新車試乗レポート
更新日:2018.10.15 / 掲載日:2016.07.29
日産 GT-R 試乗レポート(2016年07月)
日産 GT-R 試乗レポート
海外試乗
【マイナーチェンジ】
発表/2016年7月11日
日産・お客様相談室 0120-315-232
文・石井昌道 写真・日産自動車
■日本が誇るスーパースポーツが本腰を入れて改良された
思えば2007年に発売されたGT-Rではあるが、今日にいたるまでイヤーモデルごとの弛まない進化が続けられてきた。そして2017年モデルは、過去大規模での改良が行われている。エンジン、ボディ、足まわりを改良することによる大幅なパフォーマンスアップはもちろんのこと、初期の頃にはあまり意識していなかったであろう「洗練度」ということもを大いに高められてきた。
■ドライビング/ユーティリティ
Report 石井昌道
デビュー当初のGT-Rは、とにかく「速さこそが正義」とばかりに荒々しく突進していくものの、どこか「一体感」が得られないようなもどかしさも同時に感じたものだった。だが今回ドイツとベルギーで試乗した、大幅なマイナーチェンジを受けた2017年モデルは、ドライバーの意志に忠実に走り、不快な音や振動、突き上げ感なども見事に封じ込められ、このままどこまでも走っていきたくなるような洗練されたスーパースポーツに生まれ変わっていた。
現代的な衝突安全性能を確保しようとすると相対的にフロント周りが弱くなるボディは、主にAピラー周辺を強化することで剛性バランスが最適化されたが、それによって締め上げられたサスペンションがしなやかに動くようになった。アウトバーンを200km/hオーバーで巡航しているときには、ランフラットタイヤが苦手としていたワンダリングが劇的によくなっているのが感じられた。エンジンもドライバビリティの向上が著しい。
あいかわらずとてつもない速さを持っているが、何より印象的だったのは、ドライバーがクルマを手の内に収めている感覚が、以前よりもずっと強くなったのだ。乗り味の豊かさは、数値などで語られる以上の進化を遂げている。
■インテリア/エクステリア写真[1]
Cピラーのプレスラインがより滑らかになった2017年モデル。ボディ剛性がアップし、ダンパーとスタビライザーも固められるが、バネが柔らかくなった足まわりは非常によく動く。
ほぼすべてが変更されたコクピット。インフォテインメントシステムのディスプレイもインチアップして見やすくなった。全体的にすっきりとした機能性を追求した空間だ。
■インテリア/エクステリア写真[2]
3.8LのV6ツインターボユニットは、点火制御を最適化するなどにより、出力をこれまでより20馬力ほど向上している。
速さだけではない、走りの豊かさと洗練さも手に入れた新しいGT-R。スポーツカーにおける孤高の存在だ。
パワーアップに対応するべく冷却効率が高められたことも大きな改良のトピック。空力的には大きなマイナスとなるはずの措置だが、以前と変わらぬCd値0.26の死守は並大抵のことではない。
日産 GT-R プレミアムエディション(6速AT・GR6)
全長×全幅×全高 | 4710×1895×1370mm |
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ホイールベース | 2780mm |
車両重量 | 1770kg |
エンジン | V6DOHCターボ |
総排気量 | 3799cc |
最高出力 | 570ps/6800rpm |
最大トルク | 65.0kg m/3300-5800rpm |
JC08モード燃費 | 8.6km/L |
サスペンション前 | ダブルウィッッシュボーン |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤ前 | 255/40ZRF20 |
タイヤ後 | 285/35ZRF20 |
価格
GT-R | 996万840円~1186万9200円(全グレード) |
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