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更新日:2020.12.24 / 掲載日:2020.09.04

メルセデス・ベンツ特集/王道ブランドの今を探る「メルセデス・ベンツの世界」

VISUAL MODEL : MERCEDES-BENZ GLA

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年10月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

2020年は全世界がコロナ禍による想定外の打撃を受け、自動車メーカーもさまざまな困難と調整を余儀なくされている。そんな状況下だが、メルセデス・ベンツは2代目GLAと新型となるGLBを無事に日本へ上陸させ、見事にSUVのラインアップを完成させた。いまや、これ抜きにクルマは語れないほどの人気を誇るSUV。今回は完成したフルラインアップを通して最新メルセデスの世界を紹介したい。

フルモデルチェンジしたGLAと、新登場のGLBは早くもブームの予感!

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


上陸前から 「これは売れそうだ!」と話題になっていた2代目GLAと新たに登場したGLB。同時発表というのもめずらしいが、編集部でもコロナ禍という状況下、なんとか取材を行うことができた。その印象は極めてよし! モータージャーナリストの石井昌道氏に報告してもらおう。

  • メルセデス・ベンツ GLA

  • メルセデス・ベンツ GLB

動的質感はさすがプレミアムカー

 コンパクトからフラッグシップ級まで、あらゆるカテゴリーでSUVが増殖しているが、メルセデスもまた新たなモデルを投入してきた。エンジン横置きFFプラットフォームであるMFA2を採用したGLBがそれ。フルモデルチェンジを受けて2代目となったGLAとの同時上陸ということもあって注目を集めている。
 GLAは先代モデルに比べると全長は15mm短いがホイールベースは30mm延長され、全幅は30mm増。取りまわし性などはほぼ変わらないサイズながら居住性が高まっている。大きな違いは全高で115mmも高くなった。都会的に洗練された雰囲気は先代同様ながら、SUVらしさを増したのだ。一方のGLBはホイールベースを対GLAで100mm延長され、このクラスではめずらしい3列シートを採用。全幅はGLAと同様ながら全高はさらに高い1700mmとなり、ボクシーなスタイルもあいまって機能的で悪路走破性も高そうなSUV然とした佇まいが魅力だ。
 GLAは全高が高くなってはいるものの、走らせてみるとそれによるネガはまったくない。さすがは新世代のプラットフォームでポテンシャルが高いからか、SUVらしからぬ俊敏性と落ち着きのある快適性が絶妙にバランスした乗り味なのだ。
 現在用意されるエンジンは2Lディーゼルのみだが、SUVとのマッチングは相変わらずいい。32.6kgmのトルクは十分以上でGLAを軽やかに走らせる。トランスミッションは8速のDCT。発進や低速域でのマナー、ドライバビリティなどもDCTとしては最良の部類であり、コンパクトといえどもさすがはプレミアムカーだといえる動的質感を持っている。音・振動についても秀逸で、言われなければディーゼルと気づかないほどだ。
 GLBはさほど俊敏とはいえないが、乗り心地のよさが光っていた。ちょっと大きめのクルーザーのようにゆったりとした動きが心地よく、高速道路ではロングホイールベースのおかげで高い直進安定性を保つ。メルセデスにはコンフォートを期待するユーザーも少なくないだろうが、そこにジャストミートであり、FF系のなかでもっとも上質だ。こちらはガソリンの2Lターボを搭載していたが、ハイスペックな250なのでトルクはディーゼルを超える35.7kgmでパワーは224馬力と強力。低速域ではディーゼルと同等以上に頼もしく、アクセルを深く踏み込めばエンジンが気持ちよく吹き上がってガソリンならではの爽快感が得られる。
 見事にキャラクターが分かれているGLAとGLBだが、共通しているのは走りの質が高く、もはやアーキテクチャーがFF系かFR系かなどと論じるのがバカらしく思えるほどによくできていることだ。インテリアのクオリティの高さ、ハイスペックかつ使い勝手でもナンバーワンの先進運転支援システム、MBUXのおもしろさなども含め、早くもブームの予感が大! 今のところGLAは200d 4MATICが502万円。GLBは200dのFFは512万円~540万円だが、250 4MATICは696万円へと跳ね上がる。この選択はなかなか悩ましいのだ。

