新車試乗レポート
更新日:2020.01.07 / 掲載日:2013.04.02
トヨタ・クラウン (2012年~) 試乗レポート
トヨタ・クラウン (2012年~) 試乗レポート

試乗
フルモデルチェンジ
発表・発売/2013年1月17日
トヨタ 0800-700-7700 (2013年1月)
注目はエクステリアだけではない シャシー性能が大幅に進化
ピンクのボディ色と王冠モチーフのフロントフェイスが日本中を驚かせた、14代目の新型クラウン。大幅な若返りを図る革新デザインの衝撃は、スポーツ性を一気に高めた先々代「ゼロクラウン」のインパクトさえ上まわる。シリーズ設定はアスリートとロイヤルの2つ。2.5L新開発ユニット搭載のハイブリッドは、両方のシリーズにラインナップされる。ハイブリッドは1月下旬からの生産で、まずはガソリン車のデリバリーが開始された。
ドライビング/ユーティリティ

パッケージングは基本的に先代を踏襲するが、フロントピラーの120mm後退による視界拡大、トランク容量アップ(ガソリン車は23L増の552L)など、着実な進化を遂げている。
3.5アスリートGに乗ると、走りにも同様のことが言える。3.5Lエンジンの性能は先代と同じだが、8速ATの搭載で従来の6速より加速感がいっそう滑らかに。パドルシフトで瞬時にマニュアル操作できる楽しみも手に入れた。耳に心地よいエンジン音を聞かせながら、静粛性全般もさらにレベルアップしている。
もっとも感心したのは、シャシーの洗練ぶりだ。先々代は乗り心地がクラウンとは思えないほど粗く、その課題は先代アスリートにも残ったが、新型は路面に対する足まわりの追従性が抜群で、突き上げやタイヤの硬さがウソのように消えている。振動を吸収する新設計のリヤサスアーム、4輪が連動して制振する新制御AVS(減衰力可変サス)、そしてレーザー溶接やスポット溶接打ち増しなどによる高剛性ボディの効果と言っていいだろう。このプラットフォーム3代目にして、クラウンの完成度は熟成極まった感がある。レギュラー仕様の2.5L V6も健在だ。ただ、走りの味わいにもスタイリング相応の個性を求めたくなるのは、贅沢というものだろうか。
ピンクは特別色として今年末に発売予定だ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
センタークラスター下段には、新装備のトヨタマルチオペレーションタッチを配置。空調やリヤサンシェード、走行制御モードなどがこの画面で操作できる。
3.5L V6エンジンは先代と同じだが、ATがトヨタの3.5Lで初の8速に進化。パドルシフト採用はクラウン初だ。
18インチタイヤとスパッタリング塗装のアルミホイール、フロント4ポット対向キャリパーは3.5アスリート専用。
■インテリア/エクステリア写真[2]
新型はヒップポイントを10mm下げ、ドライビングポジションが向上。前席はサイドの張り出しが強いアスリート専用。
ホイールベースは先代と同じだが、ファブリックシートはニースペースが約20mm拡大。アスリートGは本革が標準。
アスリートは全高が先代より20mm、新型ロイヤルに対しても10mm低くなり、フォルム全体が躍動的に変身。
クラウン3.5アスリートG(8AT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 4895×1800×1450mm |
---|---|
ホイールベース | 2850mm |
トレッド前/後 | 1545/1545mm |
車両重量 | 1650kg |
エンジン | V6DOHC |
総排気量 | 3456cc |
最高出力 | 315ps/6400rpm |
最大トルク | 38.4kg m/4800rpm |
JC08モード燃費 | 9.6km/L |
サスペンション前 | ダブルウイッシュボーン |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤ前後 | 215/55R18 |