新車試乗レポート
更新日:2020.04.06 / 掲載日:2010.10.22
日産 エクストレイル 試乗レポート(2010年10月)
日産 エクストレイル 試乗レポート
試乗
マイナーチェンジ
発表・発売/2010年7月8日・7月16日
日産自動車
0120-315-232
文●森口将之 写真●齋藤正
■低燃費のクリーンディーゼルに待望の6AT仕様が登場
2年前、「ポスト新長期」と呼ばれる日本のディーゼル排出ガス規制に初めてパスし、クリーンディーゼルの称号を獲得したエクストレイルシリーズのエクストレイル20GT。長らく6MTしか選べなかったこのクルマに、待望の6ATが追加された。排出ガスでは不利なATで厳しい規制をパスするために、専用のエンジン制御システムを採用し、NOxトラップ触媒の性能も高めている。
同時にフロントマスクをリデザインし、リヤコンビランプにはLEDを採用するなどのマイナーチェンジを全車に実施した。
■ドライビング/ユーティリティ
エンジンの性格はMT仕様とほぼ同じで、1500回転という低回転からトルクを盛り上げる。MTでは発進直後の反応が鈍く感じたが、ATではトルコンスリップのおかげでスタートした瞬間からこの領域に入り、押し出されるような加速が味わえる。アクセルを床まで踏み込んだときのダッシュは、GTの名前に恥じない豪快さ。ガソリン3.5L級の最大トルクを実感する。流れに乗って走るようなシーンでは、2000回転以下ですべてをこなせるほどだ。
ディーゼルということで気になる音は、MT仕様と同レベル。アイドリングではカラカラという音を響かせるものの、走り出してしまえばちょっとビートの効いたガソリン車という感覚。クルージングでは回転数が低いためもあり、無音に近いレベルになる。
高めの圧縮比で大トルクを生み出すディーゼルエンジンは、ガソリンより重く頑丈な作りが不可避。エクストレイルの場合は、2LのCVT仕様を170kgも上まわる。こうなるとコーナーでの動きの鈍さが懸念されるが、実際はステアリングを切ったとおりに曲がってくれる。しかも乗り心地はボディの重さが有利に働いて、ゆったり落ち着いたフィーリング。ディーゼルならではの燃費のよさを生かせる、長距離が得意なクルマに仕上がっていた。
■インテリア/エクステリア写真[1]
インパネはメーターのレイアウトが変わり、グローブボックスは保温保冷機能付きに進化した。インテリアカラーはブラックのみ。
ふっかりした座り心地のシートも美点のひとつ。航続距離が伸びがちなディーゼル車に見合った快適性を備える。
シフトレバーの眺めはガソリン車と同じ。しかし中身はCVTではなく、日本向け日産車では唯一のトルコン式6ATとなる。
■インテリア/エクステリア写真[2]
引き出しを内蔵したウォッシャブルタイプのラゲッジフロアは、エクストレイルのアイデンティティ。GTも同じ仕様だ。
2Lディーゼルターボは、NOxトラップ触媒などを改良。ATとの組み合わせでも、厳しい排出ガス規制をパスしている。
リヤゲート右下の“PUREDRIVE dCi”と書かれたバッジが特徴。dCiは、欧州の日産ルノーで使われるコモンレール式直噴ディーゼルの略号だ。
エクストレイル 20GT(6AT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 4635×1790×1700mm |
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ホイールベース | 2630mm |
トレッド前/後 | 1540/1545mm |
車両重量 | 1690kg |
エンジン | 直4DOHCディーゼルターボ |
総排気量 | 1995cc |
最高出力 | 173ps/3750rpm |
最大トルク | 36.7kg m/2000rpm |
10・15モード燃費 | 14.2km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤ前後 | 225/55R18 |
全国メーカー希望小売り価格
日産 エクストレイル | 223万9650~343万3500円 |
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