輸入車
更新日:2021.03.19 / 掲載日:2021.03.19

【フルモデルチェンジ プジョー新型308】ワールドプレミアされた新型のポイントを解説

プジョー 新型308

プジョー 新型308

文●大音安弘 写真●プジョー

 身近な個性派輸入車として、日本でも再び脚光を集めているフランス車プジョー。その主力モデルであるプジョー308の最新モデルが、2021年3月18日に、オンラインにてワールドプレミアされた。公開された写真や資料をもとに、デザインや装備などの注目ポイントをまとめてみた。

クーペライクなシルエットを手に入れたエクステリア

新型308 エクステリア

新型308 エクステリア

 ベーシックカーの王道「VWゴルフ」のライバルとしても、存在感を強めるプジョー308。その第3世代となる新型が、オンラインにて世界初公開された。既に新世代へとアップデートされた弟分の208同様に、車名は現行型のものを継承するが、完全たるフルモデルチェンジとなる。

 一新されたエクステリアは、最新プジョーに共通する猫の爪痕のような鋭いデザインのLEDデイタイムライトを採用するが、新たな世界観も演出されている。その象徴となるのが、新フロントマスクだ。2021年に発表された新プジョーライオンのエンブレムを中央に配置した大型のフロントグリルは、非常に力強い表情を作り上げる。その新エンブレムの裏には、ADASのためのレーダーが配置されているのも新たな試みだ。ヘッドライトは、GT系グレードでフルLED化され、より薄型ユニットとなるという。また力強いマスクを際立たせるべく、ナンバープレートは、アンダーグリルへホルダーを移設されているのもポイントだ。

 サイドビューに目を移すと、流行のクーペライクなフォルムに進化したことに気が付く。ガラスエリアも広さを保ちつつ、流麗なフォルムを演出。Cピラーは、現行型同様に肉厚だが、リヤガラスを含め、テール部の傾斜が強くなり、スポーティな雰囲気を高めているようだ。また細かいところでは、現行型よりもダッシュトゥアクスルも拡大されているようで、この辺も、より伸びやかなスタイリングのキーなのだろう。そして、最もスポーティな雰囲気を漂わせるのが、リヤビュー。208よりもグラマラスで、4ドアクーペの508のような質感も併せ持つ。特にリヤフェンダーとテールゲートの抑揚のあるデザインは、かなり凝ったもの。同じハッチバックといえど、若々しい208との差別化をきっちりと見せるのだ。

 既にボディサイズも公表済みで、全長4367mm×全幅1852mm×全高1444mmと、ややワイドに。ホイールベースは、2675mmと現行型比で55mmも拡大されており、後席の居住性を高めている。またボディカラーは、イメージカラーのオリヴィーングリーンに加え、全7色を設定している。

新型308 エクステリア

新型308 エクステリア

  • 新型308 エクステリア

    新型308 エクステリア

  • 新型308 エクステリア

    新型308 エクステリア

インテリアには3Dメーターや新インフォテインメントシステムを採用

新型308 インテリア

新型308 インテリア

 先代208で初採用されたプジョー独自のドライビングスタイル「i-Cockpit」が、現行型308で昇華されたが、新型308でもi-cockpitは更なる進化を遂げている。

 新型208や2008にように未来的でありながら、508のような高質感を身に着けており、これは新世代プジョーの上級車の指針となるのだろう。象徴的な小径ハンドルとデジタルメーターパネルを受け継ぎつつ、GT系グレードでは、メーター表示を3D化。さらにインフォテインメントシステムには、ワイドな10インチタッチスクリーンを採用。パネル下に、ショートカットキーを配置することで操作性も向上されている。新インフォテインメントシステムには、「i-Connect Advance」と呼ぶ通信機能付きのシステムも用意され、オンライン更新可能なナビゲーションシステムや対話式音声認識コマンドなどの新機能も用意される。注目すべきは、ATシフトレバーがコンパクト化され、センターコンソールの占有スペースを最小限としたこと。レバー式シフトは、既に新型VWゴルフでも採用されるが、使い勝手が気になるところだ。さらにエンタメでは、オーディオシステムに力を入れており、フランスのオーディオブランド「FOCAL」のプレミアムHi-Fiシステムを設定。690W12チャンネルアンプを備えた10スピーカーシステムは、音楽好きにはたまらなく魅力的なアイテムとなりそうだ。

