新型アクア大特集 もっと低燃費で便利に使いやすく!【フルモデルチェンジ トヨタ アクア】

車種別・最新情報 [2021.07.19 UP]

新型アクア大特集 もっと低燃費で便利に使いやすく!【フルモデルチェンジ トヨタ アクア】

新型アクア

新型アクア

トヨタの人気ハイブリッドカーであるアクアがフルモデルチェンジ! この記事では、新型の魅力を徹底特集。新しい情報を随時追加していくので、どうぞお楽しみに!

燃費は脅威の35.8km/L、ハイブリッドシステムがさらに進化

新型アクア

新型アクア

文●工藤貴宏 写真●トヨタ

 アクアがフルモデルチェンジして2世代目へと進化しました。

 初のハイブリッド専用コンパクトカーとして初代モデルがデビューしたのは2011年12月。以来2021年5月末までにグローバルで約187万台を販売した大ヒットモデルです。

 トヨタの試算によると、アクアのユーザーがドライブで削減したCO2発生量は累計約1240万トンに達するとのこと(同クラスのガソリンエンジン車と比較して計算)。それはアクアに搭載された高効率のハイブリッドシステムによる優れた燃費の結果ですが、そんな燃費性能は新型では従来比約20%と驚くべきレベルで向上。低燃費をさらに磨いたことが、新型の大きなトピックのひとつめです。

 新型アクアでもっとも燃費に優れる仕様は、35.8km/L(「B」グレード、WLTCモード)という驚きの性能を実現しています。

 燃費向上に大きな役割を果たしているのは、なんといってもパワートレイン。ハイブリッドシステム自体は「THSII」と呼ばれるタイプで従来から継承していますが、エンジンは排気量1.5Lの3気筒で「ヤリス」に搭載されている新設計ユニットを採用しました。このエンジンは効率がよく、少ないガソリンから力を引き出すことができるのが特徴です。さらに一部グレードには「バイポーラ型ニッケル水素電池」という新タイプの走行用バッテリーを搭載。車載の走行用バッテリーとして世界初採用となるこれは、従来型アクアのニッケル水素電池に比べてバッテリー出力がなんと約2倍に向上。エンジンを止めて電気を使うモーターだけで走れる距離が大幅に拡大したことで、燃費向上をサポートしています。

新型アクアのディテールをチェック

新型ではホイールベースを50mm延長! 後席空間が広くなった

新型では、全長は従来モデルと同じながら、ホイールベースを50mmも延長

新型では、全長は従来モデルと同じながら、ホイールベースを50mmも延長

 もうひとつ大きなトピックは、パッケージングの変化。全長は従来モデルと同じながら、なんとホイールベースを50mmも延長しているのだから驚きです。

 そのメリットは、後席拡大。ホイールベース延長により前後席間距離が広がり、すなわち後席の足元スペースが増えているのです。従来型は後席の狭さが指摘されていましたが、新型はそこをしっかりとフォローしてきたというわけですね。

 プラットフォームはヤリスと同じ「TNGA GA-B」と呼ばれるタイプ。しかし車体は全長で120mm、ホイールベースはアクアのほうが50mm長く、デザインはヤリスとは全く別のテイスト。アクアのほうが伸びやかで、造形もシンプルな印象です。スッキリとしたフロント部など、ヤリスよりもアクアのほうが好印象と感じる人も多いのではないでしょうか。

 室内をみると、運転席まわりの注目ポイントはメーターとシフトレバーです。先代は細長いセンターメーターでしたが、新型はドライバーの正面に置いた一般的なレイアウトに変更。そしてシフトレバーは、従来はフロアに置かれたフロアシフトでしたが、新型はインパネに内蔵のいわゆるインパネシフトとなりました。しかも、先代の一般的なタイプからプリウスでおなじみの電子式へと変更。メーターは個性を薄めてオーソドックスなタイプになりつつ、シフトレバーは逆にハイブリッドカーらしい先進感を高めたといっていいでしょう。

