新車試乗レポート
更新日:2018.10.16 / 掲載日:2014.05.22
メルセデス・ベンツ GLクラス 試乗レポート

洗練されプレミアム感を増したビッグSUV
メルセデスのGLクラスは日本ではマイナーな存在かもしれない。いまだ人気の衰えないGクラスやそれを現代的にしたMクラスほど販売台数は稼いでいない。その理由は日本で乗るには大きすぎるなどが挙げられるが、そもそもこいつはアメリカ市場をメインターゲットとしている。つまり、Mクラスでは足りないユーティリティをホイールベースを伸ばし3列シートにすることで達成させた。それにアメリカにおける25%という巨額の関税から現地生産している。このGLとMクラスの生産工場はアラバマ州にある・・・。
そんなGLクラスの日本でのラインアップは、GL550とGL63AMGとなる。価格は1326万8000円からの設定だ。このことからもわかるように、こいつはかなり乗る人を選ぶ。これだけのサイズと価格を許容できなくてはならないからだ。
GL550のスペックを見ると、エンジンは4.7L V8ツインターボを搭載する。最高出力は435psで、最大トルクはなんと71.4kgmというシロモノだ。しかもこの大トルクを1800回転で絞り出すから驚く。アメリカでのトーイング(牽引)まで考えるとそのくらいは必要なのかもしれないが、それにしても車格にあったすごい内容を持っている。

実際に走らせて見ると・・・かなりパワフル。大きなエンジンを振るわせながらドーンと加速する様は迫力満点だ。イメージ的にはもっと大きな排気量にも思えたほどである。が、エンジンのフィールは逞しくも、その他の部分はかなり繊細に仕上がっている。乗り心地はフワフワしたところもあるが、ステアリングは正確で高速コーナーでもピタッと安定させることができる。それにロールは少なく、ブレーキの効きもかなりたしかだ。なるほどお見事。言うなればこいつはメルセデスが作ったアメリカンスタイルのSUVといったところである。
文●九島辰也 写真●内藤敬仁(メインカット)、北川泉 問い合せ メルセデス・コール TEL:0120-190-610
Detail Check
コックピット
コックピット
SUVとは思えない高級感あるインパネ。メルセデスらしいプレミアム感漂う空間だ。間接照明も健在で、5段階に明るさを調整できる。またメーターにはデジタル表示が使われ各情報が表示される。
エンジン
エンジン
エンジンは4.7L V8ツインターボとAMG製5.5L V8ツインターボという設定。後者の最高出力はなんと557ps。もはやスーパーカー並みだ。アイドリングストップも付く。
インテリア
インテリア
ゆったりと座れるのがこのクルマの美点。シートは前後、左右のスペースがしっかりある。3列目のシートは電動で畳めるタイプ。
ご覧のように550のオプションでダブルサンルーフを付けることができ、さらにエンターテイメント用後席モニターも装着できる。この辺の気遣いもどこかアメリカ風だ。
主要諸元:メルセデス・ベンツ GL550 4MATIC AMGエクスクルーシブパッケージ装着車(7速AT)
全長×全幅×全高 | 5145×1980×1850mm |
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ホイールベース | 3075mm |
トレッド前/後 | 1675/1695mm |
車両重量 | 2500kg |
エンジン | V8DOHCターボ |
総排気量 | 4663cc |
最高出力 | 435ps/5250rpm |
最大トルク | 71.4kg m/1800-3500rpm |
サスペンション前後 | ダブルウィッシュボーン/4リンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 295/40R21 |
全国メーカー希望小売価格(発売・発表 2013年4月)
GL550 4MATIC(7速AT) | 1326万8000円 |
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GL550 4MATIC AMGエクスクルーシブパッケージ装着車(7速AT) | 1398万8000円 |
GL63 4AMG(7速AT) | 1800万円 |
Body Color
■シナバーレッド ■イリジウムシルバー ■テノライトグレー ■シトリンブラウン □パールベージュ ■カバンサイトブルー ■オプシディアンブラック □ダイヤモンドホワイト |