輸入車
更新日:2025.06.04 / 掲載日:2025.06.04

新型「アウディ A5」 試乗で実感、高性能ハイブリッド車が目指すクオリティの高み

Visual Model : A5 AVANT TFSI quattro 150kW

新型モデル続々上陸![アウディの未来]

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年7号「新型モデル続々上陸![アウディの未来]」記事の内容です)

新型A5、新型Q6 e-tronと、今年に入りニューモデルが続々上陸しているアウディ。アウディといえば、BEVへのシフトを積極的に行っているブランドだが、まだ需要が大きいエンジン搭載車もしっかりと進化させている。目まぐるしく変わる世界情勢の影響は、自動車業界にも大きなうねりを巻き起こしているが、今月はとりわけ高品質・高性能が魅力のアウディに大注目。

[注目のニューモデル|ICE MODEL]新型A5で実感! アウディが目指すもの

「エンジン搭載車もググッと進化!」

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

BEVへのシフトを前面に打ち出していたアウディが、ガソリンモデルもしっかりと熟成させていた。
新型A5に搭載されたパワートレインは、培ってきた電動技術との組み合わせでさらに洗練された仕上がりを見せる。

[アウディ A5 アバント]プラットフォームからデジタルまで全方位進化

 アウディにとって基幹車種ともいえるA4がA5へと改名して登場した。PPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)と呼ばれる新しいプラットフォームがもたらす走りは、従来のアウディらしい優れた操縦安定性はそのままに、じつに快適で洗練されている。ハンドリングも進化していてコーナーを攻めるのも楽しい。アウディがエンジン搭載車にも大いに力を入れていることが実感できるのだった。
 パワートレインでのトピックスはMHEVプラス。MHEV(マイルドハイブリッド)とひと口に言っても、元からある12V電源を利用したごくマイルドなものから、別系統で48V電源を用意する強めのものまで数多ある。欧州車に多い48V電源でも、構造がシンプルで汎用性が高いベルトドライブ式、トランスミッション等にモーターを組み込み燃費改善とエンジンアシストの効果が高いインテグレーテッド式がある。アウディはこれまでベルトドライブ式を採用してきたが、それを残したうえでPTG(パワートレイン・ジェネレーター)と呼ばれるインテグレーテッド式を追加。さらにリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは1.7kWhと大容量で、MHEVとしては最も効果が高いものとなった。
 3LV6ターボと組み合わせたS5を走らせると、フルハイブリッドと呼んでも差し支えないほどEV走行の頻度が高いうえに、アクセルを踏み込めばシュンッとスムーズかつ機敏に回るV6ならではのスポーティなフィーリングが楽しめる。もう一つのMHEVプラス搭載車である2LディーゼルのTDIでは、ディーゼルらしからぬレスポンスのよさが美点。厳しさを増す排ガス規制をクリアするとレスポンスは不利になっていくが、MHEVプラスがそれを解消する。BEVシフトへの万全を期するアウディだが、当面は需要が大きいエンジン搭載車を進化させていくことも忘れてはいないのだ。
 電子プラットフォームも一新された。11.9インチのバーチャルコックピットプラスと14.5インチのMMIディスプレイが連なり、助手席前にもディスプレイを用意(S5は標準、A5ではオプション)。ダッシュボード全面に広がるディスプレイで最上級のデジタライズを感じさせるほか、最新のサイバーセキュリティ法規に対応するなど息の長い販売を考慮していることが知れる。
 A5が新世代エンジン搭載車の先陣を切ったが、A6やQ5など新型車のデビューが続くアウディ。新しいプラットフォームにパワートレイン、デジタライズなどで一段と進化した魅力的なモデルが勢揃いすることだろう。

アウディ A5 アバント TFSI クワトロ 150kW(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4835×1860×1470mm ●ホイールベース:2895mm ●車両重量:1820kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1984cc ●最高出力:204ps/4300-6000rpm ●最大トルク:34.7kgm/2000-4000rpm ●新車価格:624万円〜706万円(S5 アバントを除く)

Profile:モータージャーナリスト 石井昌道
レース経験もあるモータージャーナリスト。国産、輸入車それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開する。

高い機能性と優れたデザイン性をミックスしたフロントシート。リアシートも必要にして十分な広さを確保。全体的にインテリアは品よく仕上げられており、大人な空間だ。
2Lのガソリンターボは最高出力204馬力(クワトロ)を発生。ちなみにFFモデルは150馬力のエンジンを搭載する。
撮影車はオプションの5ツインスポークブラックメタリックポリッシュト 8.5J×20(アウディスポーツ)245/35R20を装着。

A5はハッチバックボディを採用 アバントともに美しいデザイン

 新型A5のボディタイプは「A5」と「A5アバント」の2タイプとなる。A4時代には「A4セダン」、「A4アバント」、そして「A5スポーツバック」が存在したが、今回の新型A5は「A4セダン」と「A5スポーツバック」が統合されたかたちとなるため、ハッチバックボディを採用しているのがおもしろい。

[A6]日本上陸が近い!新型アウディA6

 4月15日に欧州で発表された第6世代となる新型A6。美しい見た目は空力にも優れ、Cd値は0.23というから驚く。エンジンはガソリン(TFSI)とディーゼル(TDI)となり、後者は48Vのマイルドハイブリッド仕様となる。日本への上陸が楽しみだ。

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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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