新車試乗レポート
更新日:2018.10.19 / 掲載日:2018.02.02

【試乗レポート】スバル インプレッサとXVで厳冬の青森を縦断200kmドライブ!

スバル XV(赤)とスバル インプレッサ SPORT(青)

文●ユニット・コンパス 写真●SUBARU

 今年は年初から大雪に見舞われる地域が多く、関東でも記録的な寒さや積雪があった。雪が降ると鉄道交通は混乱し、道路状況によってはクルマでの移動も大きく制限されてしまうものだ。多くのクルマユーザーが「次は四駆にしようかな……」と思うのは、まさにこんな冬のシーズンではないだろうか。近年はスタッドレスタイヤの進化によって、四駆でなくても雪道をまずまずのペースで走行できるようになっているが、凍結した路面や勾配のきつい山道などを走る場合は、やはり4WDのトラクション、安定性は絶大だ。

 今回は販売されるクルマの9割強が4WDモデルという生粋の四駆ブランドであるスバルから、人気モデルのインプレッサ SPORTとXVをピックアップ。最新4WDのポテンシャルを、本州最北端の青森県を縦断するドライブで体感した。


スタッドレスを履いていれば……では通用しない雪国!

 岩手県北部に位置する安比(あっぴ)高原からスタートして青森県内を北上する、およそ200kmの工程。湖水の透明度で知られる十和田湖、冬の遭難事故で有名な八甲田山、さらには総檜造りの巨大浴場を持つ酸ヶ湯(すかゆ)温泉というスポットを通り、一般道、高速道路がミックスされ、高低差もある、じつに走りがいのあるコースだった。

看板商品「インプレッサ」が見せる懐の深い走り

 4ドアセダンが「インプレッサ G4」、5ドアハッチバックが「インプレッサ SPORT」と呼ばれるが、乗ったのは「SPORT」。WRCをはじめ世界中のラリーシーンに強烈な存在感を示し続けた長年の挑戦が知られるが、得られたさまざまな技術や経験は、この5代目インプレッサだけでなく、今日のラインアップにも息づいている。雪と氷に覆われ荒れた路面をしっかりとらえた爽快な走りを披露してくれた。


クロスオーバーSUV「XV」が示すスバルの良心

 当初インプレッサの派生車種として「インプレッサXV」の名前で販売された手頃なサイズ感のクロスオーバーSUV「XV」。現行型の3代目には、現行のインプレッサと同じく次世代プラットフォーム「スバル グローバル プラットフォーム(SGP)」が採用され、高い走破性能や安全性が両立されている。やや高めの目線と自然でフラットな乗り味は快適で、メインの価格帯が200万円代前半という手頃さもうれしい。幅広い層から人気を集めるのも当然だ。



シンプルで確実な働きをする「シンメトリカルAWD」

 スバル独自の4WD機構「シンメトリカルAWD」は、水平対向エンジンを核としたパワートレーンが、左右対称、一直線にレイアウトされ、シンプルかつ軽量なもの。重量が増すトランスファーを経由したり、モーター出力が小さい発進アシストタイプの4WDシステムが多いなか、スバルのシンメトリカルAWDは、軽量、シンプルな構造で大出力に対応するタフさも備えている。それと同時に、車両の挙動やドライバーの意思をセンシングして電子制御による緻密な駆動配分も行われるため、あらゆる状況においてハイレベルなパフォーマンスを期待できる。

つねに「安心感」をもたらしてくれる4WD

 道路の整備や除雪体制が進んでいるので、北国でも時折FFのクルマに遭遇するが、今回のように真冬であれば、やはり4WDのもたらす安心感は何物にも替え難い。スムーズな発進、トラクションのしっかりかかった安定したコーナリング、急な坂道発進の際に起きやすい「前輪の空転」などもなかった。また、水平対向エンジンの「低い重心」が、ドライバビリティに良好な影響をもたらしていることも印象的だった。さらに、減速時にすべての車輪にエンジンブレーキがかかるというのはやはり安定感が違った。

  •  雪道、凍結路面での走りに大きく貢献したのがブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX2」。トラクションがしっかりとかかり、よく走る、よく止まるという基本性能を高いレベルで示してくれた。


 個人的には、何度も走っているコースではあるが、冬の経験はなく、雪で印象はガラリと変わった。しかしインプレッサ、XVでのドライブは終始安定した挙動を楽しめた。安心感があるため、車窓からの冬景色も堪能することができ、味わい深いドライブとなった。キング オブ ウインターと呼びたくなるスバルのパフォーマンスに感服させられた。




スバル インプレッサ SPORT 2.0i-S EyeSight(CVT)
全長×全幅×全高 4460×1775×1480mm
ホイールベース 2670mm
トレッド前/後 1540 / 1545mm
車両重量 1350kg
エンジン 水平対向4気筒DOHC
総排気量 1995cc
最高出力 154ps/6000rpm
最大トルク 20.0kgm/4000rpm
JC08モード燃費 16.0km/L
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 225/40R18

販売価格 194万4000円~261万3600円


スバル XV 2.0i-S EyeSight(CVT)
全長×全幅×全高 4465×1800×1550mm
ホイールベース 2670mm
トレッド前/後 1555 / 1565mm
車両重量 1440kg
エンジン 水平対向4気筒DOHC
総排気量 1995cc
最高出力 154ps/6000rpm
最大トルク 20.0kgm/4000rpm
JC08モード燃費 16.0km/L
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 225/55R18

販売価格 213万8400円~267万8400円




好評の「ゲレンデタクシー」

 ところでスバルは2014年から、リフトの代わりにスバルのSUVでゲレンデを駆け上るサービス「ゲレンデタクシー」を行っている。雪に覆われた急斜面をものともせず、リフトを遥かに超える速度で登りきり、スキーやスノーボードを楽しむ来場者を送り届けている。利用者は、そのパフォーマンスに驚きの声をあげ、大好評のサービスとなっている。今季もすでにいくつかのスキー場で行われているが、5周年を記念して2018年2月17日(土)、18日(日)に新潟県の苗場スキー場で「SUBARU SNOW FES IN NAEBA」を開催する。是非参加して、滑降とともに、スバル車に乗車しての登りも楽しんでほしい。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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