Profile
モータージャーナリスト

石井昌道
ジャンルを問わず幅広い執筆活動を展開しているモータージャーナリスト。近年では、自動運転の分野で政府の戦略的イノベーション創造プログラムにも参加している。

icon メルセデス・ベンツ GLA

上級クラスと変わらぬ装備と上質感!
 2014年に日本導入された初代モデルはコンパクトSUV人気ともあいまって大ヒット。都市生活車の洒落たアシというイメージが定着した。2代目はそのコンセプトを受け継ぎながら、少し背が高くなって室内空間の広々感、SUVとしての機能性などが向上。上級クラスと変わらないインテリアの装備、質感などはライバルを圧倒する内容を誇る。

メルセデス・ベンツ GLA 200 d 4MATIC(8速AT・DCT) ●全長×全幅×全高:4415×1835×1620mm ●ホイールベース:2730mm ●車両重量:1710kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1949cc ●最高出力:150ps /3400-4400rpm ●最大トルク:32.6kgm/1400-3200rpm ●新車価格:502万円

icon メルセデス・ベンツ GLB

コンパクトクラスながら3列シートを備える!
 新規車種として加わったGLB。クロスオーバーSUVはクーペ風などスタイリッシュ系とクロカン寄りの逞しい系に分かれ、最近は後者が人気。GLBはそこにばっちりとはまる。本格SUVでいて3列シートが用意されていることもあり、引く手あまたになるのは間違いない。流行に関係なく息の長い人気を保つだろう。

メルセデス・ベンツ GLB 250 4MATIC スポーツ(8速AT・DCT) ●全長×全幅×全高:4650×1845×1700mm ●ホイールベース:2830mm ●車両重量:1760kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1991cc ●最高出力:224ps /5500rpm ●最大トルク:35.7kgm/1800-4000rpm ●新車価格帯:512万円~696万円(全グレード)

メルセデスSUVは、いま充実のフルラインアップ

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


コンパクトなGLAからフルサイズのGLS、さらには電気自動車のEQCと、いまメルセデスのSUVは選り取りみどり! それぞれのポイントを説明しよう。

icon メルセデス・ベンツ GLC

メルセデスの定番SUVは全方位隙なし!
 日本の都市部で使うならジャストサイズ。GLAやGLBなどのFF系も大きく進化しているが、やはりFR系は上質感でさらに上。最新世代のディーゼルエンジンは信じられないぐらい静か。エアサスペンション装着車の乗り心地のよさも驚異的だ。ライバルのBMW X3とともに日本における高級クロスオーバーの定番といえる。

メルセデス・ベンツ GLC 220 d 4MATIC(9速AT) ●全長×全幅×全高:4670×1890×1645mm ●ホイールベース:2875mm ●車両重量:1860kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1949cc ●最高出力:194ps /3800rpm ●最大トルク:40.8kgm/1600-2800rpm ●新車価格帯:700万円~819万円(AMGを除く、全グレード)

icon メルセデス・ベンツ GLE

ゆとりのサイズとゆとりの走りを望むなら!
 メルセデスのクロスオーバーSUVはMクラスが源流であり、それを引き継いでいるGLE。まさに中核モデルなのだが、全幅1950~2020mmとなると日本では選択できるユーザーは絞られるだろう。注目は久々に復活した直列6気筒のディーゼルエンジン。驚くほど静かで振動が少なく、感動すら覚えるユニットといえる。

メルセデス・ベンツ GLE 300 d 4MATIC(9速AT) ●全長×全幅×全高:4930×1950×1770mm ●ホイールベース:2995mm ●車両重量:2290kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1949cc ●最高出力:245ps /4200rpm ●最大トルク:51.0kgm/1600-2400rpm ●新車価格帯:954万円~1170万円(AMGを除く、全グレード)

icon メルセデス・ベンツ GLS

巨体にもかかわらず、じつにやさしい乗り心地!
 全長5220×2030×1825mmの堂々たる体躯のGLS。セダンのSクラスと並ぶフラッグシップで背も高いから存在感は抜群に高い。乗り心地はメルセデスのなかでも最良。全長およびホイールベースが長いことと、2.5tを超える車両重量がいい影響をもたらし、豪華なクルーザーのようにゆったりとした落ち着いた動きなのだ。

