新車試乗レポート
更新日:2020.04.06 / 掲載日:2013.10.17

ルノー ルーテシア 試乗レポート(2013年10月)

ルノー ルーテシア

全世界では累計1200万台、日本でも1万2000台をこれまで販売してきたベストセラーカーが全面改良。新しいデザイン戦略を採用した最初のケースであり、今後のルノーの方向性を示す重要なモデルだ。

思わず振り返りたくなる美しさを身につけた4代目

 欧州ではフルラインメーカーとして多くのユーザーを抱えるルノー。だが、我が国ではここのところピンポイントにターゲットを絞り込んだ、ディープなクルマ好きに向けたチョイスが目を引いている。

 しかし、ルノーの魅力はカングーやスポーツモデルだけではない。ベーシックなモデルにも、生活のパートナーとしての高い実力を備え、暮らしを鮮やかに彩る心に染み入るような好モデルが存在するからだ。

 今回紹介する新型ルーテシアは、欧州Bセグメントに属するコンパクトカーで、日本で言えばトヨタ アクアをほんの少し大きくしたサイズ。しかし、ルーテシアの伸びやかなデザインからは、所帯染みた実用車らしさはまったく感じられない。むしろ、スポーティで華やかな印象だ。

 そのスタイリングこそ、ある意味で最大の見どころ。この新型ルーテシアは、ルノーの新しいデザイン戦略「サイクル・オブ・ライフ」を採用した最初のモデルなのである。

 新デザインの具体的な特徴は、フロントグリル中央に大きく据えられたシンボルマーク、そして左右のヘッドライトをつなぐブラックのライン。今後はモデルに合わせてこのラインの幅などが調整されるという。

 「LOVE」をテーマに開発されたというルーテシアでは、情熱や官能を感じさせる躍動的なボディラインを実現。先代よりも全長と全幅を拡大しながら全高を抑えたワイド&ローのフォルムは精悍な印象で、ルックスだけではなく、前後のトレッドも広がったことで走りへの期待感が高まる。さらにリヤドアのハンドルを隠すことで、3ドアのようなスタイルを作り上げている。

ルノー ルーテシア

 また、ユーザーの好みに合わせた仕様が選べる多様性も新型のポイント。今回の試乗車である最上級のインテンスが238万円、装備が充実した中間グレードのゼンが215万円、そしてエントリーモデルのアクティフは、199万8000円という戦略的なプライスをつける。エンジンなど主要メカが同じで、ESPやダブルエアバッグといった安全装備も全グレード共通のため、純粋に好みと予算に応じた選択となる。

 第4世代となるルーテシアに搭載されるエンジンは、新開発の1.2L直4ターボエンジンで、これにデュアルクラッチトランスミッションの6速EDCを組み合わせる。低燃費対策として、電子制御式「ECOモード」や低ころがり抵抗タイヤを採用、ラジエーター前に可変式フラップを備え、空気抵抗を低減する。

 シートに腰掛けてまず感じるのが、ボディカラーとコーディネートされた室内がファッショナブルであること。ボディ色と合わせて購入時には大いに悩むことになりそうだ。

 先代のシャシーを大幅に改良したというだけあって、走り出しからクルマ全体にシャキッと筋の通ったフィーリングで、電動パワーステアリングの手ごたえも先代よりも自然さを増していることに気がつく。その印象は速度を上げていっても変わらず、テストコースとなった山間部のコーナーをロールも少なくクリア。しっかりとしたフットワークでタイヤを路面に擦り付ける。

 待望の6速EDCと新エンジンとのマッチングについても好印象で、タウンスピードでの振る舞いも自然。これならば日本車からの乗り換えでも違和感は少ないはずだ。

 ドイツ勢とは異なったデザインの魅力を持ち、メカニズム面では肩を並べるほどまで成長した新型ルーテシア。理屈よりも感性で選びたい、そんなクルマ選びをする人には、ぜひ試してもらいたい1台だ。

文と写真●GooWORLD
問い合わせ ルノーコール
0120-676-365

Detail Check

ルノー ルーテシア

  • コックピット

    ルノー ルーテシア(コックピット)

  • コックピット

    浮いているようにデザインされたセンターコンソールには液晶モニターを備え、エアコンやオーディオの情報が表示される。ステアリングやエアコン吹き出し口の色は標準で選択可能。最上級グレードのインテンスでは、4色から内装を選べる。

  • インテリア

    ルノー ルーテシア(インテリア)

  • インテリア

    テストカーの内装はクルール ルージュで華やかな印象。シート表皮の一部に加えてステッチもカラーコーディネートされる。シート自体のつくりもしっかりとしており、立体的な形状でサポート性も良好。

  • ラゲッジルーム

    ルノー ルーテシア(ラゲッジルーム)

  • ラゲッジルーム

    通常時300Lのラゲッジルームは、4対6分割式の後席を倒すことで1146Lまで拡大される。入り口に段差はあるが、リヤサスの張り出しもなくスクエアで使いやすい形状だ。

  • エンジン

    ルノー ルーテシア(エンジン)

  • エンジン

    エンジンは1.2L直4ターボで2000回転から最大19.4kg mのトルクを発生する。また、「ECO」モードではエンジン出力やアクセル開度などを制御し最大で12%の燃費改善を実現。

主要諸元:ルノー ルーテシア インテンス(6速AT・EDC)

全長×全幅×全高4095×1750×1445mm
ホイールベース2600mm
トレッド前/後1505/1505mm
車両重量1210kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1197cc
最高出力120ps/4900rpm
最大トルク19.4kg m/2000rpm
サスペンション前/後ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ前/後Vディスク/ドラム
タイヤサイズ前後205/45R17

全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2013年7月・2013年9月)

ルーテシア アクティフ(6速AT・EDC)199万8000円
ルーテシア ゼン(6速AT・EDC)215万円
ルーテシア インテンス(6速AT・EDC)238万円

Body Color

 ルージュ フラムM □ブラン グラシエ ブルー ドゥ フランス ジョン エクレール
 マロンアルダンM ノワール エトワールM グリ カシオペM

MTのようなダイレクト感とAT並みの洗練を持つロボットMT

  • ルノー ルーテシア(6速EDC)

  •  新型ルーテシア注目のメカニズムが、従来の4速ATに変わって採用された6速EDC(エフィシェント・デュアル クラッチ)。クラッチとギヤを奇数段・偶数段に分けることで、ショックの少ない変速を実現。従来のロボットMTの弱点であったシフトアップ時のつんのめり感を払拭した。また、6速化することで低燃費にも貢献している。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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