新車試乗レポート
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.09.17
ボルボ V40 D4 試乗レポート(2015年09月)

出来のいいディーゼルはこれからの主役
自前開発の新世代ユニットへの切り替えを機に、ボルボも日本市場でディーゼル攻勢に打って出た。メルセデス、BMWのドイツ勢に続く構えだ。XC60からV40までの5車種・11グレードを一気に揃えたことが、ハンパでない気合いの証明だ。190馬力/40.8kg mという、2段過給システム採用の2Lユニットの性能は全モデルで共通。ということは、軽量・小型のV40ではめざましい性能が期待できる。
想像どおりに、「D4」を名乗るクリーンディーゼル搭載のV40の走りはじつに頼もしい。右足に少し力を込めるだけで「スーッ」と気持ちよく加速をし、深く踏み込めばグイグイと速度を乗せていく。1.6Lのガソリン直噴ターボを積む「T4」を明らかに凌ぐ力感と速さと言えば、理解してもらえるだろう。

また、アイドリングや低速の加速時には「カラカラ」とディーゼルノックが響くが、静粛性や振動も満足のいくレベルにある。そこに、大トルクが生むクルージングのゆとり、8速ATの滑らかな変速、JC08モード20.0km/Lの低燃費という魅力が加わるのだから、多くのひとの食指が動くはずだ。
「T4」と比べると前軸荷重が100kgほど重いため、気になるのはフットワークのバランスだが・・・心地のいいペースで流すシーンではまったく問題はない。落ち着きと安定感が増した走り味を好むひともいるだろう。ペースを上げるとさすがにノーズヘビーを意識するが、従順でコントロール性に優れるため心配することはない。「D4」との相性がよりよいのは、XC60などの上位モデルだが、V40とクリーンディーゼルのコンビもとても魅力的だと感じた。ロングドライブの機会が多いひとにとくにお薦めしたい。
おろしたての新車ゆえに、サスはまだ突っ張った感じ。それがゴツつきの残る乗り心地に表れていたが、走り込めば改善されるはず。「D4」ならではのしっとりした乗り味を楽しませてくれることと思う。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合わせ ボルボお客様相談室 TEL:0120-922-662
Detail Check
コックピット
コックピット
ハイセンスとハイクオリティが自慢のインテリアは、北欧家具に通じるムードを持つ。上級のSEはHDDナビやフルセグTVチューナーも標準で装備する。もちろん、先進安全メカの「インテリセーフ10」も搭載する。
インテリア
インテリア
レザーパッケージを選べば、本革シートに加えて前席のパワーシートおよびシートヒーターも標準となる。後席は大柄な大人が座るのにも十分なスペースを確保する。
エンジン
エンジン
樹脂カバーに主張はないが、これがボルボ自前の新世代クリーンディーゼル。コンパクトなV40にも強力な心臓がおごられる。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
パッケージングは5ドアハッチとショートワゴンの中間的なものとなる。6対4分割の可倒シートを倒せば、大容量の荷室が得られる。
主要諸元:ボルボ V40 D4 SE(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4370×1800×1440mm |
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ホイールベース | 2645mm |
トレッド前/後 | 1545/1535mm |
車両重量 | 1540kg |
エンジン | 直4DOHCディーゼルターボ |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 190ps/4250rpm |
最大トルク | 40.8kg m/1750-2500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | ディスク |
タイヤサイズ前後 | 205/50R17 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年7月)
V40 D4(8速AT) | 349万円 |
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V40 D4 SE(8速AT) | 399万円 |
Body Color
□クリスタルホワイトパール ■オニキスブラックメタリック ■パワーブルーメタリック ■パッションレッド ■ブライトシルバーメタリック □アイスホワイト |