新車試乗レポート
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.08.20
ボルボ V60 T6 AWD 試乗レポート

最後の直6エンジンは感情に訴えかける魅力を持つ
世界的な流行となりつつあるエンジンのダウンサイジング化。その求めるところは燃費効率の追求であり、自動車社会の持続可能性を考えるとやむを得ない流れではある。環境先進国スウェーデンの自動車会社であるボルボも、今後は自社開発した4気筒エンジンに統一していくことを発表している。たしかに環境性能に優れ、経済的でもある新世代4気筒エンジンではあるが、その一方でクルマの魅力を効率だけでは語ることはできない。
今回試乗したV60 T6 AWDチューンド バイ ポールスターは、3L直列6気筒エンジンを搭載するV60 T6のお得な限定モデル(7月末で販売終了)。T6は、ボルボが一貫してこだわってきた安全性を担保しながら直6エンジンならではの美点を取り入れるため、エンジン搭載位置を横置きにしたという世界的にもユニークな設計で知られる。だが、そんな直6モデルも本国での生産が終了し、いよいよファイナルコールとなった。正確には、ポールスターのコンプリートカーが本当のファイナル直6ボルボとなるとのことだが、1924年のPV650から続いた歴史にひとまず幕が降ろされることになる。

すでに直列6気筒エンジンを搭載するモデルは少数ではあるが、人間が感じるフィーリング、官能に訴えかけるという部分での魅力はやはり大きい。そのスムーズさ、充実感のある回転感は直4とは別物。3Lの排気量にターボ加給による実質的な排気量アップ効果が加わるのだから、走らせてみて楽しくないわけがない。さらに試乗車に施されていたポールスターによるロムチューンは、耐久性や保証を損なうことなく、さらなるパワーを上乗せできるとして人気のプログラムだ。
残念ながらお得な限定車は販売期間が終了したが、この魅力的な直6エンジン仕様はまだ手に入る。クルマ好きならば、見逃せない魅力をもつ1台だ。
文と写真●GooWORLD
問い合わせ ボルボ・お客様相談室 TEL:0120-922-662
Detail Check
コックピット
コックピット
車内エンターテイメントやナビゲーションを直感的操作で可能にするインターフェイス「センサス」を採用。ステアリング上のボタンや音声でのコントロールで目的地の設定や電話の発信、オーディオ操作が可能となる。
インテリア
インテリア
Rデザインはシート地も専用のものが用意されており、本革とパーフォレーテッドレザーのコンビネーションが標準。シート形状はサポート性とゆとりとがウェルバランス。
エンジン
エンジン
クラッシュゾーンを設けるため横置きされた6気筒エンジン。安全性への強いこだわりはボルボならでは。
ポールスターパッケージ
ポールスターパッケージ
新車保証に影響なくパワーアップを受けられるポールスターパッケージ。有償オプションとして購入可能。
主要諸元:ボルボ V60 T6 AWD Rデザイン
全長×全幅×全高 | 4635×1865×1480mm |
---|---|
ホイールベース | 2775mm |
トレッド前/後 | 1580/1575mm |
車両重量 | 1800kg |
エンジン | 直6DOHCターボ |
総排気量 | 2953cc |
最高出力 | 304ps/5600rpm |
最大トルク | 44.9kg m/2100-4200rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 235/40R19 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年6月)
V60 T4 | 415万円 |
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V60 T4 SE | 450万円 |
V60 T4 Rデザイン | 515万円 |
V60 T5 SE | 475万円 |
V60 T5 Rデザイン | 540万円 |
V60 T6 AWD | 585万円 |
V60 T6 AWD Rデザイン | 665万円 |
Body Color
■ブラック ■パッションレッド □アイスホワイト ■レーベルブルー ■ブラックサファイアメタリック ■エレクトリックシルバーメタリック ※ほか8色。 |