輸入車
更新日:2022.05.03 / 掲載日:2022.05.03
SUV特集/本当に自分にあった1台を絞り込む[いま買うならどのSUV?]

写真●内藤敬仁
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年6月号の内容です)
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年4月調べ。
見てよし、載せて、走ってよし。日常からアウトドアまでマルチに使えるSUVは、ユーザーからの好評を得て、いまやすっかりクルマの中心的存在に成長した。そして現在、SUVはブームを超えてセカンドジェネレーションへと進化。各ブランドが最新の技術とデザインを投入した激戦区となっている。選択肢が増えた今だからこそ、自分にとって最高の1台を見つけ出したいものだ。
ファミリーユースにドンピシャ!手堅くお洒落な優等生
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
いまや輸入車の定番的存在となっているSUV。つまりファミリーカーとしての素養も高い。ここでは、ファミリーにもオススメできるバランスに優れた優等生SUVをチョイス。それぞれの個性と特徴を紹介する。
ファミリー向けとしてはCセグSUVがオススメ
いまやファミリーカーの大定番へと成長を遂げたのが、SUV。そのニーズが、過熱的なSUVブームの下支えになっているのは間違いない。特に輸入車では、国産車のようなミニバンが限定的なこともあり、よりその傾向が強い。
そのSUVに求められるのは、快適なキャビンと高い機能性はもちろんだが、SUV特有の特徴もあげられる。もちろん、カッコよさもあるが、本質的なのは、運転のしやすさだろう。アイポイントが高いことで視認性に優れることや、スクエアなボンネットなどのデザインサイズを掴みやすくしている。だから、サイズの割には運転がしやすく、老若男女を問わず、支持されている。
とはいえ、サイズや価格帯を考慮し、ファミリーカーに最適といえるのは、日本でミッドサイズSUVの入り口と捉えられる全長4.5m前後のCセグサイズのものだ。このクラスは、全幅も1.8m台のものが中心となるため、日本でも使い勝手がいい。FFが基本となるが、それは国産車も同様であり、4WDが用意されるものも多い。価格面も、400万円からと現実的な点も大きな魅力。もちろん、ラージ化が進むBセグSUVが存在感を増してきているが、それでも子供が成長過程にある家族にとっては、やや手狭に感じるはずだ。
ファミリーカーとしてトータルバランスに優れるのが、アウディQ3だ。20年8月の全面刷新により、内外装の質感が向上し、先進機能も強化。何よりも重厚なドイツ車らしい乗り味が与えられたため、輸入車の所有欲をドライブの度に満たしてくれる。クーペライクなQ3スポーツバックが選べるのもポイントだ。そのほかにも、熟成の進んだBMW X1や個性的なシトロエン C5 エアクロスSUVなどの選択もおもしろい。このクラスは、上級ブランドのSUVエントリーも兼ねるので、選択肢は幅広いが、サイズや居住性など自身のニーズとしっかりと照らし合わせることが大切だ。
次のステップとなるDセグSUVは、正統なラグジュアリーな高級車であふれる。その成長株が、ボルボの主力であるXC60だ。ファッショナブルなスカンジナビアンデザインに加え、先進機能も満載。高級車となったボルボの魅力が凝縮されているといってもいい。ただし、価格は700万円台まで跳ね上がる。そうなると、ベンツGLCやBMW X3などもねらえるようになる。
それらは車内のゆとりだけでなく快適性も増すので、贅沢な気分が味わえるが、ボディサイズまで考慮すると、すべての人にベストとは言い難い。それよりも、取りまわしのいいCセグクラスから選んだほうが、アクティブな輸入車ライフを存分に楽しめると思う。もし予算に余裕があれば、グレードやオプションに掛けてもいいし、その分を家族との旅行に費やすのもいい選択だと思う。
[PROFILE]自動車ジャーナリスト 大音安弘
好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車はすべてMT車。
【アウディ Q3】デザイン違いのクーペタイプも存在

