輸入車
掲載日:2021.01.06 / 更新日:2021.01.06

BMW特集/ニューモデル続々デビュー!BMWの進化を紐解く

VISUAL MODEL : BMW M440i xDrive Coupe

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年2月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

BMWは、いま最もエキサイティングなブランドのひとつだ。スポーティなスタイルと走行フィーリングを備えたモデルを、あらゆるライフスタイルにマッチさせるべく豊富なラインアップに展開。走りを追求しながら、電動化や先進安全装備についてもトップを走る。今回は、進化を続けるドイツブランドの雄を、ニューモデル、未来戦略、開発の舞台裏、そしてユーズドカーと、多角的な視点で紐解く。

最新のクーペシリーズにBMWの方向性を見る

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


ブランドの方向性をエッジ立てて表現できるのがクーペ。つまり、最新のクーペモデルを分析することで、BMWが向かっている方向が見えてくるというわけだ。

デザイン、走りともに洗練され上質になった

 BMWのデザインは、3シリーズや8シリーズから新世代に切り替わった。シャープなキャラクターラインなどは用いずに、サーフェースはシンプルにして、根本的なフォルムの美しさで勝負するという考え方だ。シンプルになった分を補うように、アイコンであるキドニーグリルは強調していくとも表明していて、たしかに徐々に大型化していったが、新型4シリーズクーペでは縦長になるまで大胆に変貌した。
 好みの分かれるところではあるが、ファミリーフェース戦略は、ともすると同ブランドの大・中・小のセダンなどが並んでいても金太郎飴のようで見分けがつかないということもあるので、上手に変化をつけていくことは重要だろう。新型4シリーズのフロントマスクには紛うことなき新しさがあり、クーペらしい美しいルーフラインとの組み合わせには独特の個性を感じる。
 まず最初に日本上陸を果たしたのはM440i xDrive。M4を除いたスタンダードな4シリーズクーペのなかでは、最もスポーティなMパフォーマンスモデルだ。エンジンは3L直列6気筒ツインパワーターボで最高出力387馬力、最大トルク51・8kgm。ひと昔前のスーパースポーツ並みのトルクを誇るから、加速に迫力があるのは言わずもがなだ。4WDシステムのおかげでゼロダッシュも素早く、100km/hまでわずか4.5秒で達する。パフォーマンスの高さだけではなく、直列6気筒ならではのなめらかな回転上昇フィール、低回転域からターボの過給圧が素早く立ち上がることによるドライバビリティのよさも際立っている。エンジンが気持ちいいと、もうそれだけでドライブが楽しくなり、もっと遠くまで走っていきたくなってしまう。
 そういった要望に、シャシーのほうも応えてくれるだけの懐の深さがあった。セダンのM340i xDriveは、スポーティな反面、乗り心地には硬さがあった。それが、M440i xDriveは、驚くほどしなやかで快適なのだ。特にリアまわりの剛性感が高く感じられ、引き締まったサスペンションをスムーズにストロークさせている感覚が強い。ロールやピッチングはかなり抑えられてはいるが、無用な硬さを感じさせないのが巧みだ。
 3シリーズも従来よりスポーティになっていたが、4シリーズは全高が低く、重心高が21mmほど低くなった恩恵もあってさらにいい。ステアリング操作に対する反応はダイレクトで正確性が高い。それでいてロール感なしにノーズがインに向いていくかといえば、そうでもなく、初期はスッと外側が沈み込んでタイヤががっちりと路面に食い込んでいくというコーナリングのプロセスがわかりやすい特性になっている。だから速さとともに運転が上手になったような感覚が得られていてこの上なく気持ちがいい。それほど飛ばさなくても、高速道路のランプなどちょっとしたコーナーでも楽しさがあるのもBMWハンドリングの真骨頂であり、それが濃厚に表現されていた。
 スポーティさを強調しながらも、洗練されていて上質な動的質感を持つ4シリーズクーペは、美しいフォルムにふさわしい大人っぽい乗り味だ。

Profile
自動車ジャーナリスト

石井昌道
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転にも参加する自動車ジャーナリスト。幅広い視野と知見で的確にレポートする。

M440i xDrive クーペ

 8シリーズに続き投入された新世代のクーペモデル。3シリーズの基本設計を用いながら、さらに運動性能を磨き上げた。Mパフォーマンスモデルである「M440i xDrive」のほか、最高出力184馬力の2L直4ターボを搭載する「420i」と「420i Mスポーツ」をラインアップ。運転支援技術は3シリーズ同様、最新世代を採用する。