 シートデザインは、快適性を追求し、設計。シート表皮もファブリック、アルカンターラ、レザーなど様々なものを用意する。後席は、ボディサイズの拡大によりゆとりが増した上、USBソケットの設置など利便性も高められている。またラゲッジ容量については、標準412L~最大1323Lを確保。ラゲッジスペースのフロア下に、便利な28Lの小物入れも備える。

  • 新型308 ステアリング

    新型308 ステアリング

  • 新型308 メーター

    新型308 メーター

  • 新型308 インフォテインメントシステム

    新型308 インフォテインメントシステム

  • 新型308 ディメンション

    新型308 ディメンション

  • 新型308のラゲッジ容量は361Lから412L

    新型308のラゲッジ容量は361Lから412L

日常走行の多くを電動走行でカバーするプラグインハイブリッドを用意

新型308 メカニズム

新型308 メカニズム

 パワートレインは、ユーザーに最適な仕様を提供すべく、多彩な選択を用意。その象徴となるのが、2種類のプラグインハイブリッドだ。「ハイブリッド225 e-EAT8」は、132kW(180ps)の1.6Lターボエンジンに、81kW(110ps)のモーターを組み合わせ仕様で、システム最高出力が162kW、システム最大トルク360Nmを発揮。もうひとつの「ハイブリッド180 e-EAT8」は、110kW(150ps)の1.6Lターボエンジンに、81kW(110ps)のモーターを組み合わせた仕様で、システム最高出力132kW、最大トルク360Nmを発揮する。いずれも前輪駆動車のみで、搭載する駆動用バッテリーは、12.4kWhを搭載。充電は、200Vの普通充電のみに対応し、8A仕様の車載充電器で約7時間。オプションの16A仕様の車載充電器なら、3時間50分まで短縮可能。より高出力な32Aのウォールボックスを設置すれば、1時間55分となるので、日常でも気軽に充電が行え、利便性も高い。注目のEVモードでの航続距離は、約60km(WLTP)となるので、日常走行の多くを電気で賄うこともできる。

 もちろん、エンジン車もしっかりと継続設定されており、110psと130psの2種類の1.2L3気筒ガソリンターボと130psの1.5L4気筒クリーンディーゼルターボを設定。トランスミッションにも、仕様に合わせて6速MTか8速ATが組み合わされる点も現在と同様だ。

 プラットフォームについては、他モデル同様にEMP2を採用するが、このプラットフォームは幅広い可能性を追求されたものであり、まだ伸びしろのあるものだ。新型でも、ホイールベース拡大に対応し、ボディ剛性の向上も図られている。また先進の安全運転支援機能については、グループの最新世代のものを搭載し、充実の内容を誇っている。

欧州では2021年後半に導入。日本導入にも期待!

新型308の欧州発売は、2021年後半を予定

新型308の欧州発売は、2021年後半を予定

 注目されるリリースのタイミングだが、新型308の欧州発売は、2021年後半が予告されており、生産はフランスのミュルーズ工場にて実施する。日本への導入は、これまでの動向を踏まえれば、2022年の夏前後が最短となるだろう。しかし、未だ終息が見えない新型コロナウィルス感染症の影響が懸念されるため、導入時期がより遅くなることも考慮しておく方がベターだろう。現時点では、ステーションワゴンの308SWについての言及はなく、BEVの設定も不明だ。何はともあれ、SUVの台頭で、スタンダードモデルの中心的存在であったCセグメントハッチバックの置かれる環境は厳しさを増すばかり。より高品質化が期待される新308が欧州市場でどのような評価を受けるかにも注目したい。

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