新車試乗レポート
更新日:2016.04.21 / 掲載日:2016.04.21
メルセデスAMG GT 試乗レポート

メルセデスAMGが誇るスーパーカー
AMG GTは、メルセデスAMGの新たなシンボル。SLS AMGの後継にあたる存在だが、大きな変更点が多数ある。まずはエンジン。V8という点は共通だが、自然吸気6208ccから直噴ツインターボ3982ccとなった。いわゆるダウンサイジング過給の流れだが、高性能版「GT S」で510馬力/66.3kg m、ベースの「GT」でも462馬力/61.2kg mの性能を知れば、不満の声は出てこないはずだ。
外観では、初代SLの伝統を継ぐガルウイング式から、一般的な開閉方式に変更されたドアが目を引く。が、より以上の注目は、全長を90mm短縮するなどコンパクト化を図った点。長いノーズに慣れは必要なものの、AMG GTのステアリングを握ると寸法以上にSLSより小さくなった印象があり、「高価なスーパーカーに乗っている」という緊張感を緩和してくれる。しかも、「C」モードを選んだときには、エンジンは扱いやすく、シフトは滑らかで、乗り心地も十分快適といえるレベルにあるから、日常の移動にも使えるフレンドリーさを備える。

そんなAMG GTが本性を見せるのは「S+」モード。エグゾーストノートの迫力の違いはわかりやすい変化だが、エンジンの応答や吹けの鋭さ、シフトの早さ、そしてグッとダイレクト感を増すハンドリングはより以上に刺激的。覚悟を決めてからでなければ、右足を「グイッ」と深く踏み込むことはできない。なにしろ、「GT S」で0→100km/h加速3.8秒、最高速310km/hのとんでもないパフォーマンスを誇る真のスーパーカーなのだから・・・。
操縦性に関しては、SLSよりはるかにシャープになった身のこなしが印象的。トランスアクスル方式を踏襲し、前47:後53のリヤ寄りの重量配分を実現した効果も大きく、キレのいいハンドリングに酔いしれることができる。スポーツカーとしての純度向上こそが、進化のポイントと言っていい。
文●森野恭行 写真●内藤敬仁、澤田和久
問い合わせ メルセデス・コール TEL:0120-190-610
Detail Check
コックピット
コックピット
レーシーなムードと高級感を高次元で融合。モードセレクターは「I」、「C」、「S」、「S+」、「RACE」の5つ。エンジン、DCT、サスの性格変えをスイッチひとつで行える。「S+」や「RACE」は排気音もより勇ましくなる。
インテリア
インテリア
大柄なひとでもベストなドラポジが取れる空間を確保。右ハンドルの設定もある。AMGスポーツシートはホールド性が高い。
エンジン
エンジン
後方の極めて低い位置に搭載されるV8 4Lのツインターボ。ドライサンプを採用するのが「AMG C63」用との決定的違い。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
ハッチバックの採用もSLSとの相違点。350Lの容量を持ち、日常の利便性をサポート。ボディ剛性を保つタワーバーにも注目だ。
タイヤ&ホイール
タイヤ&ホイール
超ロングノーズが印象的。「GT」のタイヤは前後19インチ。「GT S」は前19・後20インチで、ブレーキキャリパーが赤になる。
主要諸元:メルセデスAMG GT S(7速AT)
全長×全幅×全高 | 4550×1940×1290mm |
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ホイールベース | 2630mm |
トレッド前/後 | 1680/1650mm |
車両重量 | 1670kg |
エンジン | V8 DOHCターボ |
総排気量 | 3982cc |
最高出力 | 510ps/6250rpm |
最大トルク | 66.3kg m/1750-4750rpm |
サスペンション前後 | ダブルウィッシュボーン |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前 | 265/35R19 |
タイヤサイズ後 | 295/30R20 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年5月)
メルセデスAMG GT(7速AT) | 1580万円 |
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メルセデスAMG GT S(7速AT) | 1840万円 |
Body Color
■ファイアーオパール ■マグネタイトブラック ■イリジウムシルバー ■ブリリアントブルー ■AMGソーラービーム □ダイヤモンドホワイト ※ほか4色。 |