メルセデス・ベンツ GLS 400 d 4MATIC(9速AT) ●全長×全幅×全高:5210×1955×1825mm ●ホイールベース:3135mm ●エンジン:直6DOHCターボ ●排気量:2924cc ●最高出力:330ps /3600-4200rpm ●最大トルク:71.4kgm/1200-3200rpm ●新車価格帯:1263万円~1669万円(AMGを除く、全グレード)

icon メルセデス・ベンツ EQC

電動化技術の実力を垣間見れる1台!
 メルセデス・ベンツ ブランドとしては初のBEV(電気自動車)。GLCをベースとしているので取りまわし性なども都市部向きだ。バッテリー容量は80kWhと大きく、航続距離は400kmだからそれほどストレスなく使えるだろう。音・振動がほぼ皆無でトルクに優れたBEV特有の乗り味はブランドイメージにぴったりだ。

メルセデス・ベンツ EQC 400 4MATIC ●全長×全幅×全高:4770×1925×1625mm ●車両重量:2500kg ●バッテリー容量:80kWh ●最高出力:408ps /4160rpm ●最大トルク:78.0kgm/0-3560rpm ●新車価格:1080万円

icon メルセデス・ベンツ Gクラス

より洗練されて生まれ変わった新型!
 軍用車をルーツに持つ本格クロカンのGクラスは、約40年ぶりにモデルチェンジ。それでもラダーフレーム構造を持ち、悪路走破性では世界最高峰を誇るのは相変わらずだ。オンロードでの乗り心地やハンドリングが大幅に進化しているのがユーザーにとってうれしいところ。見た目のイメージよりはコンパクトで扱いやすい。

メルセデス・ベンツ G 350 d(9速AT) ●全長×全幅×全高:4660×1930×1975mm ●ホイールベース:2890mm ●車両重量:2460kg ●エンジン:直6DOHCターボ ●排気量:2924cc ●最高出力:286ps /3400-4600rpm ●最大トルク:61.2kgm/1200-3200rpm ●新車価格帯:1237万円~1685万円(AMGを除く、全グレード)

メルセデス・ベンツの電動化戦略の今[2030年に半数が電動化モデルになる]

文●ユニット・コンパス 写真●メルセデス・ベンツ
コンパクトカーからスーパースポーツカーまで、ありとあらゆる自動車を販売しているメルセデス。そんな巨人が電動化にどのように立ち向かうのか。ブランド初の電気自動車であるEQCに続くのは?今後登場するモデルの予想も交えて、メルセデスの電動化戦略の今をレポートする。

生産能力も増強してますます電動化を加速

 メルセデスは現在、着々と電動化の道程を歩み続けている。
 2018年9月に欧州でブランド初の電気自動車であるEQCを発表して以来、着々とラインアップの電動化モデルを増強。現在の計画では、2020年内に電気自動車(BEV)を5モデルにまで増やし、プラグインハイブリッド(PHV)については20モデルにまで拡大する予定だというから、そのスピード感と規模はトップクラスだ。
 さらにここから計画は加速し、ここ数年以内に10車種以上のBEVを投入することで、2030年までに乗用車販売の50%以上をBEVとPHVが占める見込みを立てている。
 BEVは、EQCとEQV(日本発売は未定)がすでに公開されている。続いて最も早く登場しそうなのが、コンパクトクロスオーバーのEQA(GLAベース)。残る2台は、すでにコンセプトカーが公開されているEQSと、EQAとの路上テストが目撃されているEQB(GLBベース)だと考えられる。
 カモフラージュ姿のテスト風景が公開されているEQAは、ご覧のとおりGLAとの共通性が高く、「EQ」ファミリーとしての特徴は、フロントとリアエンドに集中すると考えられる。こうしたある意味で代わり映えのなさは、メルセデスが電動化モデルを今後の主力と考えているからこそなのだろう。
 EQCのライドフィーリングが、ガソリンモデルのそれを上手にトレースしていたように、既存のユーザーが違和感なく電動化モデルに移行できるように、あくまでも「メルセデスらしさ」に注力しているのだ。
 当面の間主流になるであろうPHVの「EQパワー」モデルは、さらに自然なルックスに仕上げられている。左に最新作であるGLAやCLAクーペおよびシューティングブレークに追加された「EQパワー」モデルの写真を掲載しているが、GLAのリアフェンダーに電源ケーブルがなければ、これらが電動化車両であることを見抜くことは難しい。
 電動化を追求するメルセデス・ベンツの姿勢には、自らの生き残り戦略を超え、迫力にも似た強い決意を感じる。それはきっと、自動車を発明したブランドとしてのプライドと責任感がゆえなのだろう。

