新車試乗レポート
更新日:2018.11.08 / 掲載日:2017.11.30
ALFA ROMEO GIULIA 試乗インプレッション

世界展開を意図する新生アルファロメオの第一弾がジュリアである。ベンツCクラスやBMW3シリーズと同カテゴリーに位置する手頃なサイズのプレミアムセダンだ。あざといアクセントを控えた端正な3BOXスタイルが新生アルファの考え方を端的に示している。要はセオリーを違えない正統性と個性との融合である。このサイズのFRセダンとしては後席の居住空間にさほど余裕はないが、収まりのいいシートや着座姿勢、内装の設えなど、後席にも前席と同質のくつろぎを提供している。
試乗したスーパーは昔もそうだったようにジュリアの看板モデル。2Lターボ・8速ATを採用。パワースペックは2.5~3L級であり、2000回転を下回る領域でも素直で力強い。高回転の伸びもよくスポーティに走らせるのも心地よい。どっしりした重質な味わいは薄いが、軽やかでしなやかなフットワークも好感触。操縦感覚は切れ味を演出しすぎた印象。そこだけが少しアンバランスだが、総じて上品な味付けである。
以前のアルファロメオと比較すると薄味の感じもするが、中央から大きく外れるのは嫌だが自分らしさは主張したいユーザーにとって、品よく程よくまとまっている。
ALFA ROMEO ジュリア[ニューモデル]
●発売日:’17年10月14日
●価格:446万~1132万円
●輸入元:FCAジャパン
●問い合わせ先:0120-779-159
主要諸元(試乗車:ジュリア スーパー)※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm):4645×1865×1435●ホイールベース(mm):2820●車両重量(kg):1590●駆動方式:FR●パワートレーン:1995cc直4SOHCターボ(200PS/33.7kg・m)●トランスミッション:8速AT●JC08モード燃費(km/L):13.6●燃料タンク(L):58(プレミアム)●最小回転半径(m):5.4●タイヤサイズ:F=225/45R18 R=255/40R18●価格:543万円

FCAグループはアルファためにFR/4WD専用プラットフォームを新開発。2L車は標準(受注生産)とスポーツ、上級装備のヴェローチェ(左ハンドル)の3車。2.9L車は価格が倍以上のクアドリフォリオのみ。

スポーティなメーター周りとラグジュアリー感を両立。8.8インチ画面の「Connectシステム」など、最新のIT機能も備えている。

写真のスーパーがプレミアムレザー、ヴェローチェはスポーツレザーなど、全車本革シートを採用。シート色に合わせたステッチも施す。

試乗したスーパーの2L直4“マルチエア”ターボエンジンは200PS。上位モデルのヴェローチェは280PSで、シリーズ唯一の4WDを採用。
GIULIA QUADRIFORIO

●車両重量(kg):1710●パワートレーン:2891ccV6DOHCツインターボ(510PS/61.2kg・m)●トランスミッション:8速AT●タイヤサイズ:F=245/35ZR19 R=285/30ZR19●価格:1132万円
AMGやMモデルに並ぶ高性能セダン
最高出力510PSのFRスポーツというだけで身構えてしまうが、驚くほど柔軟な走りを示した。全開の加速は「あっ」という間の出来事。サーキットに行かなければアクセルを踏み込み続けた加速は試せない。だからといって渋滞でむずがるようなこともなく、街中も高速も従順悠々なのだ。このパワーを受け止めるだけの幅広タイヤを装着していながら、荒々しい衝撃が少ない乗り心地。ハンドリングはスーパーと対照的に操舵初期から抑え込むような回頭性。プレミアム性も性能もAMGやMモデルと比肩しうる高性能セダンである。