アウディSUVの中核を担うモデルで、全長4.5mの扱いやすいボディと広々したキャビンを併せ持つ。軽量高剛性ボディを得たことで、走りにもドイツ車らしい濃厚な味わいが復活している。デザイン違いのクーペSUV「Q3スポーツバック」は、居住性や使い勝手が、ほぼ変わらないのも魅力的。その価格差も小さめだ。
アウディ Q3 35 TDI クワトロSライン(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4495×1840×1610mm ●ホイールベース:2680mm ●車両重量:1700kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●排気量:1968cc ●最高出力:150ps /3500-4000rpm ●最大トルク:34.7kgm/1750-3000rpm ●新車価格:460万円~581万円(RSを除く)


【ボルボ XC60】最新モデルはGoogle搭載でさらに進化

プレミアムラグジュアリーに舵を切ったボルボの主力SUV。スカンジナビアンデザインが生むスタイリッシュさが好評。先進機能にも積極的で、インフォテイメントシステムにGoogleを搭載し、スマホライクな音声認識とアプリによる拡張性を備える。歴史的に安全性を重視しており、先進安全支援機能もフル装備だ。
ボルボ XC60 B5 AWD インスクリプション (8速AT) ●全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm ●ホイールベース:2865mm ●車両重量:1870kg ●エンジン:直4DOHCターボ+モーター ●排気量:1968cc ●エンジン最高出力:250ps /5400-5700rpm ●エンジン最大トルク:35.7kgm/1800-4800rpm ●モーター最高出力:13.6ps /3000rpm ●モーター最大トルク:4.1kgm/2250rpm●新車価格:669万円~934万円(XC60 全グレード)

【プジョー 3008】マイナーチェンジでさらに内容充実

プジョーのSUVの中間に収まる3008は、21年1月のマイナーチェンジで最新デザインに進化。その外観に引けを取らないモダンな内装は、小径ハンドルを特徴としたプジョー独自のiコックピットで設計され、街中でも操作しやすい運転環境を整える。ガソリンとディーゼルに加え、初の4WDかつ電動車のPHEVも選べる。
プジョー 3008 GT BlueHDi(8速AT) ●全長×全幅×全高:4450×1840×1630mm ●ホイールベース:2675mm ●車両重量:1610kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●排気量:1997cc ●最高出力:177ps /3750rpm ●最大トルク:40.8kgm/2000rpm ●新車価格:424万5000円~645万8500円(3008 全グレード)

