCT車をメインにインプレッションをお届けするとともに、5月16日発表の国内仕様を紹介する。

icon MINI / MINI CONVERTIBLE

●発売日:’18年5月16日
●価格:238万~450万円/373万~523万円
●輸入元:ビー・エム・ダブリュー
●問い合わせ先:0120-3298-14
※写真は一部海外仕様

DCTはダイレクト感がありAT並みに滑らかだ

 3世代目となるミニの3ドア/5ドア/コンバーチブルがマイナーチェンジ。内外装はもちろん、ドライブトレーンやコネクテッド技術もアップデートされている。
 エクステリアはライト類を刷新。ヘッドライトを取り囲むリング型のデイライト(ウインカーの役割も担う)により、より人の顔に見えるオトボケな印象が微笑ましい。テールライトも新デザインのLED式に変更。モチーフのイギリス国旗「ユニオンジャック」を左右に分けたデザインである。
 インテリアは新形状ステアリングを採用し、操作系のスイッチレイアウトを変更。シフトレバー根元にあったドライブモード切り替えダイヤルはセンターパネルのトグルスイッチ内に移動。また、ナビを含めたインフォテイメント機能もタッチスクリーン式にアップデート、スマホのワイヤレス充電など利便性や使い勝手もアップ。
 メカニズムで最大の変更は主要モデルのトランスミッションを6速ATからミニ初採用となる7速DCTに変更したこと。シフトレバーは操作がしやすいグリップタイプだ。エンジンは排ガス/燃費の改善がアナウンスされるが、スペックの変更はなし。ただ、ベーシックなONEは直3の1・2Lを1・5Lに変更している。
 今回はクーパーSの3ドアとカブリオレに試乗したが、注目のDCTはカブリオレで体感。カチッとしたダイレクトなフィーリングはミニのキャラクターを考えるとATよりもふさわしい。エンジンも今まで以上に元気に感じたが、これはトルコンを介さないDCTがエンジンのパフォーマンスをより引き出せているからだろう。
 DCTは発進時や常用域の再加速時にギクシャクする欠点を指摘する人もいるが、今回乗った限りではATと変わらない滑らかさ。だだ、欲を言えばもう少しシフト感の演出があってもいいと感じた。
 今回はフットワーク系の変更のアナウンスはないが、3ドア/カブリオレともに確実に”深化”。操舵時のダイレクト感はそのままに、ニュートラル付近に心地よいダルさがプラスされ、ストレスフリーなドライブフィールだ。また、引き締められたサスペンションと205/45R17の組み合わせとは思えないほどの快適性もポイント。
 そういう意味では、ミニらしいキビキビ感にクラブマンのようなシットリした落ち着きや質感がプラスされたような乗り味である。当然3ドアよりもカブリオレのほうが剛性は不利だが、路面の悪い所で若干Aピラーがブルブル震える程度で、ボディの骨格の強さに感心した。
 結論。様々なタイプを持ちどれも一長一短あるミニだが、今回のマイナーチェンジで「やはりミニの本命は(派生タイプではなく)これ!!」と言えるモデルに仕上がっていると感じた。

試乗したのはいずれも左ハンドルのクーパーSで、3ドア(6速MT)とコンパーチブル(7速DCT)だ。

国内仕様は238万円から

 海外試乗会から約半月遅れで国内発売が発表された。すべて右ハンドルで、5ドアのみ5人乗り、他は4人乗り。3ドアの最もベーシックなONE(ワン)は1.2Lから1.5Lに排気量が拡大され、238万円スタートに。今回の改良はベーシックな3タイプが対象で、派生型のクラブマンとクロスオーバーは継続販売となる。

icon MINI 3 DOOR(ミニ 3ドア)

キビキビ軽快なミニらしいミニ
 大柄なクラブマンやクロスオーバーもラインナップする中、小さく軽いというミニのアイデンティティを最もシンプルに体現。
■車体寸法等(クーパーS 3ドア・DCT)
●全長×全幅×全高(mm):3860×1725×1430●ホイールベース(mm):2495●車両重量(kg):1270●最小回転半径(m):5.3●タイヤサイズ:205/45R17

icon MINI 5 DOOR(ミニ 5ドア)

5人乗車で積載性も上々
 延長ボディにより、室内空間と荷室に余裕あり。全幅は3ドアと同じだが、3タイプの中で唯一後席が3人掛けで5人定員となる。
■車体寸法等(クーパー 5ドア)
●全長×全幅×全高(mm):4000×1725×1445●ホイールベース(mm):2565●車両重量(kg):1260●最小回転半径(m):5.4●タイヤサイズ:175/65R15

icon MINI CONVERTIBLE(ミニ コンバーチブル)

電動トップで開放感を満喫
 3ドアボディをベースに電動開閉式のソフトトップを装備。100kgの重量増加と引き換えにオープンカーの開放感を得られる。
■車体寸法等(クーパーS コンバーチブル)
●全長×全幅×全高(mm):3860×1725×1415●ホイールベース(mm):2495●車両重量(kg):1370●最小回転半径(m):5.3●タイヤサイズ:205/45R17

  • JC08モード燃費は、ガソリン車が1.5L=16.3~17.9km/L、2L(写真)=15.1~16.4km/L。ディーゼル車は1.5L=23.9km/L、2L=23.8km/L。

  • 新採用の7速DCTのセレクターレバーは電気式で、形状はガングリップタイプ。

  • 馬蹄形だったヘッドライトリングが円形に。

  • リヤはユニオンジャックの意匠となった。

中央に速度計を置く、おなじみの円形デザインを踏襲したアナログメーター。

  • 円形をアクセントにする方向性はそのままにインパネを刷新。機能面のポイントはスマホ連携の強化で、非接触充電機能もOP設定。

  • コネクト機能の中核となる8.8インチタッチディスプレイ。後方カメラや駐車アシストの表示も行う。

  • コンバーチブルのシート。クーパーSはスポーツシートが標準。

  • オプションの本革シートはグレー(写真)、ブラウン、ブラックが選べる。

  • 3ドアはコンバーチブルと同じく後席2人掛け。

  • 5ドアは3人掛けで乗車定員が5人となる。

  • オプションでカラー可変のイルミネーションパネルを用意。ユニオンジャックがモチーフだ。

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グーネットマガジン編集部

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