BMW M440i xDrive クーペ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4775×1850×1395mm ●ホイールベース:2850mm ●車両重量:1740kg ●エンジン:直6DOHCターボ ●排気量:2997cc ●最高出力:387ps/5800rpm ●最大トルク:51.0kgm/1800-5000rpm ●新車価格帯:577万円~1025万円(4シリーズ)

エンジンキャリアやその接続部にまでアルミ素材を用いて高剛性と軽量化を両立。3L直6ターボの最高出力は387馬力と強力。

3シリーズに対してサスペンション取り付け部やアンダーフレームを強化。M440iには、電制サスやスポーツブレーキが標準装備となる。

M235i xDrive グラン クーペ

 プレミアムコンパクトクラスとして、BMWの領域とファンを広げてきた2シリーズに、新たに追加された4ドアクーペモデル。M235i xDrive グラン クーペは、シリーズ最上位にあたるハイパフォーマンス仕様で、最高出力は300馬力オーバー。4WDと相まって速さは文句なし。

BMW M235i xDrive グラン クーペ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4540×1800×1430mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1590kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1998cc ●最高出力:306ps/5000rpm ●最大トルク:45.9kgm/1750-4500rpm ●新車価格帯:369万円~665万円(2シリーズ グラン クーペ)

さらに洗練された大人のビジネスエクスプレス[5シリーズ]

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


クルマ本来の実力が問われるセダンは、ブランドの実力が現れる。マイナーチェンジを受け新しくなった5シリーズには、BMWだからこそ可能になる、洗練された大人の世界があった。

マイナーチェンジで先進装備をアップデート

 ショーファーとしての側面が強い7シリーズを除けば、セダン/ツーリングの最上位となる5シリーズ。最も高級で贅沢なドライバーズカーであり、それだけにビジネスエクスプレスとしての需要も多い。
 その5シリーズの現行モデルは2017年に登場した7代目だが、2020年9月にビッグマイナーチェンジ。キドニーグリルはワイドで一体型となり立体感も増しているが、4シリーズほど強調しているわけではなく、あくまで上品でエレガント。L字型のLEDでBMW伝統の4灯ヘッドライトを表現しているのもスマートでスポーティだ。
 装備面では高精度3眼カメラ&レーダーの採用によってハンズ・オフ機能付き渋滞支援機能が全車標準装備となり、ステアリングから手を離しての走行が可能になったことがまずトピック。3シリーズから始まったハンズ・オフは、着々と広がっているのだ。もうひとつのニュースは、キーを持っていなくてもiPhoneをドアハンドルにかざすことでロックの解除・施錠、さらにエンジン始動まで可能なデジタルキーが標準装備されたこと。家族などのiPhoneにもキー機能を送信して使うこともできるというから便利。家族間でのキーのやりとりなどから解放されるのもいい。
 パワートレインは、2L直列4気筒ガソリン・ターボが523i用と530i用の2種類、540iの3L直列6気筒ガソリンターボ、M550iの4.4LV型8気筒ガソリンターボ、523dの2L直列4気筒ディーゼル・ターボ、そしてプラグインハイブリッドと多岐にわたるラインアップを取りそろえている。
 今回は530i Luxuryに試乗したが、動力性能に不満はない。BMWのガソリン・エンジンはディーゼル並みに低回転域のトルクが太く、しかも爽快な回転上昇感もあるから気持ちもいい。ロングドライブや多人数乗車の頻度が多くなければ、ディーゼルの優位性はさほどないように思える。車体の静粛性が高いこともあって、エンジン回転を高めても不快さはないからだ。過剰なパワーはないが、上品なフィーリングにむしろ好感が持てるほど。
 シャシー性能も上品だった。ランフラットタイヤを装着しているものの、その硬さはほとんど感じず、アダプティブダンパーのおかげもあってか、乗り心地は快適そのもの。ワインディングロードをその気になって走れば、BMWらしいシュアで爽快なハンドリングが楽しめるが、3シリーズなどに比べると穏やかで優しさがあり、より素直な印象になる。歴代3シリーズでいえばE46にあった、懐の深い雰囲気なのだ。現行3シリーズのスポーツセダン然とした乗り味も魅力だが、BMWの高いシャシーテクノロジーを快適方向に振った5シリーズにもまた感銘を受ける。まさに、大人のビジネスエクスプレスとしてふさわしい特性が実現されているのだ。
 正統派のセダンとしてバランスがよく、シンプルモダンにまとめられたスタイリングに快適志向の乗り味。もしも手に入れたら長い付き合いになるだろう。新型5シリーズはそんな素敵な予感がするモデルに仕上がっている。