人と同じはやっぱりNG!我流を極める個性派なら
文●大音安弘 写真●澤田和久、ユニット・コンパス
「他人と同じクルマには乗りたくない!」そんなあなたにオススメなのがここで紹介する個性派ブランド。その国やブランドの文化を色濃く反映したユニークで魅力的なクルマたちを紹介。
独自性が際立つ個性派ブランドのSUV
ファッション性の高さもSUV人気の理由のひとつだが、それはド定番のクロカンではちょっとおもしろくない。輸入車SUVのなかには、少しクセがあるものの、他モデルとは一線を引く個性派モデルたちも存在する。その筆頭といえるのが、フレンチラグジュアリーの「DS」のSUVだ。シトロエンから独立したフランスの高級車で、メカニズムは、プジョーやシトロエンと共有するが、その世界観は唯一無二のもの。アヴァンギャルドという表現がぴったりな独創的な高級車なのだ。SUVだが、サルーンの快適さを追求しており、乗り味を含め、都会によく映える。同じ高級車でも、定番のドイツ車や英国車とも異なる空気感があり、そこもクセになる。さらにいえば、比較的価格も現実的なのもポイントのひとつ。モデルでは、コンパクトなDS 3 クロスバックは、そのスタイルから超個性的で惹きつけるものがあるが、高級車感を満喫したいならば、DS 7 クロスバックの一択だ。
お次は王道のなかでも外しの一手を……。アメ車の高級車といえば、デカいボディと大排気量のイメージが強いが、その常識を打ち破るのが、キャデラックXT4だ。モダンラグジュアリーを目指す新世代キャデラックのデザインは、かなりクール。インテリアもモダンだが、アメ車らしい大らかな味わいも残している。ただ気筒休止機能や後輪側を切り離しできる4WDなど経済性も重視しているなど、じつにスマートだ。唯一の課題は、左ハンドル車のみとなる点だが、それも左ハンドル車の設定が少ない現代では、個性のひとつといえる。もっとも巨大なアメ車だと悩みどころとなるが、XT4は、トヨタRAV4と同等サイズ。左ハンドル初心者にもちょうどいいのだ。
アメ車らしい巨大なSUVを転がしてみたいという人には、全面刷新されたばかりのグランドチェロキーLはどうだろうか。アメ車のなかでは王道に近い選択だが、新型の世界観は古きよきアメ車のリバイバル。最新型なのに懐かしさ満点なのだ。その香りは、あのクロカン、ラングラーさえ失ってしまったもの。グラチェロで、自然の多い郊外のバイパスでも走れば、周りの風景は、アメリカの片田舎に思えてくるはず。搭載される高品質オーディオでは、ぜひカントリー&ウエスタンを奏でてほしい。全長5m、全幅2mと巨大だが、こちらはきちんと右ハンドル。先進機能も充実した現代車なので、慣れてしまえば、問題なし。ただ狭い道に飛び込むヤンチャさだけは忘れよう。
SUVを選ぶことは、非日常を楽しむことでもある。それならばいっそ個性的なクルマにすれば、楽しさも倍増するのではないかと思う。少なくとも隣に同じ車種が……なんて経験は、ほぼなくなる。そんな選択が、いつもの移動さえ、特別な時間に変える魔法となるのだ。
【DS 7 クロスバック】DSの最上級SUVは宝飾品のように煌く

フレンチ唯一のラグジュアリーブランド「DS」が手がけるフラッグシップSUV。煌びやかな内外装のディテールは、宝飾品を彷彿させる優雅なもの。その乗り味は、フレンチの傑作「シトロエンDS」の名に恥じない快適性を重視したサルーンが目指されている。特別仕様のものがフランス大統領専用車としても活躍中。
DSオートモビル DS 7クロスバック Eテンス 4×4(8速AT) ●全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm ●ホイールベース:2730mm ●車両重量:1940kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1598cc ●エンジン最高出力:200ps /6000rpm ●エンジン最大トルク:30.6kgm/3000rpm ●モーター最高出力前後:110ps・113ps ●モーター最大トルク前後:32.6kgm・16.9kgm ●新車価格:536万円~709万3000円(DS 7クロスバック 全グレード)

【ジープ グランドチェロキー L】フルモデルチェンジで3列シートモデルに

10年ぶりにフルモデルチェンジを果たした新型グラチェロは、3列シートの備えるロングボディ「L」に集約。アメリカンSUV元祖の「ワゴニア」を彷彿させるワイルドなスタイルとアメリカンラグジュアリーの魅力を凝縮した内装を持つ。エンジンが大排気量のV6ガソリンというのもアメリカンな味わいのひとつだ。
ジープ グランドチェロキー L サミット リザーブ(8速AT) ●全長×全幅×全高:5200×1980×1795mm ●ホイールベース:3090mm ●車両重量:2250kg ●エンジン:V6DOHC ●排気量:3604cc ●最高出力:286㎰/6400rpm ●最大トルク:35.1kgm/4000rpm ●新車価格:788万円~999万円(グランドチェロキー L 全グレード)


