新車試乗レポート
更新日:2017.09.21 / 掲載日:2017.09.21
キャデラック ATS-V 試乗レポート

その速さは欧州のライバルと比較しても遜色なし
いまや北米の枠を超え、国際的なラグジュアリーカーマーケットに挑戦しているキャデラック。走行性能についても欧州ブランドを凌駕するべく磨きをかけており、2004年から「キャデラック レーシング」としてモータースポーツ活動も積極的に参加、今年のセブリング12時間レースでも優勝するなど成果を挙げている。そして、モータースポーツで培った技術を市販車にフィードバックしたのが、高性能モデルである「Vシリーズ」というわけだ。

ハイパフォーマンスモデルといえば、高出力を発揮する特別なエンジンが不可欠。ATS-Vでは、全長・全幅・全高が4700mm×1835mm×1415mmというコンパクトなボディに、3564ccのV6ツインターボエンジンを搭載。最高出力470馬力、最大トルクに至っては61.5kgmに到達するこのパワーユニットは、単なる数値だけでなく、ターボチャージャーのブレードに軽量なチタンを採用してレスポンスを高めたり、8速ATのセッティングをパフォーマンスよりに仕立て直すなど、モータースポーツの影響を強く感じさせる設計となっている。さらに、専用コンパウンドを採用するミシュラン・パイロット・スーパースポーツ、ブレンボ製ブレーキ、減衰力の応答性を40%高めたダンパー、電子制御LSDの採用など、高性能化に向けたプログラムは多岐にわたる。
カーボンパーツを多様したエクステリアは、ATS-Vが特別な存在であることをアピールするが、走り出せばそのアピールが本気であることにすぐ気がつくだろう。コーナーでは、まるでノーズが水平に移動するかのようなロールの少なさでコーナーを切り取り、アクセルを開けていくと後ろから蹴り出されるような強烈な加速を披露。速度が上がれば上がるほどフォーカスがキリリと合う辛口の乗り味で、このパフォーマンスをサーキットで思い切り引き出してみたい、そう思わせる本格派だった。
文●GooWORLD 写真●澤田和久、北川 泉
問い合わせ GMジャパン・カスタマーセンター フリーダイヤル TEL:0120-711-276
Detail Check
コックピット
コックピット
インテリアカラーはジェットブラックにアルミニウムトリムパネルの組み合わせ。タッチ操作式のナビゲーションやBose製プレミアムサラウンドといったラグジュアリー装備についても惜しげもなく装備される。
インテリア
インテリア
レカロ製のフロントシートはサポート性能に加え16Wayの電動調整式と使いやすさにも配慮。後席の使い勝手については標準モデルと同等レベルをしっかりと確保する。
エンジン
エンジン
0-100km/h加速3.8秒という俊足を可能とした3.6L V6ツインターボエンジン。エンジンも後方に搭載し、重量配分に配慮。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
ラゲッジスペースについてはベースモデルと同様。後席中央部分には長尺物に対応するトランクスルーを装備している。
主要諸元:キャデラック ATS-V セダン スペックB(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4700×1835×1415mm |
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ホイールベース | 2775mm |
トレッド前/後 | 1540/1540mm |
車両重量 | 1750kg |
エンジン | V6DOHCツインターボ |
総排気量 | 3564cc |
最高出力 | 470ps/5850rpm |
最大トルク | 61.5kg m/3500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前・後 | 255/35 ZR18・275/35 ZR18 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2017年1月)
ATS-V セダン スペック-A(8速AT) | 916万6667円 |
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ATS-V セダン スペック-B(8速AT) | 1009万2593円 |
Body Color
■セーブルブラック □クリスタルホワイトトゥリコート ■ラジアントシルバーメタリック ■レッドオブセッションティントコート ■ファントムグレーメタリック |