輸入車
更新日:2019.11.04 / 掲載日:2019.11.04

BMW M/ガイド・オブ・ザ・ハイパフォーマンスブランド vol.2

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2019年10月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年12月号の内容です)


高級、高性能を極めるハイパフォーマンス・ブランドに注目。歴史、ラインアップ、おすすめ中古車まで多角的な内容で紹介します。

モータースポーツで鍛え上げられた究極のドライビングマシン

レースで勝つためのスペシャリスト集団

 走行性能に優れる欧州車のなかでも、走りに強いこだわりを持ち、また評価が高いのがBMW。そのポテンシャルを最大限まで引き上げるのがBMWのサブブランド「M」だ。
 1972年、BMWのモータースポーツ活動を専門にするBMWモータースポーツ社(後のM社)が設立された。これが現在に続く「M」の始まりだ。そして76年にBMWは、一般顧客の技術向上を目的としたドライバースクールの運用に、モータースポーツ社が携わることとした。
 「人間とマシンはシステムとして一体であり、だからこそドライバーの能力向上にBMWモータースポーツ社は貢献する」。この考え方はドイツ本国では現在にも受け継がれ、トレーニングが開催されている。
 78年に初のMモデルであるM1の誕生に貢献したモータースポーツ社は、その後積極的に市販車の高性能モデルの開発にも携わっていく。
 そして86年にMモデルにとって契機となる名車が誕生する。ツーリングカーレースに参加するための条件となる年間5000台の生産台数をクリアするべく、初代3シリーズ(E30)をベースとした高性能バージョン、M3の開発を命じられたのだ。M3はレースで連戦連勝、タイトルを総なめ。ロードカーとしても2万台近くを販売するヒット作となった。
 現在でもM社はモータースポーツ関連の研究開発を行いながら、市販されるMモデルの開発を続けている。戦いの最前線で培った技術を市販モデルに惜しみなく注ぎ込むのだ。
 だからこそBMWのMモデルとそのドライバーは、いつまでも特別な存在であり続けている。

HISTORY

BMWの象徴となる存在M1

 Mモデルでもいまや伝説の存在となっているのが1978年に登場したM1。写真はアンディ・ウォーホールの手によるアートカー。

市販車レースでは勝利の常連

 市販車をベースにしたツーリングカー選手権に積極的に参戦。強豪としてシリーズを盛り上げ、BMW人気に拍車をかけた。

モータースポーツの頂点に挑戦

 F1にエンジンサプライヤーとして1982年から1988年、2000年から2005年参戦。2006年から2008年までBMWザウバーとして活動。

羊の皮を被った狼の誕生

 1974年にM社は初めて市販車をベースにした高性能モデルの開発に乗り出す。M1の登場で知名度が飛躍的に高まり、人気も加速した。

モータースポーツ直系のハイパフォーマンスモデルたち

 モータースポーツという戦う現場で技術を磨き上げてきたBMWが、そのテクノロジーを注入したのが「M」。なかでもMモデルは専用のエンジン、ボディ、サスペンションなどが与えられ、ベースとなった通常モデルとは一線を画するパフォーマンスとアピアランスを身につけている。近年では、Mモデルをより身近な存在にするMパフォーマンスモデルも登場している。

  • 初代M3はモータースポーツ参戦のためのモデルだったが、いまではXシリーズのようなSUVにもその幅を広げている。

  • メーカーが用意するアフターパーツとしてMパフォーマンスパーツも各モデル向けに用意。購入後の楽しみとしても人気だ。

BMW Mモデルの現行ラインアップ

Mモデル
BMWにおける走りの頂点となるのがMモデル。現在は2、3、4、5、8、X3、X4、X5、X6に設定されている。

Mパフォーマンスモデル
通常モデルにMのパフォーマンスを注入。Mモデルと通常モデルの間を埋める存在。1、2、3、7、8、X2、X3、X4、Z4に設定される。
Mスポーツ
通常モデルにパッケージオプションとして設定されるMスポーツ。Mモデルをイメージさせるスポーティな内外装が与えられている。

いまオススメの中古BMW M

M3

 世界的なスポーツセダンである3シリーズのスポーツイメージを牽引するのがこのM3。マッシブなフェンダーや専用ドアミラーといったディテールが「羊の皮を被った狼」であることを示す。
中古車参考価格帯:530万円~990万円(14年~19年 M3のみ)

M4

 美しきクーペボディを纏いMモデルの歴史を伝承した1台。3L直6ツインターボは最高出力431馬力を発揮。スピードに加えて乗り心地や扱いやすさも兼ね備えた高級スポーツカー。
中古車参考価格帯:530万円~1450万円(14年~19年 M4のみ)

M2

 全長4.5m弱のコンパクトなボディに370馬力を発生させる直6ツインターボを搭載したスポーツモデル。追加投入されたコンペティションは410馬力とさらに強力でルックスも磨きあげられる。
中古車参考価格帯:450万円~750万円(16年~19年 M2のみ)

M5(E60)

 当時参戦を計画していたF1との関連性を感じさせるシリーズ唯一のV10エンジンを搭載。500馬力の最高出力と自然吸気ならではの吹け上がりは絶品。低年式車ゆえにコンディションに注意。
中古車参考価格帯:200万円~380万円(04年~08年 M5のみ)

M3(E46)

 自然吸気の直6エンジンを搭載した最後のM3として現在でも高い人気を誇る。中心価格は300万円後半だが、写真のCLSはモデル末期に登場した限定モデルで700万円以上で取引されている。
中古車参考価格帯:210万円~400万円(00年~06年 M3のみ)

M3(E30)

 欧州ツーリングカー選手権に出場するレースカーのためのホモロゲーションモデルとして開発された初代M3。発売から40年あまりを経過しているため流通量は少なく、高値となっている。
中古車参考価格帯:400万円~550万円(85年~90年 M3のみ)

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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