530i ラグジュアリー

 530iはラインアップの上級モデルにあたり、最高出力252馬力のハイパワー版直4ガソリンターボを搭載する。マイナーチェンジでコネクティッドの機能が大きく進化し、液晶モニターも大型化。スマートフォンとの連携も強化され、事前に検索した目的地を車両に送信することも可能になった。

BMW 530i ラグジュアリー(8速AT) ●全長×全幅×全高:4975×1870×1465mm ●ホイールベース:2980mm ●車両重量:1690kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1998cc ●最高出力:252ps/5200rpm ●最大トルク:35.7kgm/1450-4800rpm ●新車価格帯:678万円~1319万円(5シリーズ セダン)

ハンズオフ対応の渋滞運転支援機能を装備。自然対話式音声入力のインテリジェント・パーソナル・アシスタントを採用。

540i xDrive ツーリング Mスポーツ

 ツーリングの改良では、ラゲージ・コンパートメント・パッケージの初採用がトピック。後席背もたれの角度が調整式になり、箱状の荷物を積載する際により空間を効率的に使えるようになった。また、リアにエアサスを採用することで、自動で車高を調整する機能も備わる。

BMW 540i xDrive ツーリング Mスポーツ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4975×1870×1500mm ●ホイールベース:2975mm ●車両重量:1900kg ●エンジン:直6DOHCターボ ●排気量:2997cc ●最高出力:340ps/5500rpm ●最大トルク:45.9kgm/1500-5200rpm ●新車価格帯:749万円~1142万円(5シリーズ ツーリング)

BMWグループが電動化戦略を発表[E-MOBILITY]

文●ユニット・コンパス 写真●BMW
2020年11月、BMWは、「#NEXTGen」にて、ニューモデル「iX」を発表した。 これは、「Vision iNEXT」の市販版であり、BMWの今後の電動化戦略を占う意味でも重要な存在となる。

7年ぶりとなる「i」のニューモデルが登場

 純粋なガソリンエンジンの販売終了まで、カウントダウンが始まった。
 日本を含む先進各国が、2030年代にガソリンエンジンのみの新車販売を禁止する方向感を打ち出し、ますます電気自動車をめぐる動きが活発になっている。冷静にその内容を見極めると、「電動化」にはハイブリッドも含まれているため、必ずしもエンジンの終焉とはならないが、電動化が当たり前となる時代に、BMWがどのような駆け抜ける歓びを提供するのかは、非常に興味深い。
 ジャーマンスリーのなかで、「エンジン屋」とその個性を表現された時代もあったBMWだが、電動化に対するアプローチは、非常にスピーディであった。2013年には、サブブランド「BMW i」を通じて、BEVであるi3とプラグインハイブリッドのi8を市販化。電動化のキーテクノロジーである電気モーター、リチウムイオン電池、そしてエネルギーマネジメントシステムを磨き上げてきた。
 BMWは、2020年11月に量産開発段階にあるニューモデル「iX」を公開した。SAVのBEVとしては同年7月に「iX3」を発表済みで、日本市場にも2021年に投入されるとしていたが、iXは、それとは異なるまったくのブランニューモデル。ボディサイズは全長と全幅がX5に近いが、「iX5」とされなかったのにも当然理由がある。
 それは、X3のBEV版であるiX3に対して、iXが電気自動車としてゼロから設計されたモデルであるから。つまり、iXは、「BMW i」にとって7年ぶりとなるニューモデルなのだ。リアクォーターの造形を見れば、i3と関連付けられたデザインであることに気がつくはずだ。
 BMWは、2030年までにニューモデルの半数をBEVまたはプラグインハイブリッド車にする見通しを発表しているが、その電動化戦略は、既存モデルの電動化と電動化ネイティブモデルによる二正面作戦にて遂行されることになる。どちらがメインになるのか、それは、マーケットの反応次第ということだろう。
 そしてミュンヘンでは、iXなどに搭載される第5世代BMW eDriveテクノロジーの、さらに次世代を見据えた研究も行われている。 電動化、自動運転、コネクティッド。BMWは、変化を恐れず、我々の想像を遥かに超えるスピードで進化を続けているのだ。

ミュンヘンにあるテストベンチで実験中の次世代バッテリーセル。電気のみを動力源にしながら、BMWらしい走行性能と航続距離を両立させるというのが目標。生産工程においても脱CO2は徹底されている。

