新車試乗レポート
更新日:2024.03.13 / 掲載日:2024.03.12

新世代になってもEクラスは乗るほどに身体に馴染む

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 今年1月に発表された新型Eクラスのステアリングを握った。W212型Eクラスオーナーとしては気になるところである。これまでW123、W124と乗り継いできたが、やはり高級車のベンチマークはこのクルマだ。毎日のように乗っていると、身体に染み込むようなハンドリングや乗り心地、操作系のフィーリングをもたらせてくれる。その意味からもかなり期待値の高い試乗となった。

ガソリン、ディーゼルを含め全グレードの電動化が完了

E 350 e スポーツ エディションスター

 新型は3つのパワーソースで展開される。ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、それとプラグインハイブリッドというラインナップ。グレード名に合わせると、E200が2リッター4気筒ターボ、E220dが2リッター直4ターボディーゼル、それとE350eが2リッター直4ターボのガソリンエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドとなる。

 ただ、ICE(内燃機関)にもエンジンとトランスミッションの間に電気モーター(ISG)が配置される。いわゆるマイルドハイブリッドだ。なので、メルセデスとしてはこれでEクラスの全てが電動化されたこととなる。当初トヨタのハイブリッドに対する苦肉の策として生まれたマイルドハイブリッドだが、これを電動化戦略に組み込むとクルマ好きにはありがたい。ICEの魅力を十分に感じられる魅力的な選択肢だからだ。

E 350 e スポーツ エディションスター

 エクステリアデザインはご覧のようなオーセンティックな仕上がり。Eクラス然としながら進化させた。グリルとヘッドライトを繋ぐ黒い縁取りは目新しい。EQシリーズにも繋がる印象を与える役目だろう。それとリアコンビネーションライトの光り方がトピック。スターデザインに輝くことでメルセデスであることを主張する。これは今後各モデルに広く浸透するに違いない。

助手席前までモニターになるMBUXハイパースクリーンを採用

E 350 e スポーツ エディションスター

 インテリアではEQE/EQSで我々を驚かせたダッシュボード全面を覆うMBUXスーパースクリーンが目に飛び込んでくる。助手席側はオプションだが、あれば喜ばれるのは確か。アプリをダウンロードして好きなことができる。が、個人的にはそこを覆うウッドパネルがかっこいいのでそちらをオススメしたい。センターコンソールやドアトリムとコーディネートすると、かなり上質な空間が出来上がる。でもって陽が落ちて車内が暗くなるとアンビエントライトが妖艶な雰囲気を作る。音楽と連動するサウンドビジュアライゼーションのオプション設定があるので、それを楽しむのも悪くない。

高級感を増した印象。操作に対する反応は正確だがマイルド

E 350 e スポーツ エディションスター

 では走りだが、試乗車はガソリンエンジンのE200アバンギャルドとプラグインハイブリッドのE350e スポーツエディションスターだった。どちらも人気を競うであろうモデルだ。

 総合的な印象はどちらも高級感が従来型より増した気がする。操作系に対する反応は、正確だがマイルド。ソリッドなところは微塵もない。それにNVHに長けているのかキャビンはとにかく静か。ファイアウォールがエンジンルームの音を封じ込め、キャビンへの侵入を許さない。

 ただ、乗り心地に関しては2つのモデルで異なる。E350eの方はオプションのエアサスが装着されていたからだ。よってどっちがいいとか悪いではなく、味付けが違う。どちらもバウンシングはもちろん、細かなピッチングもしっかりサスペンションが反応し抑え込んでくれるが、よりナチュラルなのはE200の方。エアサスはキャビンとバネ下で異なる動きをするので、そこが気になる方は避けた方がいいかもしれない。

E 350 e スポーツ エディションスター

 加速をはじめとする動力性能は、E200で十分に思えた。モーターのアシストが絶妙で、違和感なく加速をサポートする。もちろん、その先を欲するならE350eには敵わない。第四世代となるプラグインハイブリッドは高効率を実現しながら走りのパフォーマンスも上げている。それにこちらはEV走行モードがある。データ上112キロ走行可能となると、日常的な使い方はそれで済んでしまいそうだ。付け加えれば、急速充電ができて、給電もできる仕様になっている。

 この他ではリアタイヤが操舵するのがユーザーにとって大きなメリット。EQE SUVの時の感動がこのクルマでも得られた。とにかく取り回しが楽なのだ。駐車場ではフロントと逆位相で最大4.5度曲がるというから強い味方になる。高速時では同位相に最大2.5度動く。これまでの経験では1度動けばかなり俊敏さを感じたのだから、その威力はわかってもらえるだろう。シーンにもよるが、相当スポーティに走れる。

まとめ

E 350 e スポーツ エディションスター

 というのがEクラスのファーストインプレッション。保守王道なモデルだけに派手さはないが、かなり手の込んだ仕上がりになっているのは間違いない。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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