【キャデラック XT4】左ハンドルのみだがそれもステータス

アメリカを代表する高級車ブランド「キャデラック」のエントリーSUV。アメ車と聞くと大きなものを想像させるが、ボディサイズと排気量は日本にも最適。豪華な内外装が、街乗りクロスオーバーを連想させるが、高性能4WDシステム搭載した機動性にも優れたモデル。左ハンドルのみだが、それも価値のひとつだ。
キャデラック XT4 プレミアム(9速AT) ●全長×全幅×全高:4605×1875×1625mm ●ホイールベース:2775mm ●車両重量:1760kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1997cc ●最高出力:230㎰/5000rpm ●最大トルク:35.6kgm/1500-4000rpm ●新車価格:579万円~684万円(XT4 全グレード)

やっぱり気になる話題の電気自動車 あなどれない最新のBEV
文●大音安弘 写真●澤田和久、ユニット・コンパス
いま各ブランドが最も力を入れているのが電動化。エンジンを搭載せずモーターのみで走行するピュアEV型のSUVも多数登場してきている。ここでは最新のBEVタイプSUVを紹介。それぞれの魅力や特徴を解説していく。
じつは好マッチングなSUVと電気自動車
欧州車を中心に積極的な展開が図られるEVは、SUVタイプが多い。これは、世界的なSUV人気も理由のひとつだが、そもそもEVとSUVのマッチングのよさに秘密がある。最もわかりやすいのが、構造上のメリットだ。EVはエネルギー源となるバッテリーをキャビンとプラットフォームの間にサンドイッチして収めている。つまり、そのままでは床が高くなってしまう。それがSUVなら、最低地上高を削ることで室内高を維持することもできるのだ。またSUVに必須の堅牢なボディは、バッテリーを守る意味でも有利に働く。運動性能でも重心の高いSUVにとって重量のあるバッテリーが床下にあるため、必然的に低重心化となり、運動性能が向上する。つまり両想いにあるわけだ。
その結果、続々と新型車が登場し、今やBセグSUVからEセグSUVまで幅広い選択肢がある。これまではEV専用モデルが多かったが、最近のトレンドは既存モデルのEVバージョンだ。その代表格といえるのが、BMW iX3だ。内外装デザインとプラットフォームは、ミッドサイズSUV「X3」を共用しており、エンジン車と変わらぬ印象と使い勝手を提供する。大まかな表現ではあるが、大きく異なるのはパワーソースだけという捉え方だ。貴重な電動BセグSUVであるプジョー e-2008やDS 3 クロスバックEテンスなども同様の存在だ。
その一方で、EVを新たなプレミアムの表現として展開もしているブランドもある。英国高級車のジャガーは、近い将来の完全なるEVシフトを宣言しているブランドのひとつだが、ブランド唯一のEV「Iペイス」は、既存のジャガーとは一線を画すEVならではのスタイルを持つ。アウディ eトロンやメルセデス・ベンツのEQも、専用デザインや専用車で構成することで、新たな世界観を築いている。
しかし、EV全体でみると、高価ではあるものの、エンジン車の延長上に収まる価格帯のものや日本でも使いやすいサイズのモデルも増えつつある。購入をサポートするCEV補助金も増額されることが決定し、ユーザーの背中を押す。もちろん、充電インフラについてはそれぞれの使い方や地域により差が生じるが、少しずつだが、EV購入の環境作りは進められているのだ。
乗り換えを機会に、EVシフトを検討している人も多いと思うが、その際は試乗だけはマストとしたい。各社のEVの味付けには、大きな差がある。たとえば、アクセルのみで加減速できるワンペダルの有無や回生ブレーキの強弱など。加速の仕方も、電動感の強いもの、エンジン車に近づけたものが存在する。また使い方によっては、航続距離も重要となる。ぜひ相性ばっちりのEVを選んでほしい。
【BMW iX3】X3の魅力はそのまま心臓部をモーターに