電動化戦略の柱となるPHV「EQ POWER」

「インテリジェント・ドライブ・システム・マネジメント」(写真右)という構想により、ナビのルートをも含めた車両トータルの制御で、エコ性能の向上を目指している。

 電動化戦略の大きな柱となっているのがPHV。メルセデスは、2020年内に欧州市場向けにPHVである「EQ POWER」を20車種以上に拡大するとアナウンス。MBUXとの連携で充電ステーションの位置を把握し、できるかぎりEV走行を行うルート案内を提供するなど、エコ性能を引き出すための工夫を行っている。

すでに開発車両の目撃情報もあったEQS

 2019年の東京モーターショーにも展示された大型セダンEVのコンセプトモデルであるヴィジョンEQS。すでにプロトタイプモデルによる公道走行試験も目撃されており、2021年の市販化が有力視されている。このセグメントにはポルシェ タイカンやアウディ e-tron GTといったライバルが存在。競争はますます激しくなる。

こちらは2020年2月にスウェーデンで行われた耐寒テストの模様。バッテリーのコンディションやエアコンの状態を注意深くチェックしたほか、雪上、氷上での走行安全性についても確認が行われたという。

F1テクノロジーによる電動ターボが市販間近

 電動化がもたらすのはエコだけではない。メルセデスAMGが開発中の電動ターボは、F1に使われている技術から生まれたもので、タービンにモーターを組み込んでいる。これにより全域でのレスポンスが大幅に向上。特にアクセルOFF時にもブースト圧が維持できるため、ドライバーは常にダイレクトな走行フィーリングを楽しめる。

2020年に欧州でデビューの新型Sクラスに搭載[新型SクラスからMBUX第2幕が始まる]

文●ユニット・コンパス 写真●メルセデス・ベンツ

自動車業界を牽引してきた先進的な「MBUX」がさらに進化する。メルセデスは、新型Sクラスが搭載する新型「MBUX」を公開。安全かつ快適な走行に必要な情報を高品質で表示するシステムだ。

注目はセンターに設置の大きな縦型ディスプレイ

 AI技術を用いた音声認識操作などその先進性が大きな話題となった「MBUX」が新しく進化する。
 第2世代の「MBUX」は、欧州で今年発表予定の新型Sクラスに搭載されることになっており、いち早くその内容が公開された。
 最大の変化は画面で、センターには12.8インチの縦型ディスプレイが設置され、司令塔のように、あらゆる機能をコントロール。さらに、AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイがドライバーを安全かつ快適に道案内する。
 また、乗員がクルマから降りようとする際に車両が近づくと、照明が赤く点滅して注意を促すなど、人間に寄り添った機能を提供。個人認証システムも進化し、個人設定をクラウド経由で共有できるようになる。

新型Sクラスに搭載予定の新しいインターフェース第2世代「MBUX」をデモンストレーションするために開発されたコンセプトモデル。有機ELディスプレイやAR技術を投入。

メーターは立体型グラフィックによる新しい表現方法や個人認証システムも採用。「ハイ、メルセデス」の音声認識操作は後席からも可能になった。

センターコンソールに設置される12.8インチの縦型有機ELディスプレイ。ナビに加えてシートの調整など車両操作も行える。

この秋、日本に導入される新型Eクラスには、最新バージョンのMBUXを搭載。音声認識やタッチ操作に加えて、手ぶりによっても一部操作が行えるようになる。ステアリングにはドライバー認識用のタッチセンサーも追加される。

