新車試乗レポート
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2016.05.20
ボルボ XC90 試乗レポート(2016.05.20)
ボルボ XC90 試乗レポート
試乗
【フルモデルチェンジ】
発表/2016年1月27日
ボルボお客様相談室 0120-922-662
文●石井昌道 写真●編集部
■ドイツ勢と互角にわたり合える確固たるポテンシャル
じつに12年ぶりのモデルチェンジを受けたXC90。近年ボルボは、それまでのおとなし目なイメージから大きくかけ離れた、躍動感のあるデザインを採用しているが、このニューモデルの造形は、それからさらに飛躍して大きな注目を集めている。中身を見ても、社運をかけたといえる新開発プラットフォーム「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」の第一弾商品であることも話題となっている。60シリーズなどの中型モデル以上は、今後順次SPAになっていくので、これからのボルボを占う上でも重要なモデルだ。
■ドライビング/ユーティリティ
Report 石井昌道
XC90で走り始めてまず驚くのは、この大きなボディをたった2Lのエンジンが軽々と走らせること。スーパーチャージャーとターボを併用しているだけあって最大トルクは40.8kg mと強大。大排気量車のようにモリモリと力がわき上がってくる。大きな負荷をかけた時には4気筒の振動感が若干気になることもあるが、日常域ではあまり回転をあげる必要がなく問題はない。
シャシー性能は気合いを入れて開発されただけあって底知れないポテンシャルを感じる。ボディがカチッとしているおかげでサスペンションがしなやかに動き、上質な乗り心地となっている。それでいて高速になればなるほどビタリと安定。アタリは優しいのに芯はタフなのだ。細かな凹凸が連続する路面では、ややフラット感を欠くこともあったが、サスペンションの制御を少し煮詰めるだけで解決しそうだ。全面的に新設計したモデルゆえ、熟成に期待したい部分もあるが、ドイツのライバル達と真っ向勝負できる動的質感をもっていることは確かだ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
室内は高級感と先進性がほどよく融合した空間。さまざまな操作は、9インチのタッチディスプレイの入力とボイスコントロールで行える。慣れてしまうと非常にスムーズだ。
人間工学に基づいて設計されたシートは、長距離のドライブでも疲れを感じさせないもの。ファインナッパレザーは手触りもやさしく、随所に北欧のクラフトマンシップを感じさせる。
■インテリア/エクステリア写真[2]
力強さが印象的なターボ。ボルボのエンジンは新しく「ドライブE」と呼ばれ、2L直4が最大となる。
格納されフルフラットとなる3列目シートも緊急用のレベルを超えた快適さだ。ラゲッジ容量は、3列乗車時の314Lから最大1868L。
先代よりひと回り大きくなったボディ。リヤコンビランプには最近のボルボのモチーフが使われるが、そのほかはエンブレムなどがなければ、すぐに「ボルボ」とは判らないほどに変わっている。
ボルボ XC90 T6 AWD インスクリプション(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4950×1960×1775mm |
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ホイールベース | 2985mm |
トレッド前/後 | 1675/1680mm |
車両重量 | 2080kg |
エンジン | 直4DOHCターボ+スーパーチャージャー |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 320ps/5700rpm |
最大トルク | 40.8kg m/2200-5400rpm |
JC08モード燃費 | 11.7km/L |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤ前後 | 275/45R20 |
価格
ボルボ XC90 | 774万~1009万円(全グレード) |
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