新世代BMW iの普及型モデルとして誕生したミッドサイズSUV。ベースやデザインをエンジン車のX3と共有しているため、見た目や使い勝手も同様だ。駆動方式を後輪駆動とすることで、走りの味でもBMWらしさを表現。日本仕様は、Mスポーツのみ。80kWhの大容量バッテリーを搭載し、航続距離508km(WLTC)を確保する。
BMW iX3 Mスポーツ ●全長×全幅×全高:4740×1890×1670mm ●ホイールベース:2865mm ●車両重量:2200kg ●最高出力:286㎰ ●最大トルク:40.8kgm ●新車価格:862万円(iX3 Mスポーツのみ)

【アウディ eトロン】3モーター搭載の高性能モデルも登場

アウディEVシリーズのフラッグシップSUVで、Q7に迫るボディサイズを誇る。フォーマルSUVのeトロンとクーペSUVのeトロン スポーツバックを設定するが、いずれも2モーターの4WDで、主な違いはスタイル。今春には、3モーターによる電動トルクベクタリング機構付きAWD搭載の高性能モデル「S」が追加された。
アウディ eトロン 50 クワトロ ●全長×全幅×全高:4900×1935×1630mm ●ホイールベース:2930mm ●車両重量:2400kg ●最高出力:313㎰ ●最大トルク:55.1kgm ●新車価格:935万円~1437万円(eトロン 全グレード)

【メルセデスEQ EQA】十分な航続可能距離に手頃なサイズ感も魅力

メルセデスの電動ブランドEQのエントリーSUV。基本をGLAと共有するが、前後マスクデザインが専用となり、独自の世界観を備える。手頃なサイズ感とエンジン車から乗り換えても違和感の少ない自然な走りも魅力的。航続距離は410km (WLTCモード)と、ロングドライブにも対応。駆動方式は前輪駆動のみとなる。
メルセデスEQ EQA 250 ●全長×全幅×全高:4465×1835×1625mm ●ホイールベース:2730mm ●車両重量:1990kg ●最高出力:190㎰/3600-10300rpm ●最大トルク:37.7kgm/1020rpm ●新車価格:640万円(EQA 250のみ)

アルファ ロメオ「サウンドトンネルインデックス」最高のトンネルを快音SUVで検証
文●ユニット・コンパス 写真●アルファ ロメオ

スポーツカー顔負けの快音を奏でるステルヴィオ クアドリフォリオ。そのサウンドを最高に楽しめる英国No.1のトンネルが選ばれた。
音響のプロがデータと主観で走行音をテスト

SUVでありながら、ドライバーズカーとしてたぐいまれなる魅力を備えるステルヴィオ クアドリフォリオ。その魅力を伝えるためのユニークな取り組みが行われた。
手がけたのはイギリスのアルファ ロメオPR部門で、着目したのはステルヴィオ クアドリフォリオのエンジンサウンド。V6ツインターボエンジンが奏でる官能的としか言いようのないサウンドを使ってユニークなテストを考案したのだ。
それが、「サウンドトンネルインデックス」。簡単にいえば、走って楽しいトンネルを探してみようという企画だ。クルマ好きなら、トンネル走行時に窓を開けてエンジンサウンドを楽しんだ経験があるだろう。
思いつきのような企画だが、実施は極めて真面目に行われた。評価を担当したのは、英国を代表する音響コンサルタント会社のひとつであるサンディ・ブラウン。ロイヤル・アルバートホールの音響改善にも尽力したというプロ中のプロが、エンジン音、排気音、タイヤ、道路、そして風切音を計測。これら客観的な分析に加え、音の専門家ならではの主観的なスコアを組み合わせて最終的な評価を導き出した。
最も優秀な評価を受けたのはノースウェールズにあるペンマエンバックトンネル。コメントによれば、「トンネルが車線ごとにセパレートしていること、良好な路面状況、独特なU字型の構造がクルマのエンジン音を楽しむための最高の音響を提供している」とのこと。似たようなトンネルを探したくなる話だ。