タイヤがバーストしても負けない最強王者[書き換えられる伝説]

文●ユニット・コンパス 写真●メルセデス・ベンツ

我々は今、間違いなく伝説となるであろう最強のマシンとドライバーを目にしている。モータースポーツの最高峰F1で圧倒的な強さを見せつける、メルセデスAMGとハミルトンの最強タッグだ。

最終ラップで起きた信じられないドラマ

 強い、強すぎる。2014年シーズンからドライバーズ&コンストラクターズタイトルを6連覇。F1最強チームであることを誰もが認めるのが、「メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム」だ。
 8月2日に行われた第4戦イギリスGPの決勝レースは、上位チームのマシンが立て続けにタイヤトラブルで脱落していく激しい展開。そして最終周、2位のレッドブル・ホンダに30秒の差をつけてトップを快走していたハミルトンに、ついにレースの魔物が牙をむく。コースを半周ほど走ったところで、メルセデスの左フロントタイヤがバーストしたのだ。王者危うし!
 ところが、ハミルトンは冷静さを保ちながら驚異的なマシンコントロールで走り続ける。そして、3輪状態で最後まで首位を明け渡すことなくゴール。2位との差はわずか5.8秒まで縮まっていた。
 3輪状態での勝利は、70年におよぶF1の歴史でも初のことだという。

ハミルトンが提唱した人種差別と不平等への非難に取り組むべく、伝統のシルバーから一転、ブラックベースのカラーリングを採用した2020年シーズン仕様。

  • チームのエースであるルイス・ハミルトンは、2008年にF1史上最年少王者記録を打ち破って以来、通算6度のタイトルを獲得している絶対王者。

  • 2020年シーズンのF1セーフティカーに採用されたのはメルセデスAMGの「GT R」。ボディサイドの虹は、多様性に対する取り組みを象徴したデザインだ。

SUVを探しているならコレを買うべき!?[メルセデスSUV 特選5モデル]

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格、物件相場はグーネット2020年8月調べ。
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


新型GLAに続き、新たにGLBが登場したことでメルセデスSUVのラインアップがさらに拡充。今回は中古車としてねらうべき5モデルを紹介し、相場動向を探っていきたい。

新車時の半額以下で買えるミドルSUV

 下はGLA、上はGLSまで幅広いラインアップを誇るメルセデスのSUV。しかし、どのモデルを選んだらよいか迷うこともあるはず。そこで今回は、中古車として買いやすいSUV5モデルをピックアップ。
 なかでも注目したいのはGLC。これはCクラスがベースのSUVだが、よりワイドになった全幅、ゆとりの全高でタフなイメージを獲得している。駆動方式はFR、4WDが選べるほか、エンジンはガソリン、ディーゼルを設定するなどバリエーションが豊富なことも見逃せない。
 登場から4年以上が経過し、300万円前後の物件も目立ってきた。新車時価格が600万円以上であることを考えると、かなりお買い得ゾーンにあるのは間違いない。物件数が豊富なことも魅力である。

icon メルセデス・ベンツ GLC

ダイナミックな走りはCクラス譲り
 GLCの魅力のひとつは、セダン顔負けの走行性能。SUVといえば車高の高さゆえコーナリングが苦手という一般的なイメージがあるが、GLCはしっかりした足まわりでコーナリングも得意。4WDならば雨の日の高速道路や雪道も安心の走りが楽しめる。中古車市場では、ガソリン、ディーゼルの割合はおよそ半々だ。
中古車参考価格帯:280万円~660万円(※16年~20年 クーペ、AMGを除く)

Cクラスと共通項の多いインテリアデザイン。しっかりしたシートのおかげで乗り心地も抜群。

エンジンは2L直4ターボ、2.2L直4ディーゼルターボなどから選べる。荷室の広さも十分だ。

エレガントなボディのGLCクーペにも注目

 GLCには、従来のSUVに加えクーペボディも存在する。ルーフからリアへのラインがエレガントだが、4ドアボディゆえ実用性は犠牲になっていない。中古車相場は標準のGLCと比べてやや高めで、物件数は少ない状況となっている。
中古車参考価格帯:370万円~760万円(※17年~20年 クーペのみ、AMGを除く)

icon メルセデス・ベンツ GLA(先代)

