スクープ
更新日:2020.08.31 / 掲載日:2020.08.31
次期型レヴォーグ&スバルXV 先取りチェック
昨年の東京モーターショーで発表された新型レヴォーグを筆頭に、この先のスバルの動きは見逃せない。ここではこの秋以降に注目すべき、スバル最新モデルの動向を確認してみよう。
スバル 新型レヴォーグ
【2020年10月デビュー予定】
導入当初からスポーティな STIスポーツの設定が有力
レヴォーグプロトタイプSTIスポーツ
新春の東京オートサロンでお披露目されたSTIスポーツは、新型のデビュー時に設定される可能性が高い。東京モーターショーで発表されたSTDバージョンが標準仕様になる模様だ。
東京オートサロン2020に展示されていたレヴォーグ・プロトタイプSTIスポーツ。10月発売時にグレードとして投入される可能性が高く、スタイリングもほぼこのカタチで登場することになりそうだ。
最新デザインフィロソフィー「ダイナミックソリッド」の進化形である“ボールダー”を市販車で初採用。アグレッシブなフロント/リヤや、特徴的なフェンダーのサイド形状などで、従来型との違いを主張する。
■レヴォーグ プロトタイプ
昨年の東京モーターショーで展示されていたレヴォーグ プロトタイプは、STIスポーツと比べるとやや控えめな外観だ。標準系グレードはこのスタイリングがそのまま採用されそうだ。
すでに従来型は在庫車のみ お盆明けに事前予約開始
今秋10月に登場が噂される新型レヴォーグ。すでに5月には従来型のオーダーストップがかかるなど、ディーラーレベルでは事実上、新型の商談に切り替わっている。お盆開けには「事前予約が始まる」のは確実だろう。
現時点では詳細な諸元や販売価格、グレード構成は判明していないが、昨秋の東京モーターショーや新春の東京オートサロン、そして1月にスバルが報道関係者向けに開催した「SUBARU技術ミーティング」の内容を紐解くと、新型レヴォーグの概要はかなりくっきりと見えてくる。
まず搭載エンジンは、導入当初は新開発1・8Lリーンターボエンジンに1本化される可能性が高い。従来型は1・6Lターボと2Lターボが選べたが、新開発リーンターボは最大熱効率40%超を達成するなど、動力性能も環境性能も両ユニットの良いとこ取りを狙っている。従来型では1・6Lターボの170馬力では物足りないが、300馬力の2Lターボはオーバースペックすぎるという声を耳にすることがあったが、新型レヴォーグの1・8Lリーンターボはそんな悩みを解消してくれるだろう。
走行性能に多大な影響を与えるシャシー関連は、待望のSGP(スバルグローバルプラットフォーム)に刷新されるが、先行しているインプレッサやフォレスターなどとは異なり、骨格の組み立てからアウターパネルを溶接するフルインナーフレーム構造を採用することでボディ剛性がさらに向上した第2世代型に進化を遂げる。この新SGPはすでに北米レガシィで採用されているが、彼の国での評判は上々。走りの動的質感の向上という面でも大いに期待できそうだ。
アイサイトはいち早く次世代型にアップデート
またスバルの代名詞でもあるアイサイトも大幅に性能向上が図られる。「SUBARU技術ミーティング」で詳細が語られた、広角化した新開発ステレオカメラと前後あわせて4つのレーダーによる360 ゚センシング技術を備える次世代型が投入されるほか、準天頂衛星「みちびき」や高精度マップを活用する高精度マップ&ロケーターの新採用により、運転支援機能の大幅拡充が図られる。従来型にもツーリングアシストは備わっていたが、1ランク以上進化したスムーズな操舵動力制御と信頼性を手に入れるだろう。
車載ITも従来の2DINタイプに加え、北米レガシィで採用された新型11・6インチ大型ディスプレイ仕様を選べる可能性が高い。さらに国内スバル車としては初となるコネクティッド機能も用意されるなど、ドライバーの運転時の負担を大幅に低減してくれる、装備機能の利便性向上も新型の見所の一つだ。
新設計の1.8Lリーンターボエンジンは、燃焼タイミングの最適化とフリクションロスの追求により最大熱効率40%オフを実現。スバルの次世代を担う水平対向エンジンに期待が高まる。
注目ポイント
大幅にセンシング能力が向上した 新世代アイサイトを採用
ステレオカメラの広角化に加えて、ボディ4隅に配置されるレーダーによる360°センサーにより、全周囲にセンシング範囲が拡大。見通しの悪い交差点での出会い頭事故防止など、幅広い障害物に対してより高度な判断を実現する。
高精度マップ&ロケーターにより 運転支援機能もパワーアップ
