新車試乗レポート
更新日:2018.06.29 / 掲載日:2006.11.17
日産 フーガ 試乗レポート(2006年11月)
日産 フーガ 試乗レポート
試乗
発表/2005年8月17日
文●横越光廣 写真●犬塚直樹
■パワフル感よりクオリティが引き立つ450GT
フーガは、アグレッシブさで高級車界に新風を送った。デビュー時のトップモデルは3.5L V6搭載の350GTだったが、その時点からV8搭載の計画はあった。それが、いよいよ現実となったというわけ。レクサスを迎撃するためにも、万全のラインアップを組む必要があったはず。4.5L V8には5M-ATxが組み合わされる。
■ドライビング/ユーティリティ
350GTのイメージからして、V8を搭載した450GTなら、相当ワイルドになっているのではと予想した。それだけ350GTが、このクラスではパワフルだったからだ。でも、少しばかり予想は外れた。正直、それは「いいほう」にだ。このクラスのクルマで、ワイルドさはあまり意味をなさない。パワーの余裕をクオリティアップに向けるのがベストのはず。その意味において、450GTは上々の味付けと仕上がりを見せる。
最高333馬力、最大46.0kg mのパワー&トルクは、どれほど強烈な加速性をもたらすのか。それをフル加速と同時に味わえるかと思ったりもした。ところが、予想以上にマイルド。もちろんパワーは十分すぎるが、至ってスムーズ。ラフな一面などまったく感じさせない。6700回転のレッドゾーン近くまで引っ張ったり、アクセルのオン/オフを繰り返したりしてもだ。さらに、エンジンノイズが滑らかで、耳につかない。V8のなかでも、トップランクの快適さをもたらすというのだからこたえられない。
走るにしたがって、このクオリティは意外でもあり本物だと感じた次第だ。100km/hは5速2000、4速2400、3速3000回転足らず。快適なこと申し分なし。まして、フットワークは重厚かつしなやか。3.1回転のパワステは、ほどよい手ごたえをもたらし、基本的には安定志向。だれが乗っても、扱いやすいしスポーティ感も味わえる。一段とクオリティを高めた450GTは魅力十分なハイクオリティカーだ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
テレスコ・チルト機構付きステアリングにドラマチックで見やすいソーラーエクリプスメーター。さらに機能的なダッシュまわりと、ムード、操作性、デザインのよさが際立つ。
シートは本革で、前席はエアコンディショニング、助手席にはオットマン機構などを装備。もちろん電動式で、フィットする快適ポジションをもたらす。
後席のスペースは、レッグルーム/ヘッドルームともに十分な余裕がある。シート自体の座り心地もよく、高級感が味わえること間違いないと言えよう。
■インテリア/エクステリア写真[2]
マニュアルモード付きフルレンジ電子制御5ATは、大トルクのV8とのマッチングがよい。操作性も申し分なし。
従来のVK45DEを、吸気系、バルタイの変更、エンジン内部のフリクションロスの低減など、総合的にチューンアップ。
専用のバンパー、両側に2本ずつ合計4本を配したマフラーと、450GTは迫力十分。スポーツパッケージは、245/40R19インチタイヤが標準。
フーガ450GTスポーツパッケージ(5AT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 4900×1795×1510mm |
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ホイールベース | 2900mm |
トレッド前/後 | 1530/1545mm |
車両重量 | 1780kg |
エンジン | V8 DOHC |
総排気量 | 4494cc |
最高出力 | 333ps/6400rpm |
最大トルク | 46.0kg m/4000rpm |
10・15モード燃費 | 8.1km/L |
サスペンション前 | ダブルウイッシュボーン |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤ前後 | 245/40R19 |
バリエーション&価格
450GT | 554万4000円 |
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450GTスポーツパッケージ | 567万円 |
※価格は全国メーカー希望小売り価格