新型アクア

新型アクア

新型アクアの室内ディテールを紹介

新型アクアでは4WDも選べるようになった

新型アクア

新型アクア

 さて、ラインナップにおけるトピックは、FFに加えて従来にはなかった4WDが新型では加わっていること。後輪をモーターだけで駆動する電動4WDです。

 グレードのバリエーションは198万というプライスタグを掲げる「B」をボトムに、スマートエントリーなどを追加する209万円の「X」、パーキングブレーキサポート、本革巻きハンドル、ヘッドレストセパレート型ハンドル、一部に合成皮革張りのインパネなどを備える223万円の「G」、そしてアルミホイール、フルLEDのヘッドライト、10.5インチのディスプレイオーディオ(他グレードは7インチ)などを追加する240万円の「Z」と4タイプを用意(価格はFFのもので4WD車は19万8000円アップ)。

 いずれのグレードともに、先進安全機能や1500Wを供給できて停電時などにもスマホ充電などで重宝するAC100Vコンセントは標準装備です。

 アクアは新型になっても、ハイブリッド専用車であることには変わりありません。しかし、先代は空気抵抗を減らして燃費を稼ぐために後席を広げないなどやや特殊なクルマだったのに対し、新型では後席を広げるなど実用性を高め、より普通のクルマになったといえるでしょう。

【7月22日更新】新型アクアの進化したポイントを解説!

【新型深堀】低燃費の秘密は「バイポーラ型ニッケル水素バッテリー」

駆動用バッテリーにはコンパクトで大電流を流せるバイポーラ型を採用

駆動用バッテリーにはコンパクトで大電流を流せるバイポーラ型を採用

 新型アクアの凄さは、なんといっても燃費です。

 フルモデルチェンジを受けて新型になっても「ハイブリッド専用のコンパクトカー」という立ち位置は変わりません。しかし、メカニズムはほぼ全面的に刷新。その結果大幅に引き上げられたのが、初代アクアが実現し、アクアの真骨頂といえる低燃費性能なのです。

 新型アクアの燃費はFFモデルが33.6~35.8km/L、4WDは30.0~30.0km/L(いずれもWLTCモード)。先代でも高い評価を得ている燃費性能が、そんな従来モデルに対して約20%向上しているのだから進化幅に驚かずにはいられません。

 そんな優れた燃費に大きく影響を与えているのがパワートレインですが、パワートレインのメカニズムは従来モデルとは全くの別物と言っていいでしょう。システムの基本思想こそトヨタは幅広く展開する「THSII」ですが、エンジンは従来モデルとは異なる「M15A-FXE」を搭載。このエンジンはトヨタ「ヤリス」のデビューに合わせて新開発されたもので、排気量こそ1.5Lと従来モデルと同じですが、シリンダーが従来の4つから1つ減って3気筒となり、さらに効率を高めています。

 先代の最高出力はエンジンが74psでモーターが61psでした。いっぽう新型ではそれぞれ91ps/80psとなり動力性能をアップ。ハイブリッドシステムそのものも、基本的にはヤリスと共通の新設計ユニットです。新型ヤリスのハイブリッドは従来モデルに相当する「ヴィッツハイブリッド」に比べて動力性能が高まるとともに、アクセル操作に対する加速感のフィーリングもダイレクト感が増しておおきく進化。それが高く評価されています。

 いっぽうで、ヤリスとは異なるのが駆動用バッテリー。ヤリスは全車に「リチウムイオンバッテリー」を搭載していますが、アクアでは、一部グレードにリチウムイオンバッテリーを搭載しつつ、主要グレードには「ニッケル水素バッテリー」を組み合わせているのです。

 「ニッケル水素バッテリー」は古いタイプの電池ではないのか? そう感じる人もいるかもしれません。

 しかし違うのです。新型には「バイポーラ型ニッケル水素バッテリー」という新開発で、駆動用車載バッテリーとしては世界初採用のタイプなのだからニュースです。

 「バイポーラ型」とは構造に関する表現で、住宅に例えると、従来のニッケル水素バッテリーは自宅の壁と隣の家の壁が分かれた一戸建てが密集しているような構造(実際に一軒ずつの家のように“セル”が集合した構造で、セル単位で分解して交換できる)。いっぽうでバイポーラ型とは、自宅と隣の家の壁を1枚ずつの計2枚ではなく、1枚で兼ねたマンションのような構造とイメージすれば違いが分かりやすいかもしれません。

 メリットは、部品点数が少なくなるのでコンパクト化できること。もし同じ大きさならより大容量となります。さらに通電面積が広くてシンプルな構造なので、バッテリー内の抵抗が少なくなり、一気に大電流を流せるようになります。その結果として、出力の向上につながるのです。

