輸入車
更新日:2026.04.05 / 掲載日:2026.04.05

EVはここまで進化した!アウディが示す欧州モデルのロングドライブ性能

ビジュアルモデル:アウディ S6 スポーツバック e-tron

エコカーの新たな選択肢として急速に発展している電気自動車。早くから電気自動車に取り組んでいた欧州ブランドは、進化した第2、第3世代を市場に投入。大容量の駆動用バッテリーでロングドライブにも対応するモデルが登場してきた。

移動距離の長い欧州で生まれたツアラー型EV

 EV(電気自動車)は日本の軽自動車のようなシティコミューターか、大容量バッテリーを搭載したプレミアムカーといった、両極端なモデルから普及が進む傾向にある。

 エンジン車に比べて低速域での燃費効率がよく、人やクルマが集中する市街地でゼロエミッションである点も、シティコミューターとして理想的。地方ではガソリンスタンドが減少しているので、自宅充電可能であれば使い勝手がいいなど、普及のポテンシャルは高い。ただし、ボディがコンパクトでバッテリー容量が限られるので、ロングドライブには向かないのは言わずもがなだろう。

アウディ S6 スポーツバック e-tron ●全長×全幅×全高:4930×1925×1465mm ●ホイールベース:2950mm ●車両重量:2370kg ●駆動用バッテリー総電力量:100kWh ●システム最高出力:503ps ●最大トルク(フロント):275Nm ●最大トルク(リア):580Nm ●新車価格:1440万円(S6 スポーツバック e-tron)

 ロングドライブ向きのバッテリー容量、そして一充電走行距離は、どれぐらいが適当なのだろう。日本の道路事情や平均的な移動距離を考慮すると、500kmを超えていれば外出先で充電が必要になる頻度が少なくて実用的と言われている。だが、燃費のいいハイブリッドカーやディーゼル車に比べるとやや物足りない。まして移動距離が長い欧州では、モアレンジを求める声が大きいのは当然だろう。

 だからこそ、大容量バッテリーを搭載したプレミアムカーが「欧州イズムなEV」であるわけで、長い一充電走行距離を誇るニューモデルが続々と登場しているのだ。

有機EL技術を用いたディスプレイは表示が美しく視野角も広い。インテリアは上質な素材をふんだんに使っており、走行中のノイズの少なさと相まって格別な雰囲気に包まれる。

 2025年7月に日本導入となったアウディA6 e-tron/S6 e-tronは、PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を採用した新世代のモデルで、一充電走行距離は最大846kmと国内で販売されるEVで最長を誇る。

 SUVに比べて前面投影面積が小さいスポーツバック&アバントのボディタイプ、PPEとして初採用のフラットフロアコンセプト、そのほかにも細部までエアロダイナミクスを追求し、Cd値は0・21を達成。アウディ史上最も空力性能が優れたモデルとなっている。

ステアリングには多数の機能が割り当てられる。クルーズコントロールの操作系がステアリングコラムから生えるレバーなのはアウディの特徴。距離調整は極めてなめらか。

EVがメインカーとして使える時代が来た

 A6スポーツバック e-tronの一充電走行距離は769kmだが、バーチャルエクステリアミラーとアダプティブエアサスペンションを組み合わせたレンジプラスパッケージを装着すると846kmとなる。

 バッテリーは100kWhと大容量。走行可能距離だけではなく、充電の受け入れ能力が高いというメリットも生まれる。充電は、バケツに水を入れるイメージで考えるとわかりやすい。大きなバケツならば勢いよく水を入れてもこぼれにくいが、小さなバケツはチョロチョロとしか入れられない。また、70%、80%と上限に近づくほど水を入れる勢いを弱めていく必要があるが、それも大きなバケツならば、それほど弱めなくてもこぼす心配が少ない。バッテリーが大容量であればあるほど、充電の受け入れ能力が高くなるのだ。

 悪条件で電費が落ちても500〜600kmは走れるのが「欧州イズムなEV」。ここまでくれば何不自由ないモビリティとして成り立つのだ。

【THE LONG DRIVE】往復500km以上の距離を1回の急速充電で走り切る

 東京都内から浜名湖湖畔の宿泊施設までの距離は片道でおおよそ260km、3時間半程度。1泊2日の旅行先としてリアルな距離だろう。都内でバッテリー残量75%でスタート、静岡を通過した時点で残量は40%で、浜名湖まで問題なく走り切った。翌日の朝、アウディ浜松の急速充電器を利用して30分ほどで80%まで回復。それから市内を観光して帰京。到着時残量は15%ほど。

若き日の徳川家康が居城とした浜松城。石垣は当時から伝わる400年物。のちに天下人となった家康にちなみ、「出世城」として愛されている。
「はままつフラワーパーク」は、東海地域を代表する花のテーマパーク。広大な敷地に季節折々の花が咲く。春はバラ、初夏はハナショウブが見頃。
浜名湖といえばうなぎ。クルマ旅のいいところは駅周辺の有名店以外の、地元の名店にもチャレンジできるところ。昼は混み合うので予約がベター。
|ANOTHER CHOICE|EVとしての機能性を突き詰めた最上級のラグジュアリーカー【メルセデス・ベンツ EQS】

 「電気自動車におけるSクラス」をコンセプトに開発されたのがEQS。高速域での走行効率を高めるために世界トップレベルの空力フォルムを採用。EV専用プラットフォームに118kWの大容量バッテリーを搭載し、759kmの一充電走行距離を実現している。その名前にふさわしい性能の持ち主。

メルセデス・ベンツ EQS 450+ ●全長×全幅×全高:5225×1925×1520mm ●ホイールベース:3210mm ●車両重量:2500kg ●駆動用バッテリー総電力量:118kWh ●システム最高出力:360ps ●最大トルク:57.9kgm ●新車価格:1535万円(EQS 450+【MP202501】)

おもてなしで差をつけるプレミアムブランドの充電環境

ポルシェ、アウディ、フォルクスワーゲンが加盟するプレミアム充電サービス「PCA」

 ポルシェ、アウディ、フォルクスワーゲンの3ブランドが提供する急速充電の共用サービスで、3ブランドを新車購入すると最長1年分の料金が無料となる。2026年3月から従量課金制がスタート。会員はお得感のある価格(例:150kW 75円/分)で全国370拠点以上のディーラーおよび施設を利用できる。
 また、アウディは自社ユーザー限定の急速充電設備「アウディ チャージングハブ」を展開。一部の施設には、充電中の時間を快適に過ごすための専用ラウンジも備わっている。

PCAの充電設備を実際に体験。アウディ正規販売店の充電器は基本的に24時間利用可能で、150kWの急速充電器を使えば20分ほどで80%まで充電できた。
再生可能エネルギーを100%使用した充電設備

 メルセデスも急速充電ネットワークの拡大に貢献している。全EVが24時間365日利用可能な施設で、出力は最大150kW。使用する電力は再生可能エネルギー100%で環境負荷も低減する。

出先のホテルや商業施設で気軽に充電できる

 BMWでは公共充電ステーションにアクセス可能な「BMWチャージング」を運営。またパワーエックス社と提携し、ホテルや商業施設など目的地で充電ができるサービスを展開している。

文●石井昌道、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、アウディ、BMW、メルセデス・ベンツ、ユニット・コンパス ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2026年5月号「大人を満足させる上質な世界【輸入車だから出かけたくなる!】」記事の内容です)

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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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