人気映画とSUVの意外な関係 ディフェンダーが受けた特別指令
文●ユニット・コンパス 写真●ランドローバー

2022年3月末、英国で行われたオフロードレースに映画『007』シリーズのスペシャルカラーを身に纏ったディフェンダーが参加した。
長年にわたる人気映画とランドローバーのコラボ
映画『007』は、スリリングなカーアクションや登場するクルマのチョイスから、クルマ好きにとってもおなじみの人気シリーズ。そんなビッグタイトルが、あるSUV専門ブランドと長年パートナーシップを結んでいるのはご存じだろうか。写真を見ればわかるとおり、答えはランドローバー。
1983年の『007/オクトパシー』でオープントップに改造されたレンジローバーが登場して以来、最新作『No Time to Die』のディフェンダーにいたるまで、40年にわたってコラボレーションは続いていて、映画に欠かせない重要なキャラクターとなっている。また2021年には、劇中車にインスパイアされた全身ブラック仕立てのモデルが世界限定300台で販売されたことも話題となった。
良好な関係を続ける『007』とランドローバーだが、この度、映画のシリーズ誕生60周年を祝い、スペシャルカラーを身に纏ったディフェンダーのラリーカーを製作。ディフェンダーによるワンメイク・オフロードレース「ボウラー・ディフェンダー・チャレンジ」のノースウェールズ大会に参加させた。
ドライバーのマーク・ヒギンズは英国ラリーでチャンピオンの経験を持ち、映画では過去4作品にわたりボンドに代わってスタントドライバーを務める存在とあって、まさにリアル『007』。気になる結果は、2位に1分41秒の差をつけて優勝。ラリー界のボンドが見事、困難なオペレーションをやってのけた。


[おすすめ中古車をクローズアップ]流行りのコンパクトSUVは、入門輸入車にもドンピシャ!
文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はグーネット2022年4月調べ。
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
SUVは好きだけど、価格的にも大きさ的にも敷居が高いと思っている人、多いのでは?でも、ここ最近は気軽に楽しめるSUVが増えている。今回は輸入車が初めての人におすすめのSUVを紹介!
【アウディ Q2】エントリーモデルは見た目も実用性も◎

今、輸入車SUVで注目されているのがコンパクトクラス。もともとラージクラスが主流だったSUVだが、ミドルクラスが増え、さらに小型のモデルも続々と投入されている。これらは初めての輸入車にもぴったりで、低予算で探せるものが多い。また取りまわしにも優れている。
最初に注目するのがアウディQ2。全長4200mm、全幅1795mm、全高1500mmのサイズは立体駐車場にも入庫可能なので都市部でも扱いやすい。一般的なハッチバックの感覚で乗れることも美点である。中古車物件もそれなりに充実し、平均価格は約290万円。グレードは、1L3気筒ターボ搭載車(1.0TFSI)の物件が多い傾向にある。
中古車参考価格帯:180万円~380万円(17年~22年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2017年式:19%
2018年式:27%
2019年式:38%
2020年式:14%
2021年式:2%




【BMW X1】現行型X1は居住性と走りを両立

当初はFRシャシーを採用していたX1だが、現行型はFFシャシーを導入している。その恩恵で室内は広くなり、コンパクトSUVながらもファミリーカーとして十分な役割を果たしてくれる。また、FFながらもBMWらしいスポーティな走りも健在だから、運転を楽しみたいユーザーにもおすすめできる。物件は充実しており、平均価格はおよそ290万円。ガソリン、ディーゼルともに物件が多いが、1.5Lターボ車がお手頃。
中古車参考価格帯:240万円~480万円(15年~22年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2015年式:2%
2016年式:20%
2017年式:30%
2018年式:17%
2019年式:17%
2020年式:7%
2021年式:7%