 具体的にいえば、新型アクアに積んでいるバイポーラ型のニッケル水素バッテリーは、従来型アクアに搭載の普通のニッケル水素バッテリーに比べて約2倍(セル当たりの出力約1.5倍×同じスペースであれば1.4倍のセルを搭載できる)の出力を実現するというから、進化は相当なもの。

 クルマとして考えると、アクセルを踏んだ時の加速感の向上、従来と同じ電池容量であればコンパクト化などのメリットがあります。新型アクアの場合、バッテリー容量はリチウムイオン式の4.3Ahに対してバイポーラ型のニッケル水素式は5.0Ahと大容量化。大容量となった分だけエンジンを止めてモーターだけで走れる距離が増え、その上限速度も高まり、燃料節約に大きく貢献しているのです。

【新型深堀】後席の居住性がかなり改善された

新型アクア

新型アクア

 車体構造も刷新しました。使われているプラットフォームは「TNGA GA-B」と呼ばれるタイプ。これは、パワートレイン同様にヤリスのデビューに向けて開発され、その後「ヤリスクロス」などにも使われているものです。

 しかしヤリスとまったく同じかといえば、そうではないのが興味深いところ。ホイールベースは従来型(旧プラットフォームを採用)に対して50mm伸びていますが、ヤリスに対しても50mm長いのです。

 その結果、先代よりも大幅に引き上げられたのが後席居住性。足元が拡大しているのです。また、頭上空間も先代より広がりました。

 先代の後席は決して広いとは言えず、むしろ先代に比べて我慢を強いるスペースで「後席を重視するならヴィッツを選べ」といえる状況でした。これは空力性能の狙いが大きく、究極の燃費を考えれば仕方がない面もあったといえます。

 しかし新型は、そこに大きなメスを入れて水準をアップ。その結果、ヤリスより優れた居住性となりました。つまりパッケージングにおいては、従来の「広いヴィッツに対して燃費優先の先代アクア」だったのが新型は「燃費優先のヤリスに対して後席の広い新型アクア」とポジションが入れ替わったのが興味深いところ。もちろんこれは、トヨタがしっかり意図しての商品企画なのは言うまでもありません。

 ところで、エクステリアデザインは先代の延長線上にあります。それはギュッと凝縮した感のあるヤリスに比べると、新型アクアは伸びやかに感じられます(全長もヤリスより110mm長い)。スッキリしていてヤリスよりも好みという人も少なくないのではないでしょうか?

【新型深堀】インターフェイスは最新のトヨタ車と同じ方式に

新型アクア

新型アクア

 いっぽうでインテリアのデザインは、先代とは大幅にイメージチェンジ。まず、メーターはセンターメーターをやめてドライバーの正面に配置。メーター自体もフルデジタル化されました。

 そして興味深いのが、セレクトレバー。先代は従来ながらのタイプでフロアシフトしたが、新型は電子シフトを採用し、しかもインパネに設置しているのが新しいのです。軽自動車やミニバンでインパネシフトに慣れている日本のユーザーとの親和性は高いでしょう。

 インパネ中央に組み込まれたディスプレイ(タッチパネル式だがナビ機能はオプション)のサイズは主要グレードでは7インチですが、最上級グレードの「Z」になると10.5インチと特大サイズなのも自慢。これはコンパクトカーとしては……という括りに留まらず、より上級車種と比べても大きめです。このサイズはもちろん、トヨタコンパクトカーとしてはじめてで、最大サイズです。

 はじめてといえば、アクセルを緩めたときの減速度を高くする制御を組み込んだのも、トヨタのハイブリッドカーとしてははじめてのこと。日産が「eペダル」と呼んでいる、アクセルを緩めるだけで車速がどんどん下がっていくのと同様の機構です。

 この仕掛けは「馴染めない」という人もいて好みがわかれるところはあります。しかし、アクセルペダルの踏み方だけで車速のコントロールがしやすいことから、アクセルペダルとブレーキペダルの切り替え回数を減らせるのが特徴。使ってみると意外に便利という声も多い仕掛けです。走行モードを「POWER +」とした時だけ機能するので、もしフィーリングが好みでなかったとしても走行モードを「POWER+」としなければ困ることはありません。

