新車試乗レポート
更新日:2023.04.27 / 掲載日:2023.03.10

新型プリウスPHEV先行試乗!最上位グレードの動力性能を徹底解説

TOYOTA 新型プリウスのすべて

PHEVモデルの実力チェック

クーペルックのスタイリングからして走りにも期待してしまう。それが新型プリウスを見た多くのユーザーが抱く想いだろう。期待に応える実力モデルかどうか? しっかりと見極めてみたぞ。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

動力性能は1ランク以上パワーアップ!

格上の動力性能で
1ランク上を巧みに主張
 5代目プリウスの本命モデルはPHEV。これが試乗した後に真っ先に感じた第一印象だ。
 ただし、外部充電機構や長い電動航続距離など、バッテリーEVに近づいた分だけ先進的だから、という意味ではない。端的にいうと、新型プリウスの特徴であるスペシャリティカーのキャラを最も上手に体現しているからだ。
 HEVモデルとの違いを最も感じるのは、動力性能面のグレードアップだ。そう聞くと狙ってきたのはハードコアスポーツ路線か、と連想されてしまうと困るのだが、これまでのプリウスのイメージにはない「速さ」が、新型PHEVには宿っている。
 試乗したモデルはプロトタイプゆえにサーキット試乗に限定されてしまったのは残念だが、それでもアクセルを深く踏み込んだ時の反応の良さや、際立った加速感が強く印象に残る。
 プリウスらしい神経質な反応を抑えた加減速コントロールのしやすさはHEVと同じで、普通に走らせていれば従順で穏やかな特性を色濃く感じるのだが、いざオンに切り替えた時の動力性能の盛り上がりが明らかに優れている。従来型の1.8ℓ車から新型2ℓ車の動力性能の進化ぶりと似ているが、その上乗せ分が根本的に異っている。
 まさに急加速という言葉がふさわしく、それがパワフルな印象を一層強めている。体感的には2.5ℓを採用するトヨタHEVモデルよりもパワフルに感じられるほどだ。
 HEVモデルとスペックを比べると、システム最高出力は2ℓHEVの196PSに対してPHEVは223PSになる。ちなみにHEVの1.8ℓ車もパワーアップしているがそれでも140PSだ。電動主体モデル特有の加速の素早さを持つこともあって、全開走行時は従来型のHEVより100PS近い上乗せが一気に開放されるのだから、加速の伸びも昂揚感も容易に想像がつくだろう。従来型のPHEVは動力性能面ではHEVと大差はなかったが、新型は動力性能面でも明確に上位モデルという仕上がりになっている。
 ハンドリングや乗り心地はそう変わった印象はないため、居住面でPHEVのアドバンテージはあまり感じないが、新型プリウスのキャラに沿った上位モデルとしては納得も満足もできる。
 正式発売前ゆえに価格は不明だが、動力性能に魅力を感じるユーザーにとっては、見逃せないモデルになるだろう。

2ℓのHEVに比べるとシステム最高出力は約30PSほどパワーアップ。0-100㎞/h加速は6.7秒を記録するなど、押し出しの効いた走りはHEV車とは完全に別物だ。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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