スクープ
更新日:2021.02.01 / 掲載日:2021.01.30
2021年、NISSANニューモデル早耳情報

「NISSAN NEXT」の発表時には、2023年までに登場する新型車群のイメージ映像が流された。海外市場専用モデルも多いが、初披露のフェアレディZは国内外で話題を呼んだ。
NISSAN怒涛の大攻勢が始まる!
技術の日産にふさわしい、先進技術による経営再生
不正行為の数々で世間を騒がせはしたが、カルロス・ゴーンという人物は、傑出した経営者ではあった。彼の着任当時、消滅が既定路線だったスカイラインやフェアレディZといった伝統あるブランドを継続させ、ブランドシンボルとしてGT-Rも誕生させた。 その一方でセダン市場が壊滅した国内ではラティオ(サニー)に見切りをつけ、さらに村山工場を閉鎖。その一方でセダン市場がまだまだ元気な中国や北米の市場には、現地の嗜好に特化したモデルを投入して利益を生み出した。 冷徹かもしれないが、見事な選択と集中という戦略で、傾きかけていた日産を復活させたのだ。 内田誠社長兼CEOが率いるゴーン氏なきあとの日産経営陣も、彼のそうした姿勢は見習うようだ。2020年5月に発表された事業構造改革計画「NISSAN NEXT」では、商品ラインナップの効率化などによる最適化と、コアマーケット、コアモデル、コアテクノロジーへの選択と集中が謳われ、最終的には「日産らしさ」を取り戻すことが計画のゴールと定められている。 2021年は、いよいよそれが具体化する年。計画では、2023年までに車種数を20%削減、現在の69車種から55車種以下にする一方、グローバルに魅力と競争力を発揮できるモデルにリソースを集中し、商品ライフサイクルを短縮して、車齢を4年以下にする。 つまり長年ほったらかしのモデルは、無くすか、新型にするわけだ。キックスや新型ノート、アリアや次期フェアレディZも、そうした方針に沿うモデルだ。 一方、計画にはホームマーケットである日本市場の再強化も謳われている。そのために毎年投入するという新車の目玉となるのは、電動化と先進運転支援技術だ。 リーフで世界に先駆けた量産電気自動車技術と、すっかり人気者になったシリーズハイブリッドのe-POWERを柱に、現在の電動化率25%を、2023年には60%まで引き上げるという。 スカイラインで高速道路でのハンズオフ走行を実現させたプロパイロットも、新型車には当然のように設定され、上級車にはホンダに先んじられたレベル3の自動運転を可能とするモデルも登場するだろう。日産の電動化と自動運転の技術は、ともに世界最先端レベルにある。まさに集中すべきコアテクノロジーなのだ。 技術の日産の名に恥じない電動化と自動運転化を推し進めつつ、伝統ある日産らしさをどのように表現して見せるのか。いよいよこれからが日産再生の見せ場だ。
新生NISSANのキーワードは “選択と集中”にあり
今後の商品ラインナップは、グローバルカーが柱となる。集中するセグメントはC、DとEVならびにスポーツ。海外ではインフィニティブランドのスカイラインやフェアレディZ、GT-Rは継続する一方、マーチのカタログ落ちはこれで確定か。もっとも、アライアンスの活用も謳われており、ルノーや三菱による補完もありえる。



NISSAN IMk
2019年の東京モーターショーで発表された軽のスペース系EV、IMkは三菱とのアライアンスによって開発生産される。両社ともに電動化技術には強みを持つブランドだ。