新車試乗レポート
更新日:2018.11.11 / 掲載日:2011.01.20
フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン 試乗レポート(2011年01月)

デザイン、走り、快適性が改善された有意義な変更

「新型トゥーラン登場」ということで、全面変更を期待していた人は肩すかしをくらった感じかも。でも、今回の改良が、ありがちなフェイスリフトに終わっていないのは確かなことだ。たとえば外観。ドアパネル以外のすべての外板を変更して、見事「新型シャランの弟分」に変身を遂げた。同時に、Cd値も0.32から0.29に改善されている。
そして走り。ツインチャージャー(スーパー&ターボチャージャー)1.4L TSIは、従来型では140馬力/22.4kgmのトレンドライン用と、170馬力/24.5kgmのハイライン用の2種だったが、新型は140馬力仕様に統一された。疑問を持つ人もいるだろうが、車重が重めなミニバンには、総合的にみて低速トルク型の140馬力仕様のほうがよりマッチしていたのだから大いに納得できる。
しかも新型の心臓は、最大トルク発生回転数が1500から1250回転に下げられ、実用域の使いやすさと力感に一段と磨きがかけられている。熟成された乾式クラッチ7速DSGとのコンビにより、さらにスムーズで、活気ある走りを実現している。回せば十分パワフルで、スポーティな走りだって楽しめるのだから、満足度は高い。
でも、より以上の熟成を実感するのは快適性。従来型の乗り心地は、低速域でコツコツとくる軽い突き上げ感を伴うものだったが、新型の足は凹凸やうねりをよりきれいに吸収するようになった。乗り心地がしなやかになり、ロードノイズも低減されたため、快適度数は確実に向上している。それでいて、走りも軟弱になっていない。高速域でも、峠の攻めの場面でも、「これぞVW車の味」と言えるしっかり感ある走りを実現している。足がさらにきれいに動くようになり、操縦安定性もレベルアップした印象だ。で、結論。デビュー6年での大改良は、見た目以上に実のあるものだ。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合せ フォルクスワーゲン・カスタマーセンターTEL:0120-993-199
Detail Check
エクステリア
エクステリア
前後スタイルは「新型シャランの弟分」の印象。リヤは、コンビランプやテールゲート形状、エンブレムの位置も変わった。
コックピット
コックピット
ステアリング(全車レザー巻きになった)やシフトノブの造形を変更し、クロームのアクセントを追加するなどして、質感をより高めたのが注目点。フルオートエアコン、パドルシフトなど、ハイラインは充実装備も光る。
インテリア
インテリア
シートは2/3/2の7人乗り。大柄な人はきびしいが、サードシートにも大人が座れるスペースを確保する。ハイラインはアルカンターラ&ファブリック張りのスポーツシート(前席)を採用。
エンジン
エンジン
ツインチャージャーの1.4L TSIユニットは140馬力仕様に1本化された。7速DSGの洗練度向上も見逃せないところ。
主要諸元:フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン TSIハイライン(7速AT・DSG)
全長×全幅×全高 | 4405×1795×1670mm |
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ホイールベース | 2675mm |
車両重量 | 1580kg |
エンジン | 直4DOHCターボ+S/C |
総排気量 | 1389cc |
最高出力 | 140ps/5600rpm |
最大トルク | 22.4kgm/1250-4000rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 205/55R16 |
全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2010年9月)
ゴルフトゥーラン TSIコンフォートライン(7速AT・Sトロニック) | 293万円 |
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ゴルフトゥーラン TSIハイライン(7速AT・Sトロニック) | 339万円 |
Body Color
□キャンディホワイト ■ナイトブルーメタリック ■ディープブラックパールエフェクト ■ペッパーグレーメタリック ■ワイルドチェリーメタリック ■リフレックスシルバーメタリック |