【メルセデス・ベンツ GLA(先代)】ハッチバック感覚の小さなSUV

メルセデスのSUVのなかで最も小型なのがGLA。車体のベースとなるのはAクラスだが、専用エクステリアでクロスオーバー調に仕立てられる。しかし、車高は1505mmに抑えられ、少し背の高いハッチバックという感覚で乗れる。パワートレインは1.6Lターボから2Lターボまで設定されるが、物件数が多いのはエントリーモデルの1.6Lターボ(GLA 180)。中古車平均価格は250万円とリーズナブルになっている。
中古車参考価格帯:150万円~440万円(14年~20年 AMGを除く)
年式別中古車物件ボリューム
2014年式:22%
2015年式:27%
2016年式:15%
2017年式:18%
2018年式:9%
2019年式:8%
2020年式:1%

【ミニ クロスオーバー(先代)】MINIのなかでも実用性はピカイチ

コンパクトSUVは、プレミアムブランドにとどまらずまらず、多くのメーカーが参入している。なかでもMINIクロスオーバーは、2011年から販売され、このカテゴリーのなかでは古参のモデルだ。MINIの愛らしいデザインと4ドアの実用性を備えているのが大きな特徴で、3ドアだと家族で使いにくい……と感じているユーザーにうれしい設計。また4WDが選べるのもトピックだ。
2017年まで販売された先代モデルの中古車は、物件豊富かつ相場が大きく下がって買いやすくなっている。中古車平均価格は170万円だが、100万円以下の物件も目立つ。物件が多くて買いやすいのは、1.6Lガソリンの「クーパー」。
中古車参考価格帯:70万円~250万円(11年~17年 JCWを除く)
年式別中古車物件ボリューム
2011年式:14%
2012年式:23%
2013年式:16%
2014年式:16%
2015年式:18%
2016年式:11%
2017年式:2%



【ルノー キャプチャー(先代)】お洒落なルックスが目を引くSUV

ルノーのコンパクトSUVがキャプチャー。今回紹介するのは、2014年~2019年まで販売された先代モデル。全長4135mmのコンパクトなボディは、ルーテシアよりもひとまわり大きい程度。フランス車らしい個性的な内外装も魅力のひとつである。エンジンは1.2Lターボを搭載し、6速DCTを組み合わせる。中古車が少ないのが難点だが、多くは100万円台の予算で購入可能。中古車平均価格はおよそ120万円。
中古車参考価格帯:80万円~250万円(14年~19年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2014年式:21%
2015年式:30%
2016年式:19%
2017年式:9%
2018年式:10%
2019年式:9%
2020年式:2%

【ジープ コンパス】スタイリッシュなコンパクトジープ

ジープのエントリーモデルに位置付けられるのがコンパス。ジープ伝統の7本縦型スロットグリルを採用し、上級モデルとの共通性を感じさせる。全長4400mmのコンパクトなサイズゆえ、運転が苦手な人も使いやすい。パワートレインは2.4L直4を搭載し、FFと4WDから選択可能。物件もそれなりに充実しており、200万円台の予算から探せる。グレードは4WDの「リミテッド」が豊富。全体の中古車平均価格は340万円。
中古車参考価格帯:200万円~460万円(17年~22年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2017年式:6%
2018年式:27%
2019年式:23%
2020年式:12%
2021年式:32%

【フィアット パンダ 4×4】小さいけれど楽しさいっぱいのSUV

パンダにクロスオーバー風味をきかせたモデルがパンダ4×4。排気量はわずか875ccの2気筒ターボを搭載し、6速MTを組み合わせる。エクステリアは通常のパンダよりも精悍な仕立てとなるので、個性を重視したいユーザーにぴったり。3685mmの全長は取りまわしにも優れ、狭い路地もスイスイと走れるだろう。ただし中古車物件は少なく、やや探しにくいのが難点。一方、中古車平均価格は150万円と手頃な価格である。
中古車参考価格帯:110万円~230万円(14年~19年 全グレード)
[CATEGORY:SEDAN/WAG
年式別中古車物件ボリューム
2014年式:35%
2015年式:25%
2017年式:5%
2018年式:5%
2019年式:30%
※2016年式は計測時物件なし。