【新型深堀】駐車をサポートする「トヨタチームメイト アドバンストパーク」を採用

新型アクア

新型アクア

 ところで運転サポート装備といえば、カメラを活用して駐車スペースを検知し、ステアリングを支援して車庫入れを楽にする「トヨタチームメイト アドバンストパーク」が用意されました。これはヤリスにも設定されていますが、アクアではヤリスで必要なシフト操作まで自動化されたのが肝(トヨタのコンパクトカーでは初めて)。ハンドルだけでなく、アクセルやブレーキ、そしてシフト操作までクルマがやってくれるので駐車が苦手なドライバーはもちろん、普通のドライバーでも重宝することでしょう。よっぽどの車庫入れ上手でない限りは、クルマ任せのほうが早くてスムーズです。

 また、先進安全機能としては、駐車時に前後方向に加えて内輪差で側面を接触しそうになった状況、加えて駐車場からバックで出る際に後側方から迫るクルマがあるとブザーでドライバーに知らせるとともにブレーキをかけて接触を回避する機能も搭載。前者はトヨタ初採用です。さらにブラインドスポットモニターには、縦列駐車して車から降りようとした際に、後方から自転車などが近づくとブザー音とドアミラー内のランプの点滅で注意をうながす仕掛けもトヨタのコンパクト車として初採用しました。

 新型バッテリーを採用し、パッケージングも刷新。そして先進安全機能もトヨタ最新。そんな新型アクアの概要を知れば知るほど、とても力の入ったモデルだということがわかります。

  • 「トヨタチームメイト アドバンストパーク」

    「トヨタチームメイト アドバンストパーク」

  • 「トヨタチームメイト アドバンストパーク」

    「トヨタチームメイト アドバンストパーク」

  • 「トヨタチームメイト アドバンストパーク」

    「トヨタチームメイト アドバンストパーク」

新型アクアのボディカラー

【先代モデル振り返り】いま見ても画期的なハイブリッド専用コンパクトカー

先代アクア(2011年12月)

先代アクア(2011年12月)

 2011年12月。トヨタからまったく新しいコンパクトカーがデビューしました。その名は「アクア」。ハイブリッド専用のコンパクトカーです。

 当時、すでに「プリウス」などでハイブリッドカーの認知度は高まっていました。しかしアクアが新しかったのは、はじめての「ハイブリッド専用コンパクトカー」だったこと。当時、トヨタにはハイブリッドのコンパクトカーはなく、ホンダでは「フィット」に設定があったものの小さなモーターを組み合わせたいわゆる「マイルドハイブリッド」。プリウスのような、力強いモーターを組み合わせて、エンジンをかけずにモーターだけで広範囲を走れるコンパクトカーはアクアがはじめてでした。

 1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは従来のプリウスに採用がありましたが、アクア用はそれよりも世代が新しくて中身はほぼ新開発。小さなボディに組み込むために、より小型で軽量な構造になっているのです。

 車体も、プラットフォームの基本構造を他のコンパクトカーと共用するものの、ハイブリッドシステムを搭載するために車体後半はアクア専用設計。全長1445mmと背の低いボディとしているのが特徴で、これは空気抵抗を抑える(前面投影面積を減らす)ことで高速走行時の燃費向上を狙ったものですが、低い着座位置、そしてハイブリッドシステムを構成する走行用バッテリーなどをリヤシート座面下の低い場所に置いたことで重心が低くなり、運動性能も高めています。

 そう、アクアはパッケージングにも画期的な部分がありました。それは走行用バッテリーを後席座面下に置いたこと。それまでのハイブリッドカーは後席の後ろや荷室床下にバッテリーを置くのが一般的でした。そのために荷室容量が狭くなるのは常識だったのです。いっぽうで後席床下に搭載するアクアは、ハイブリッドシステム搭載による荷室の犠牲は一切なし。いま、多くのハイブリッドカーはバッテリーを後席座面下に積んでいますが、そのパイオニアは初代アクアなのです。

 そんな初代アクアのデビュー当時の燃費は、もっとも優れるグレードにおいてはJC08モードで35.4kmL。これはプリウスを凌いで当時の世界トップに立つ実力でした。また、もっとも安いグレードでは169万円(税込)、上級グレードでも185万円とアンダー200万円のプライスタグも、ハイブリッドの更なる普及に果たした役割は大きかったといえるでしょう。デビュー以来長きにわたり、販売ランキングの上位に入り、トップ争いを展開してきました。

