新車試乗レポート
更新日:2024.08.23 / 掲載日:2024.08.23
新型ノートオーラ『ニスモ』・新たな魅力を実走体験!
新型ノートオーラにNISMO仕様が登場。空力性能を追求したNISMOらしさあふれるエクステリアに、レーシーな雰囲気のインテリア。さらに、専用チューンが施された4WDも用意された。どんなシチュエーションでも高い走行性能を発揮する1台に仕上がったノートオーラ NISMOの魅力を伝えていく。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
NISSAN新型ノートオーラNISMO先取り魅力チェック
待望の4WDも登場! 走りの実力さらに高まる
ノートオーラNISMO グレード別 価格
パワートレーン
1198cc DOHC水冷直列3気筒 82PS/10.5kg・m+ツインモーター100kW/300Nm(フロント) 60kW/150Nm(リヤ)
グレード【駆動方式】 価格
NISMO【2WD】 307万2300円
NISMO tuned e-POWER【4WD】347万3800円
※ノートオーラNISMO 4WD&レカロシート装着車は持ち込み登録扱いです。
主要諸元
●全長×全幅×全高(mm):4120×1735×1505 ●ホイールベース(mm):2580
●車両重量(kg):1390 ●パワーユニット:1198cc DOHC水冷直列3気筒(82PS/10.5kg・m)+フロントモーター(100kW/300N・m) +リヤモーター(60kW/150N・m) ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク式(F)/リーディングトレーリング式(R) ●サスペンション:独立懸架ストラット式(F)/トーションビーム式(R)●タイヤ:205/50R 17
NISMOの知見で研ぎ澄まされた走り
走行性能の向上でNISMOらしさあふれる1台に
オーラのMC及び新型ベースのオーラNISMOとオーラ・オーテックの導入により、ノートシリーズの各系統の立ち位置が見えてきた。ノートをベースとした上級設定のオーラがあり、さらに上位のモデルとしてオーラのNISMOとオーテックを設定。ノートのカスタマイズ系モデルとしてSUVテイストを加え、最低地上高を25mmアップしたオーテッククロスオーバーが用意され、同モデルはキックスに対してプレミアム志向の位置付けだ。
オーラから発展したカスタマイズ系としてオーテックはオーラのバランスを保ったまま内外装のグレードアップを施しているのが特徴。上級クラスを思わせる雰囲気があり、ノートシリーズの最上級仕様らしいモデルである。
これに対してオーラNISMOは車名のとおり日産のモータースポーツ活動を支えるNISMOの知見とイメージを反映しているのが特徴。ノートシリーズの性能向上とファントゥドライブをコンセプトとしている。
また、MC前はFWDのみの車種設定だったが、新型ではe-POWER 4WD車を追加。後輪駆動用モーターの最高出力が20%、最大トルクも50%アップ。加速性能の向上を図るとともに駆動力の前後配分の制御域の拡大により、加速しながらのライントレース性を高めている。
試乗モデルは追加されたばかりの4WDモデルだ。空力的なモデファイとレーシーな加飾が施された外観は遠目にもNISMOモデルと認識できる存在感を示す。マニア好みのデザインとも言える。
この外観ならば走りも相当突っ込んだ味付けか、というとそうでもない。ハイパフォーマンスと実用の融合はNISMOの最も得意とする領域。専用にチューンされたフットワークは一般的には硬めだが、同乗者に辛抱を強いるほどではない。テストコースでの限られた試乗だったが、舗装の荒れた路面でも当たりは意外と穏やか。ストローク感のあるしなやかさを備えている。前席は標準型とOPのレカロが用意され、サポート性と座り心地の両立ではレカロが勝るが、クッションの違いで乗り心地は標準シートが勝る。
見どころの操縦性だが、急激な負荷変動や回頭を抑えて挙動とラインの一致を重視していたのが印象的だった。中速スラロームでは操舵初期から確かな回頭反応を示すが、一気に逆側に荷重を移動させるような切り返しをしても挙動や回頭は見事に抑えられている。過剰な回頭と荷重移動での後輪を滑らせるような走り方は苦手とも言えるのだが、ドライビングのセオリーに沿ったファントゥドライブの視点では好感。言うまでもなく高速ツアラーとしても良質な特性である。
定常円旋回から大きめのアクセルオンした時の反応も見所だ。定常沿旋回中は深めの舵角だが、アクセルオンでは後輪側に駆動力が掛かり、舵角及び保舵力が若干減少。FR的な操縦感覚に移行する。だからといってパワーオーバーステアには至らず、スリップアングルを維持したまま速度上昇分だけラインをはらませる。回頭反応とライントレース性はどの領域でも大きく変わらない。
標準系オーラの価格差は30万円弱だが、オーラNISMOのFFと4WDの価格差は約40万円。4WDに投入された技術的進化を考えれば納得できる価格差だ。特に、限界まで的確に制御された挙動とライントレース性は高速も山道も安心のドライブを求めるドライバーには大きな魅力。
クラス上の長距離ツアラーと比較しても同等以上であり、その志向で評価するならオーラNISMO・4WDは投資価値の高いモデルである。
NISMOで引き締まったエクステリア
NISMO
ノーマル