輸入車
更新日:2024.12.17 / 掲載日:2024.12.17
メルセデス・ベンツ「Gクラス」ついに電動化へ 向かうところ敵なしの次世代オフローダー

G-Class becomes EV!?【グーワールド コラム/ニューモデル】
文と写真●ユニット・コンパス
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(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年1月号の内容です)
独立式4輪電動モーターを備え向かうところ敵なしの新型“G”
ここ最近の輸入車ブランドはEV攻勢が以前にも増して強くなっている。メルセデスは、いよいよGクラスにもEVモデルを設定し、「G 580 with EQテクノロジー」というモデルを日本に導入した。……しかしこのクルマ、どこかで見たことある?と思った人は大正解。じつは、2023年秋のジャパンモビリティショーでは「コンセプトEQG」の名称でひと足早く一般来場者の前でお披露目されていた。今回は待望の市販バージョンが正式に発表されたというわけだ。
ただし市販モデルの車名は「EQG」ではなく、内燃機関のGクラスと共通の文字列に、「with EQテクノロジー」という言葉が並ぶようになった。これは将来的に電動化が進んで一般的になった場合、内燃機関と独立した車種として扱うのは不自然と判断したためだろう。つまり、独立した「EQG」ではなく、あくまでGクラスの一員なのだという意思表明。今後はほかのEQシリーズにもこれに倣って車名が変更される見通しだという。
前置きが長くなったが、「G 580 with EQテクノロジー」の見どころはなんといっても、メルセデスでは初となる4輪独立式モーターを採用したこと。それぞれのモーターはラダーフレームの前後アクスルに組み込まれており、システムトータルで587馬力もの出力を発揮する。これらは2速のトランスミッションや制御システムとともに「eATS」を形成し、V8モデルを超える圧倒的パフォーマンスが自慢だ。そしてこれだけの高出力を支えるのが116kWhという大容量を実現したリチウムイオンバッテリー。これは216個のセルを12のモジュールに収めており、ラダーフレームに組み込まれている。このおかげで低重心化も実現し、安定した走行性能にも寄与する。また一充電走行距離は530km(WLTCモード)と長いので、ちょっとした遠出も充電なしで往復できそうだ。
ちなみに、今回発売されるのは「エディション1」と呼ばれる特別仕立てのモデルのみ。エクステリアには、AMGラインパッケージをはじめ、ブラックペイントされた20インチアルミホイール、ブルーブレーキキャリパーなどが装着されている。インテリアにはシルバーパール/ブラックのナッパレザーシートをはじめ、上質な仕立てとなるのがうれしい。またMBUXや安全運転支援装備など、先進の技術も惜しみなく導入されている。
まさに至れり尽くせりの内容だが、ガソリン車のAMG(G 63)よりも400万円ほどリーズナブル。これからGをねらっている人にとって、どちらを買うか悩ましい選択肢が出てきてしまった。