 2011年12月。トヨタからまったく新しいコンパクトカーがデビューしました。その名は「アクア」。ハイブリッド専用のコンパクトカーです。

 当時、すでに「プリウス」などでハイブリッドカーの認知度は高まっていました。しかしアクアが新しかったのは、はじめての「ハイブリッド専用コンパクトカー」だったこと。当時、トヨタにはハイブリッドのコンパクトカーはなく、ホンダでは「フィット」に設定があったものの小さなモーターを組み合わせたいわゆる「マイルドハイブリッド」。プリウスのような、力強いモーターを組み合わせて、エンジンをかけずにモーターだけで広範囲を走れるコンパクトカーはアクアがはじめてでした。

 1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは従来のプリウスに採用がありましたが、アクア用はそれよりも世代が新しくて中身はほぼ新開発。小さなボディに組み込むために、より小型で軽量な構造になっているのです。

 車体も、プラットフォームの基本構造を他のコンパクトカーと共用するものの、ハイブリッドシステムを搭載するために車体後半はアクア専用設計。全長1445mmと背の低いボディとしているのが特徴で、これは空気抵抗を抑える(前面投影面積を減らす)ことで高速走行時の燃費向上を狙ったものですが、低い着座位置、そしてハイブリッドシステムを構成する走行用バッテリーなどをリヤシート座面下の低い場所に置いたことで重心が低くなり、運動性能も高めています。

 そう、アクアはパッケージングにも画期的な部分がありました。それは走行用バッテリーを後席座面下に置いたこと。それまでのハイブリッドカーは後席の後ろや荷室床下にバッテリーを置くのが一般的でした。そのために荷室容量が狭くなるのは常識だったのです。いっぽうで後席床下に搭載するアクアは、ハイブリッドシステム搭載による荷室の犠牲は一切なし。いま、多くのハイブリッドカーはバッテリーを後席座面下に積んでいますが、そのパイオニアは初代アクアなのです。

 そんな初代アクアのデビュー当時の燃費は、もっとも優れるグレードにおいてはJC08モードで35.4kmL。これはプリウスを凌いで当時の世界トップに立つ実力でした。また、もっとも安いグレードでは169万円(税込)、上級グレードでも185万円とアンダー200万円のプライスタグも、ハイブリッドの更なる普及に果たした役割は大きかったといえるでしょう。デビュー以来長きにわたり、販売ランキングの上位に入り、トップ争いを展開してきました。

  • 先代アクア クロスオーバー(2017年6月追加モデル)

    先代アクア クロスオーバー(2017年6月追加モデル)

  • 先代アクア クロスオーバー(2017年6月追加モデル)

    先代アクア クロスオーバー(2017年6月追加モデル)

【先代モデル振り返り】小改良、マイナーチェンジのポイントを詳しく紹介!

先代アクア(2019年7月改良型)

先代アクア(2019年7月改良型)

 デビューから約2年を迎えた2013年11月には一部改良を実施。エンジン本体やハイブリッドシステムの改良でさらなる燃費向上をはかると同時に、走行性能を高めました。サスペンションセッティングを改めるとともに、なんと車体もスポット溶接の追加や板厚アップなどで強化。また、専用サスペンションなどで運動性能を高めつつエクステリアも専用コーディネートした「G SPORTS(G’s)」も追加されています。

 2014年12月にはマイナーチェンジを実施し、ヘッドライト(一部仕様にはハイビームとロービームを同じLED光源でまかなうバイビーム式を採用)やフロントバンパーのデザインを変更。トヨタのコンパクトカーとしてははじめてシャークフィンアンテナを採用したのもトピックです。

 インテリアは「S」グレードと「G」グレードにおいて質感をアップ。センタークラスターなどのパネルをピアノブラック塗装としました。

 また、車体やリヤなどにスポット溶接を増して、ボディを一層強固にしました。それにあわせてサスペンションをチューニングし、パワーステアリングもリファイン。前回の改良からわずか1年で、さらに走行性能を高めたのも注目すべきポイントです。走りを磨こうというトヨタの真摯な姿勢が伝わってきます。