今後さらに値下がりが期待できる小型SUV
 立体駐車場にも収まるサイズの低車高が売りの先代GLA。一見すると5ドアハッチバックだが、ワイドフェンダーなどでSUVらしさをアピールする。先日フルモデルチェンジが行われ、先代モデルの相場は今後下がると見込まれる。現段階でも100万円台の物件が目立ってきた。2WDの「GLA 180」がリーズナブル。
中古車参考価格帯:150万円~420万円(※14年~20年 全グレード)

運転感覚はAクラスに近いが、室内の仕立てはカジュアルかつスポーティなデザインとなっている。

icon メルセデス・ベンツ Mクラス

200万円台の予算から探せるプレミアムSUV
 GLEの前身となるMクラスは、ゆとりあるボディサイズと力強い走りが魅力。最終型は2012年に発売されたが、2015年のマイナーチェンジでGLEと現在の名称に変更を受けている。ここでは改良前(Mクラス)の相場を示すが、200万円台の予算でも探すことが可能。ただし走行距離が伸びたものが多いので注意したい。
中古車参考価格帯:240万円~400万円(※12年~15年 AMGを除く)

8年前にデビューしたモデルだが、古さを感じさせない。全車2列シート5名乗車となっている。

無骨さのなかに秘められた機能美は先代Gクラスならでは

icon メルセデス・ベンツ G 350 d

物件が充実して買いやすいディーゼル
 長きにわたり販売されてきたGクラスだが、今最も入手しやすいのが「G 350 d」。3LV6ディーゼルターボを搭載し、245馬力/61.2kgmの出力およびトルクは十分。なによりJC08モード燃費10.3km/Lというのは、長く乗りたい人にはうれしい。2016年に登場したモデルだが、年式を考えると相場も手頃である。
中古車参考価格帯:640万円~1100万円(※16年~18年 G 350 dのみ)

窓が大きく、室内は明るい。最近のSUVとはひと味異なる開放感が楽しめる。インパネまわりはクラシックなデザインだが、細部が年々アップデートされてきた。

横開き式のゲートを採用。四角く、天地方向のゆとりもあるので、さまざまな物を積み込める。ドアの重厚な質感もGクラスならではだ。

日本限定ヘリテージエディションは特別仕立て

 撮影車は2018年に発表された「G 350 dヘリテージエディション」。ブラックのホイール、シートヒーター付き本革シート、専用プレートなどを装着。外装色は「プロフェッショナルブルー」。

icon メルセデス・ベンツ G 550

上級グレードだが相場はディーゼルよりも低い
 2009年に登場したG 550は、当初5.5LV8エンジンを搭載。2015年には4LV8ターボに変更され、性能が高められた。AMGを除けばGクラスの最上級モデルとなるが、中古車市場では低年式が多いため、前述のG 350 dよりも低めの予算で探せる。燃費性能はディーゼルが上だが、V8ならではの力強い走りが大きな魅力。
中古車参考価格帯:520万円~790万円(※09年~18年 G 550のみ)

icon メルセデス・ベンツ G 63 AMG

ハイパフォーマンスを味わえる最上級仕様
 AMGが開発した専用エンジンが与えられたハイパフォーマンスモデルがG 63 AMG。最高出力が544馬力(後に571馬力にアップ)の5.5LV8ターボが積まれ、オフローダーとしてはトップクラスの動力性能を持つ。ほかのグレードと比べて物件数は控えめだが、今でも十分探せる。予算は1000万円前後を見積もりたい。
中古車参考価格帯:790万円~1250万円(※12年~18年 G 63 AMGのみ)

icon メルセデス・ベンツ GLクラス

メルセデスSUVのフラッグシップ
 最もサイズが大きいメルセデスSUVがGLクラス。全長5125mm、全幅1935mm、全高1850mm(2013年モデルのGL 550 4MATIC)で、室内には3列シートを備える。デビュー時の新車価格帯は1290万円~1750万円だったが、現在は300万円台後半の予算で購入可能に。ただし物件数が控えめなので、じっくり探そう。
中古車参考価格帯:380万円~700万円(※13年~16年 全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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