新車試乗レポート
更新日:2020.04.06 / 掲載日:2010.09.17
MINI 試乗レポート
MINI 試乗レポート
試乗
【一部改良】
発表・発売/2010年5月11日
BMWジャパン
0120-55-3578
文●中村孝仁 写真●森山良雄
■パワートレインの改良で燃費とパワーを同時に向上
ミニは今回の改良で、大きく3つの点で進化したといえよう。ひとつは全エンジンがパワーアップを果たしたこと。2つ目は、MT車にスタート・ストップ機能を、ほかのすべてのモデルにブレーキエネルギー回生システムを装備して、省燃費、クリーン化を果たしたこと。そして3つ目は、それによりエコカー減税対象車が一気に9モデルも誕生したことだ。
■ドライビング/ユーティリティ
今回の改良では、外観や内装の変更は行なわれていない。パワーアップと、省エネ・エコ化とクリーン化が最大の変更点である。
エンジン別に見てみると、ベーシックレンジのミニワンは、これまでの1.4Lに代えて新たに1.6Lを搭載。これによって3馬力の出力向上をもたらした。また、MT車には、ギヤをニュートラルにしてクラッチを戻すとエンジンが自動停止、発進のためにクラッチを踏むと再び始動するスタート・ストップシステムを新採用。これによって、19%の燃費改善を達成している。
一方クーパーは、オイルポンプのマッピング変更やエンジン内部のフリクション低減で2馬力を稼ぎだし、クラブマンのMTでは14%も燃費を向上させている。そしてクーパーSは、新たにバルブトロニックシステムを採用して最高出力を9馬力アップ。MTのハッチバックでは、じつに最大33%もの燃費向上を見た。
実際に試乗してみると、MTの場合は停止してニュートラルに戻せばエンジンが止まるから変化を実感できる。ただ、ATの場合は停車時に何も起こらず、またクーパーで2馬力程度の出力向上では、正直なところパワーアップも実感できない。しかし、現実にはブレーキング時やアクセルペダルオフで回生システムが働き、運動エネルギーを電気に変えてバッテリーを充電してくれる。減税対象がATにまで広がれば本当はありがたいのだが・・・。
■インテリア/エクステリア写真[1]
ダッシュボードは、中央の巨大な集合メーターが特徴的。これにこだわったため、ナビを装備する場合は少々問題が出る。とはいえ視認性は抜群だ。
スモール&ラグジュアリーが実感できるシート。肉厚やテンションの張り具合など、じつに入念な作りという印象を受ける。
スタートストップ機構の作動状態は、メーター内のインジケーターで表示。下段の右側には、シフトアップの推奨タイミングも表示される。
■インテリア/エクステリア写真[2]
ニュートラルに戻すと自動でエンジンを停止。クラッチを踏むことで再始動する。これがATにも普及するとよいのだが。
今回はミニワン、クーパー、クーパーSのすべてでパワーアップを実現。とくにクーパーSは、9馬力の向上を果たしている。
タイヤを四隅に追いやり、どっしりと安定した印象を与えるデザインはデビュー以来不変。初代ミニも、デザインだけは40年近く変えなかった。
MINI クーパーS(6MT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 3715×1685×1430mm |
---|---|
ホイールベース | 2465mm |
トレッド前/後 | 1455/1460mm |
車両重量 | 1210kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1598cc |
最高出力 | 184ps/5500rpm |
最大トルク | 24.5kg m/1600~5000rpm |
10・15モード燃費 | 19.2km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 195/55R16 |
バリエーション&価格
MINI | 217万~389万円 |
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MINI クラブマン | 277万~416万円 |
MINI コンバーチブル | 299万~439万円 |