 SUVテイストでエクステリアをコーディネートしたクロスオーバースタイルの「X-URBAN」が追加されたのも、大きなトピックです。

 2015年11月の改良では、今どきのクルマに必須となるある装備が加わっています。それは衝突被害軽減ブレーキ。衝突が避けられないと判断すると、まずはドライバーに警告を与え、それでもドライバーが回避操作を取らないとクルマが自らブレーキを掛ける機能が組み込まれたのです(グレードにより標準装備もしくはオプション設定)。

 このシステムは赤外線センサーと単眼カメラを組み合わせた「Toyota Safety Sense C」と呼ぶタイプ。歩行者検知がなく作動上限速度もそれほど高くないなど、最新のシステムに比べると機能で劣るのは否めませんが、「ある」と「ない」では事故回避能力は大きく異なるのは言うまでもありません。

 2017年6月にはマイナーチェンジを実施。フロントはヘッドランプやバンパーに留まらずボンネットフードやフェンダーまで形状を変える大幅なリフレッシュをおこないました。リヤはコンビネーションランプ内のデザインを変更し、反射板がバンパー下部に変更されたのが分かりやすいポイントです。

 ボディ剛性を強化し、タイヤを幅175から185にサイズアップすることで走行性能を一層高めました。またクロスオーバースタイルの「X-URBAN」は廃止され、新たに「クロスオーバー」を設定。これはアクア初の3ナンバーモデルです。

 2018年4月の改良では、衝突被害軽減ブレーキは「Toyota Safety Sense」に改名され、昼間の歩行者検知機能なども追加。駐車場内などでのアクセルとブレーキの踏み間違いに対応して衝突しそうになるとブレーキを作動させる「インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ)も新たに設定されています。

 人気モデルであると同時に、ロングセラーとなった初代アクアの最大の功績は、ハイブリッドカー市場の拡大に大きな役割を果たしたことでしょう。ハイブリッドをより身近な存在としたのです。

 いっぽうで長いライフの間にはしっかりと改良がおこなわれ、どんどん進化したことも見逃せません。先進安全システムが追加されたほか、走行性能も着実に磨かれました。

 そうした地道な熟成も、アクアのロングライフを支えたのです。

  • 先代アクア(2019年7月改良型)

    先代アクア(2019年7月改良型)

  • 先代アクア(2019年7月改良型)

    先代アクア(2019年7月改良型)

  • 先代アクア(2019年7月改良型)

    先代アクア(2019年7月改良型)

【ライバル比較 新型アクア vs 先代アクア、フィット、ノート、ヤリス】パワートレインや燃費を比較

新型アクア

新型アクア

 ここでは、新型アクアとライバルを比較してみましょう。

 ライバルとしてピックアップしたのは、ホンダを代表するコンパクトカーの「フィット」、同じく日産の「ノート」、そして同門のトヨタ「ヤリス」です。ヤリスは、従来は「ヴィッツ」と呼ばれていたモデルに相当。2020年春のフルモデルチェンジを機に海外での名称と同じ「ヤリス」へと改名されています。

 まずはパワートレインからチェックしてみましょう。

 アクアのパワートレインは排気量1.5Lのエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドのみです。ライバルのなかでも、ハイブリッド専用車はノートのみ。1.2Lエンジンにモーターを組み合わせた仕様だけで、純粋なガソリンエンジン車は用意がありません。

 いっぽうでフィットとヤリスは、ハイブリッドも用意しますが、そのほかに純粋なガソリンエンジン車も展開。フィットは1.3L、そしてヤリスでは1.0Lと1.5Lの2本立てで幅広い選択肢を用意しているのが印象的ですね。

 余談ですが、ここで紹介したクルマの中でMT(マニュアル・トランスミッション)を設定しているのはヤリスのみ。MT好きなら、この中での選択はヤリス一択になるかもしれません(コンパクトカーとしては他にもマツダ「マツダ2」やスズキ「スイフト」にMTがあります)。

 燃費は、アクアのもっとも優れる「B」がWLTCモード35.8km/Lで、「X」の34.6km/L、「G」や「Z」の33.6 km/Lと続きます(いずれもFFモデル)。フィットの燃費はもっとも低燃費の仕様で29.4 km/L、ノートは29.5 km/Lなので、あくまで実燃費ではなくカタログ記載のモード燃費値ではありますがアクアのリードといえます。