GPSと準天頂衛星「みちびき」の位置情報の活用と高速道路形状情報まで含む高精度マップの採用により運転支援機能も向上。従来のツーリングアシストではカバーできなかった、車線変更支援や渋滞時のハンズオフ走行支援を実現。
ボディパネルで包みこむ フルインナーフレーム構造を採用
ボディフレーム骨格を組み上げた後にボディ外板パネルを包み込むように組み合わせるフルインナーフレーム構造の採用もトピックス。走行時に発生する前後左右の荷重に対して、より柔軟に、よりスムーズに対応可能となった。
最新の統合制御技術を活用した フットワーク面の向上も見所
フットワーク系も次世代技術が目白押し。電子制御ダンパーの採用により、細やかな車体制御を実現するほか、パワートレーンやAWD、サスコントロール、EPSなどを統合制御し走りの味付けを変えるドライブモードセレクトも搭載。
スバル 新型スバルXV
※企画内の写真はすべて北米「クロストレック」
日本仕様のスポーツは e-BOXERの搭載が有力
スポーツの投入は今回のマイナーチェンジの大きな目玉。日本仕様もこの秋に予想されるマイナーチェンジで投入される可能性が高いが、搭載エンジンは北米仕様の2.5L車ではなく、2Lのe-BOXERモデルとしてラインナップされるはずだ。
アウトドアテイストを強めた新スタイリングで登場
2017年4月に発売して以来、コンスタントに販売台数を伸ばしてきたスバルXV。昨年10月には2L車を電動アシスト付きのe‐BOXERモデルに変更する一部改良を実施したが、この秋には内外装の意匠変更を含めたマイナーチェンジが行われることが判明した。その内容については、この6月にマイナーチェンジモデルが登場した、北米クロストレック(日本名:スバルXV)を見ていけば、かなりの部分が予想できる。まず最大の注目点はよりアグレッシブに生まれ変わったフェイスデザインだ。フロントグリルが新デザインとなったほか、バンパーリップまわりの意匠を変更。アンダーガードなどの面積が大きくなるなど、従来型に比べると大幅に迫力感が増している。また今回、北米クロストレックには、アクティブな印象を強めた“スポーツ”が新設定された。大型フォグランプやホイールアーチ、新意匠のアンダーガードが採用されワイルドな雰囲気を高めたスタイリングは、日本でもかなりの人気を集める可能性が高い。さらにキャビンまわりも各部に専用アイテムを採用。インパネまわりに黄色のステッチを施したほか、軽量のウレタン素材をシートを含めた室内素材に用いている。この汚れにも強く、躍動感溢れる内装はアウトドアギアとしての魅力を大きく高めてくれるだろう。現時点でこのスポーツが日本に導入されるかどうかは不明だが、今回のマイナーチェンジの目玉であるだけに可能性は十分。ただし、北米仕様のスポーツの2・5Lエンジンがそのまま導入される可能性はほぼなく、日本仕様では、2Lのe‐BOXERモデルとして導入されるはずだ。新グレード“スポーツ”を筆頭にアウトドアテイストが強めた新スバルXV。個性的なキャラは、日本でも人気が出そうだ。
マイナーチェンジの目玉グレードになるスポーツは、クロスオーバー感が強まった印象。グリルやサイドミラーなどがガンメタル調、17インチアルミホイールはダークグレー調に仕上げられる。
スポーツのキャビンは、ウレタン素材を巧みに用いた専用意匠。適度にサポートの効いたシート形状や黄色のステッチが刻まれたダッシュボード&トリム周りなど、アウトドアテイストを高めている。
クロストレックにはスポーツのほか、標準仕様、プレミアム、リミテッドの合計4つのグレードが設定される。写真のグレードは最上位となるリミテッド。スポーツに比べると変化は少なめだが、バンパーとグリルのデザインが変更されている。
北米仕様のクロストレックの車載ITは、Apple CarPlay、Android Autoなどに対応したディスプレイオーディオを採用。日本仕様は従来同様に専用のナビがOPで用意されるだろう。
北米クロストレックのスポーツに搭載されるX-MODE機能は、「SNOW/DIRT」と「DEEP SNOW/MUD」を選べる2モードタイプ。フォレスターに匹敵する悪路走破性が与えられる。
インプレッサスポーツ/G4にも 待望のe-BOXERモデルを投入か!?
e-BOXER車は、スバルXVでは6割を超える販売比率を記録するなど、いまやスバルの主力ユニットに成長を遂げたが、まだインプレッサスポーツとG4にはe-BOXER車が設定されていない。だがすでに海外ではリリースが始まっており、おそらくこの秋に予想される国内仕様のマイナーチェンジ時に、従来の2L車がe-BOXERモデルに切り替わるはずだ。
●文:月刊自家用車編集部