航続可能距離は600km以上電動化技術を凝縮した「iX」

 第5世代のeDriveテクノロジーを搭載する「iX」。最高出力は500馬力以上を発揮するパワフルさでありながらも、航続距離は600km以上(WLTPモード)を誇る。さらに、最大出力200kWの急速充電に対応し、40分以内で総容量の80%まで充電可能だという。
 「BMW i」は、グループにおける「未来のワークショップ」としての立ち位置であるため、iXはデザインにおいても革新的で、キドニーグリルには運転支援のためのカメラやセンサー類を内蔵。LEDを使った灯火類は、歴代モデルで最も薄いという。

フレームレスのドアウインドウや分割ジョイントがないテールゲートなど、シンプルかつクリーンな面構成とするべく工夫が盛り込まれている。当然これは空気抵抗率の低減にもつながっていて、Cd値は0.25と発表されている。

完全新開発となったインテリアアーキテクチャーはiXの大きな見どころ。ダッシュボードは非常にスリムで、センタートンネルがないため足もとスペースも広々としている。

電動化を推進するための投資を拡大

 BMWグループは電動化に対応するための研究開発に、2025年までに300億ユーロ(約3兆7800億円)以上を投資すると発表している。2023年までに25車種の電動化モデルを発表予定で、その半分以上がBEVとなる。

BMW流エレガントを極める孤高のV12モデル[LUXURY OF BMW]

BMW M760Li xDrive 新車価格:2582万円

文と写真●ユニット・コンパス

BMWブランドの魅力は、スポーティさと上質さを兼ね備えていること。ラインアップで唯一、V12エンジンを搭載する7シリーズの頂上モデルを紹介。

7シリーズに表現されるBMW流ラグジュアリー

 ドイツと日本には、クラフトマンシップに強いこだわりを持つという共通点がある。磨き上げた感性を卓越した技術で実現する、そんな職人に対する理解とリスペクトが、両国には共通するのだろう。 BMWのイメージといえば、スポーティというのが代表的なものだろうが、近年では、ラグジュアリークラスにも力を入れている。2019年にはフラッグシップにあたる8シリーズとX7がニューモデルとして登場。同時にマイナーチェンジを受けた7シリーズも日本に導入し、ラグジュアリーセグメントを一気に拡充させた。
 さらにその世界観を広げるべく、2020年8月には、漆芸家の岡田紫峰氏が内装を手掛けた「8シリーズ グラン クーペ KYOTO EDITION」を発表。この日本発の取り組みはドイツ本国からも非常に高い評価を得たという。
 セダンの頂点であるM760Li xDriveには、その存在にふさわしいパワートレイン・V12ツインターボエンジンが搭載されている。地の底から湧いてくるような力強く止まるところを知らないパワー、圧倒的なまでのスムーズさは、操る喜びとラグジュアリーを究極的にバランスさせたものであった。
 外装にもとびきりの職人技が施されていた。特別塗装色であるピュアメタルシルバーは、驚くべきことに熟練した職人が手作業にて塗装を行うものだという。金属の塊のような美しい塗装面は、クラフトマンシップが生み出した究極のエレガンスだ。

現在のBMWで最も排気量が大きく、気筒数が多い6.6LV12ツインターボエンジン。最高出力は609馬力、最大トルクは86.7kgmと途方もないポテンシャル。どのような状況でも、余裕ある表情を変えない。

2019年の改良で高速道路における渋滞時にハンズオフ機能付き渋滞運転支援システムを搭載。素材の豪華さだけでなく、機能面や安全性についても、BMWの最先端を行く内容となっている。

自分自身でステアリングを握るドライバーズカーであると同時に、ショーファードリブンとしての役割も十二分に果たしてくれる。たとえワインディングであっても後席での乗り心地は上質であった。

次世代BMWはこうして作られる[BEHIND THE SCENES OF DEVELOPMENT]