 ただ、興味深いのはヤリスとの比較。ヤリスの燃費トップグレードである「ハイブリッドX」は、36.0 km/Lと新型アクアの上を行くのです。

 そこから理解できるのは、新しいアクアはトヨタ内においても燃費ナンバーワンを狙う存在ではないということ。つまり、先代のような燃費スペシャルでないのです。その背景にある理由は、どうやら従来モデルからの“キャラクター変更”にありそうです。

  • 先代アクア

    先代アクア

  • ヤリス

    ヤリス

  • フィット

    フィット

  • ノート

    ノート

【ライバル比較 新型アクア vs 先代アクア、フィット、ノート、ヤリス】ボディサイズやパッケージングを比較

新型アクア

新型アクア

 各車の車体サイズを比べてみると、面白いことに気が付きます。

 新型アクアの車体は、全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mm。いっぽうライバルを見ると、
ノート:4045mm×1695mm×1505mm
フィット:3995mm×1695mm×1515mm(e:HEVベーシック)
ヤリス:3940mm×1695mm×1500mm

 意外にも、新型アクアはライバルのなかでもっとも長いのです(従来モデルも同様)。ノートとはほぼ同じですが、フィットより約5cm、ヤリスに比べると約10cmも長い設計です。

 いっぽうで全高はライバルの中でもっとも低いですが、これは空気抵抗を減らして高速走行時の燃費をよくするためと考えれば理解できます。しかし、先代に比べると30mm高くなっていて、これは後席頭上を広げて先代のウィークポイントといわれた後席居住性を高めるためと考えればいいでしょう。

 パッケージングを見ると、興味深いのはヤリスの先代に相当する「ヴィッツ」時代とのポジションの違い。

 先代アクアは燃費最優先で作られたパッケージングのため、言葉を選ばずに表現すると後席居住性は“二の次”でした。だから足元も頭上も広いとはいえず、ファミリーカーとしてはあまりオススメできない車種だったのです。ファミリーユーザーには「ヴィッツ」が適していました。

 しかし新型は、ホイールベースを50mm延長し、後席足元スペースを拡大(ヤリスに対しても50mm長い)。さらに後席頭上にも余裕ができ、ヤリスに対しても広い後席を用意。居住性から考えると、新型アクアとヤリスは、ヴィッツと先代アクアとは立場は逆転したのです。これこそがキャラクター変更なのです。

 新型アクアの後席居住性は、広さに定評のあるフィットやノートを追う存在となりました。

【ライバル比較 新型アクア vs 先代アクア、フィット、ノート、ヤリス】価格を比較

新型アクア

新型アクア

 では、価格はどうでしょうか?

 アクアのFFモデルの価格は、ベーシックグレード「B」の198万円から最上級グレード「Z」の240万円まで。新型には先代にはなかった4WDモデルも全グレードに設定されていて、それはFFモデルの19万8000円アップです。

 対してヤリスハイブリッドの価格は198万円から232万4000円。ノートは202万9500円~205万4800円、フィットハイブリッドは199万7600円~242万6600円(いずれもFFモデル)。

 ボトムの価格だけを見るといずれも各車ともほぼ拮抗していますが、アクアやヤリスなどトヨタ車はディスプレイオーディオと呼ばれるスマホを接続するだけでナビとして活用できるタッチパネルを標準装備しているので、カーナビを追加しなくても事足りるメリットがあります。また、アクアには全車に1500Wまでつかえる家庭用コンセントを標準装備。それは仮にオプションで装着すると3万円ほどするアイテムなので、ボトムグレードで考えた場合には合計で15万円程度はフィットやノートに対しての価格的優位性があるといえそうです。

トヨタ アクア Z(CVT)

■全長×全幅×全高:4050×1695×1485mm
■ホイールベース:2600mm
■車両重量:1130kg
■エンジン:直3DOHC+モーター
■総排気量:1490cc
■エンジン最高出力:91ps/5500rpm
■エンジン最大トルク:12.2kgm/3800-4800rpm
■モーター最高出力:80ps
■モーター最大トルク:14.4kgm
■サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
■ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム
■タイヤ前後:185/65R15
■新車価格:198万円-259万8000円(全グレード)

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