輸入車
更新日:2024.06.11 / 掲載日:2024.06.11
V12エンジンを讃えるフェラーリ最新モデルが日本上陸【フェラーリ ドーディチ チリンドリ】

文と写真●ユニット・コンパス
アメリカのマイアミで行われたワールドプレミアからわずか1カ月、最新の跳ね馬が日本の地でアンベールを受けた。「フェラーリ 12CILINDRI(ドーディチ チリンドリ)」という名前は、フロントに搭載する自然吸気V12気筒エンジンにちなんだもの。フェラーリの歴史を知り、高性能スーパースポーツの操り方、愛し方を知る「通」に向けて作られたという。
フェラーリ黄金時代のFRスポーツを現代の技術で表現
顧客向けの特別なイベントに先立って開催されたお披露目イベントでは、フェラーリジャパン代表取締役社長のドナート・ロマニエッロ氏による挨拶から始まり、この日のために来日したフェラーリS.p.A.ヘッド オブ プロダクト マーケティングのエマヌエレ・カランド氏によるプレゼンテーションが行われた。

「ドーディチ チリンドリ」は、最高出力830馬力を誇るV12エンジンを搭載する2シーター・ベルリネッタ(GTカー)。フェラーリにとってこのジャンルは特別で、1950年から60年代にかけて、まさに宝石のような名車を世に送り出してきた。日本においても、1960年に275GTBが初のV12搭載モデルとして正規輸入されている。
そうした歴史と伝統を受け継ぐ「ドーディチ チリンドリ」は、フェラーリの現行ラインアップにおいて、ちょうど中間地点にポジショニングされると解説された。つまり、スポーツカー以上のパフォーマンスを備えながら、ロングドライブにも対応する使い勝手や快適性を備えている。


モデルラインアップは、クーペの「ドーディチ チリンドリ」とオープンモデルの「ドーディチ チリンドリ スパイダー」の2モデルを用意。
ボディサイズは、全長×全幅×全高が4733mm×2176mm×1292mmで、乾燥重量は1560kg。6.5L V12エンジンに組み合わせられるのは新型の8速DCTで、電子制御システムも最新バージョンを搭載。それによるパフォーマンスは圧倒的で、0-100km/h加速は2.9秒、0-200km/h加速は7.9秒、最高速度は340kmに到達するという。
ロマンチックでありながらも懐古主義ではないデザイン

発表会では実車を間近で見ることができたが、1960年代の歴史的名車であるデイトナを思わせるロマンチックなシルエットを備えながらも、サーフェイスは非常にクリーン。可動式空力デバイスを採用したことで、高性能でありながらも非常に美しいスタイリングを実現している。フロントマスク、グラスエリア、そしてリアガラス周辺の3つのエリアがブラックアウトされていることで、単なるリバイバルではない未来的なデザインと感じられた。






「フェラーリ 12CILINDRI(ドーディチ チリンドリ)」は、最新技術とフェラーリの歴史が融合した非常に美しく刺激的な超高級・高性能GTカーだ。V型12気筒の自然吸気エンジンを搭載するFRという成り立ちや、フェラーリならではのディテールに先進性を調和させたデザインは見事。シートデザインやセンターコンソールのスイッチ類などにクラシカルな要素を盛り込んでいることも含め、このクルマのターゲットである「通」を大いに刺激しそうだ。