文●ユニット・コンパス 写真●BMW

BMWがミュンヘンで建設していた運転シミュレーションセンターが完成。実験室で公道を再現するシミュレーション技術が、次世代開発を加速させる。

シミュレーション技術が開発速度を加速させる

 100年に一度の転換期を迎えている自動車の世界。パワートレインの電動化はもちろんのこと、自動運転に代表される運転支援技術やインフォテインメント技術は、もの凄いスピードで進化を続けている。
 そうした状況に対応するべく、BMWではシミュレーターを含めた仮想現実に多大な投資を行い、開発のスピードアップとコスト低減に取り組んでいる。BMWによれば、14台のシミュレーターとユーザビリティ・ラボを有する施設は、自動車業界全体を見渡しても、先進的かつ多様性に富んでいると胸を張る。
 シミュレーション技術が最も活躍するのが自動運転の分野。リスクを伴う道路状況やリアルワールドではテストが難しいシチュエーションを何度でも、シナリオを変化させながら再現できるからだ。こうして仮想空間でのテストを重ねることで、路上テスト前の準備が徹底できるようになったとBMWは強調する。
 市場ニーズへの対応にもシミュレーションを使った開発は貢献する。かつて3、5、7しかなかったモデルラインアップが、現在では20を超えるようになったのも、シミュレーション技術のたまものだ。
 もちろんBMWらしさの強化にもシミュレーションは活躍している。たとえばサスペンションの開発。従来のテスト車両を使った実験では、セッティングを変えるごとにクルマを分解し組み立てる必要があったが、仮想空間であれば、わずか数秒で作業は完了。天候や路面状況もシームレスに変化させることが可能だ。

11400平方メートルの敷地に、静的なシミュレーターから油圧を使った動的なものまで多彩なシミュレーターを設置。インフォテインメントから自動運転まで、あらゆる領域の製品開発に活躍している。

車両のコンセプト開発やプロトタイプのエンジニアリングにAR(拡張現実)アプリケーションを導入。CADデータと組み合わせることで、生産段階までのプロセスを12カ月も短縮できるようになったという。

BMWのクーペに乗る[USED CAR SELECTION]

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格、物件相場はグーネット2020年12月調べ。 ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


所有欲を刺激するクーペは、いつの時代もクルマ好きの憧れ。BMWは中古車でも魅力的なクーペが揃うから予算や用途に応じて幅広い選択肢が存在する。ここではオススメのBMWクーペと相場動向をご紹介しよう。

[4シリーズ クーペ(先代)]新車時の半額以下の予算でもねらえる

 BMWのスタンダードなクーペといえば4シリーズ。以前は3シリーズクーペと呼ばれていたが、13年9月のフルモデルチェンジを機に「4シリーズ」という独立したネーミングが与えられた。3シリーズよりも低められた車高は、見惚れるほど美しい。ボディタイプは、クーペ、カブリオレのほか、新たに4ドアのグラン クーペが加わったのも注目点だ。
 最初に紹介するのは、基本となる2ドアクーペ。エンジンは2L直4ターボと3L直6ターボが設定され、全車8速ATが組み合わされる。
 中古車は、グラン クーペと比べると物件数は少なめだが、それでも十分な量が流通。特に14年~16年式がボリュームゾーンとなっている。平均価格は、前期型では200万円台後半で、新車時の半額以下。かなり手頃な価格で買えるようになった。
中古車参考価格帯:190万円~480万円(13年~20年 ※全グレード)

グレード別物件比率

 グレード別(クーペ)の中古車物件比率を調査すると、意外にも高性能版「M4」が最も多い結果となった。よりスポーティな走りを望むユーザーが多いことの証。逆に、上級グレード「435i」などは全体の1割程度にとどまる。

2ドアクーペとはいえ、リアシートはそれなりのスペースが確保されている。撮影車の赤いレザーシートは、プレミアムクーペであることを物語っている。走りの予感を抱かせるデザインだ。

写真は最上級グレードの「435iクーペ」。縦置き3L直6ターボが搭載され、最高出力306馬力/最大トルク40.8kgmを発揮。6気筒ならではの気持ちよい走りを楽しむことができる。

[4シリーズ グラン クーペ]実用性を考慮するなら4ドアは欠かせない

 ボディタイプ別の物件数で最も豊富なのがグラン クーペ。シルエットはクーペだが、4ドアを持つので後席へのアクセスは良好で、その実用性の高さが人気の秘訣である。また、2ドアでは選べない4WDが選べるのも魅力。グレードの大半は「420i」で、相場は2ドアよりも高めの315万円となっている。
中古車参考価格帯:190万円~450万円(14年~20年 ※全グレード)

[4シリーズ カブリオレ]快適なリトラクタブル・ハードトップ

 BMWは伝統的にカブリオレを生産しているが、先代4シリーズにも当初から用意されていた。折りたたみ式のリトラクタブル・ハードトップを備え、防犯面でも安心だし、なによりクローズド状態でも快適性が高い。ただし、中古車はあまり流通しておらず、平均価格は415万円とやや高め。
中古車参考価格帯:340万円~530万円(13年~20年 ※全グレード)

