新車試乗レポート
更新日:2023.02.24 / 掲載日:2023.02.23

新型プリウス プロトタイプ試乗!従来モデル&2種のエンジンを比較検証

遂に正式デビュー! TOYOTA 新型プリウス完全詳解

ハイブリッドの代表モデル「プリウス」がフルモデルチェンジ。このほどついに正式デビューとなった。性能機能が大幅進化した割には価格もお値ごろで、歴代モデルと同様に相当な人気を集めそう。新時代のベーシックセダンの魅力の全て、お教えしましよう!

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/澤田和久/トヨタ自動車株式会社

プロトモデル試乗

正式発表に先立って、プロモデルによるクローズドコースでのサーキット試乗を行った。その印象とは……!?

スポーティさはほどほど
穏やかな走りが真骨頂
「プリウスは走りよりも燃費が中心」 これまではそう評価されても仕方ないなと思える部分もあった。とはいえ、新型は走り自慢の高性能志向になりました、というのも少し違っている。
 スポーツ性の演出を比較的簡単に実現できるフットワークも、新型はいたって理性的だ。操る手応えや切れ味を求めるタイプではなく、限界付近まで癖がなく、神経質にならずとも御せる、扱いやすさを第一に仕上げられている。初めて走る山岳路でも緊張しないで運転できるタイプであり、加減速やコーナリング中の前後輪のグリップバランスに応じて、適切に前後の駆動力配分を行う4WD車は、さらに応答性と収束性を高めることで車体挙動もより安定している。従来型に対して、優しさと易しさはそのままに、頼もしさが倍増したというのが一番しっくりとくる。
 なお、2ℓ車に採用された195/50R19タイヤはスポーツ感たっぷりの見た目だが、限界で性能云々というタイプではなく、操縦感覚も意外と穏やか。タイヤのハイトも約10㎝ほどある。試乗したのはプロトモデルでかつショートサーキットという限定的な条件での印象になってしまうが、性能的には195/60R17と大差なく感じられた。言い方を換えれば、19インチ仕様もウェルバランス型だ。

1.8ℓ車も悪くないが
2ℓ車が鉄板の選択肢

 パワーフィールは1.8ℓ車は多少活発になった印象を受けたが、深く踏み込んだ加速での速さや余力は従来型と大きく変わらない。登坂や高速加速ではもう少しパワーが欲しくなる。
 そんな物足りなさを程よく埋めてくれるのが2ℓ車。浅い踏み込み時の加速反応もよく、高負荷加速ではもう一伸びが加わる。これなら登坂や高速巡航での余力感も1ランクアップしているだろう。
 1.8ℓ車でも悪い印象はないのだが、2ℓ車と乗り比べてしまうと普及仕様の感が否めない。新生プリウスの走りを求めるならば、やはり2ℓ車が大本命といえる。

【2.0ℓ車】従来型も穏やかな乗り心地の良さを武器にしていたが、新型もその美点を踏襲。2ℓ車は力強さが増しており、上級モデルらしい余力感を持つことにも魅力を感じる。
2ℓハイブリッドは、熱効率に優れるダイナミックフォースエンジンを採用。エンジン+モーター合算のシステム最高出力は193PSを発揮するなど、下手なスポーティカー顔負けのスペックを持つ。
リヤモーターの出力が向上したこともあって、4WDのE-Four車の印象も一変。コーナー時の安定性が高まるなど、オンロード主体というユーザーにもオススメしたくなる出来栄えだ。
【1.8ℓ車】1.8ℓ車の走りは従来型とほぼ同等。シャシー&サスの進化の分だけ従来型より勝るが、2ℓ車に比べると加速時のスムーズさに見劣りを感じてしまう。

プリウス新旧走り比較

旧型(4代目)

新型はフットワークにも強みあり
 新型のほうが初期加速で力強さを感じられるものの、1.8ℓ車同士ならば目立った違いはない。新型の動力性能面のアドバンテージは2ℓ車を選んでこそだ。2ℓ車と従来型を比べると、新型には急加速時や高速巡航時での余力感というメリットがある。
 フットワークに関しても、新旧で車体の地力の差を感じさせるような違いがある。過敏過剰な反応を抑え、幅広い速度域で安定したコントロール性を持つ美点は共通だが、ロールの細かな揺れ返しや車軸周りの揺動が新型はかなり減少。乗り味の洗練感や安心感は、従来型から1ランクはアップしている。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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