[M4(先代)]サーキットでも楽しめるリアルスポーツ

 中古車物件が意外と豊富なのがM4。ボディタイプはクーペのほか、カブリオレも選べる。搭載エンジンは3L直6ターボだが、最高出力は431馬力、上級モデル「コンペティション」では450馬力に達する。新車時は1000万円オーバーだったが、登場から6年が経過し500万円台の物件も増えている。
中古車参考価格帯:490万円~870万円(14年~20年 ※全グレード)

[6シリーズ グラン クーペ(先代)]エレガントな佇まいの4ドアクーペ

 先代6シリーズのなかで、最も人気が高いのは4ドアのグラン クーペ。このジャンルはメルセデス・ベンツCLSやアウディA7などのライバルが多いなか、6シリーズはBMWらしいハンドリングと上質な内外装でアピールしていた。ほかのボディタイプよりも中古車が多く、買いやすいのが魅力。3L直6ターボ(640i)と4.4LV8(650i)から選べるが、物件の大半は前者。その中古車平均価格は350万円と、新車当時から大幅に安くなっている。
中古車参考価格帯:250万円~650万円(12年~19年 ※M6を除く全グレード)

撮影車はタンとホワイトを組み合わせた巧みなインテリアデザイン。全長は5mを超えるため、後席にも大人がゆとりを持って座れるスペースがある。

荷室側面に張り出しがあるものの、セダンとして使える懐の深さがある。ゴルフバッグをひとつ積み込むことが可能。

写真は3L直6ターボを搭載した「640i」。最高出力320馬力/最大トルク45.9kgを発揮。トランスミッションは8速AT。

[6シリーズ クーペ(先代)]パーソナル性を重視するならこちら

 6シリーズは、やはり2ドアが本流……と考えるなら伝統的なクーペという選択もあり。物件数は控えめだが、相場はグラン クーペよりも低め。こちらも直6ターボ(640i)とV8ターボ(650i)の2グレードで展開されるが、前者のほうが物件が豊富。200万円台前半の予算から探せる。
中古車参考価格帯:200万円~440万円(11年~19年 ※M6を除く全グレード)

[6シリーズ カブリオレ(先代)]ソフトトップを持つ高級オープンカー

 大型カブリオレのなかでも、6シリーズは手頃な価格で探せる貴重なモデル。最近は電動格納式ハードトップを備えたモデルも目立つが、6シリーズカブリオレは伝統的なソフトトップを採用する。エンジン構成はクーペと同じだが、物件比率は直6ターボとV8ターボで同程度。クーペよりやや高め。
中古車参考価格帯:310万円~550万円(11年~19年 ※M6を除く全グレード)

[2シリーズ クーペ(先代)]200万円台の予算で探せるコンパクトクーペ

 最近のBMW製クーペとして最も小型なのが2シリーズクーペ。そのボディサイズと軽さを活かした軽快な走りが魅力。なかでも人気かつ物件数が豊富なのが「M235i(後にM240iに変更)」。6速MTを選ぶこともでき、スポーツクーペとして非常に魅力的な選択肢。「220i」なら180万円、「M235i」なら220万円の予算から探せるだろう。
中古車参考価格帯:180万円~540万円(14年~20年 ※M2を除く全グレード)

コンパクトなボディのため、リアシートはやや窮屈。しかし2人乗りと割り切って使えば、実用性は意外と高い。撮影車は赤いスポーツシートを採用し、走りの情熱を感じさせる。

SUVクーペという新しい選択肢

[X4(先代)]スタイリッシュなミドルクラスSUV

 X3をベースとしながらクーペルックな外観を持つX4は、BMWらしい精緻な運動性を持つ。まさにSUVとクーペのいいとこ取りで、高い実用性も自慢。生産期間は4年と短いため、物件数はそれほど多くない。相場は極端な値下がりはしていないが、300万円台前半の予算があれば十分探せるだろう。
中古車参考価格帯:290万円~470万円(14年~18年 ※全グレード)

[X6(先代)]大胆な走りっぷりはBMWそのもの

 BMWのSUVクーペは、X2、X4、X6と豊富にあるが、一番最初に登場したのがX6。ここで紹介するのは2014年にデビューした2代目で、「Mスポーツ」などのスポーティな仕様も選べる。中古車はやや少なめだが、3年落ちで400万円を切る物件も目立つなど、以前に比べて買いやすくなった。
中古車参考価格帯:370万円~720万円(14年~19年 ※Mを除く全グレード)

グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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