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更新日:2023.02.04 / 掲載日:2023.02.04
メルセデスAMG C43 2Lで400馬力超を実現の低燃費スポーツカー

MERCEDES-AMG C 43【グーワールド コラム/ニューモデル】
文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス
問い合わせ:メルセデス・コール TEL:0120-190-610 URL:https://www.mercedes-benz.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年3月号の内容です)
2Lで400馬力オーバー!AMGらしさにあふれた1台
最近はクルマの名前からパワーソースの内容がわからなくなった。メルセデスはかつてネーミングで排気量を表していたが、ここ数年その慣例はなくなり、数字はあくまでもモデル名を表すものとして使われる。
その理由は、エンジンのダウンサイジング。低燃費と高効率を求め各社は小排気量+ターボ化を進めた。よって、そのままの排気量をモデル名に当てはめると、実際にパワーは上がっていてもこれまでより弱々しく感じてしまう。
新型メルセデスAMG C43 4MATICはまさにそんな例のひとつといえる。ボンネットの下におさまるのは2L直4ターボ+モーター(BSG搭載)で、最高出力は408馬力を発揮する。これまでは3LV6ツインターボで390馬力だったから、まさに高効率化を成し遂げたわけだ。
驚くのはターボの中身。エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーはF1技術。メルセデスAMGペトロナスF1チームが使う電子制御でターボ軸を直接駆動させる手法を市販化させたものとなる。そしてそのエンジンには熟練のマイスターが丹念に組み上げたことを証明するプレートが貼られる。AMGの「One man – One Engine」精神は今も貫かれているのだ。
では、そのエンジンを走らせた印象だが、これが2Lエンジンなのかと戸惑わせるほどのパワーが存在する。電動化されたターボはアクセル操作に瞬時に反応し、クルマは俊敏に加速体勢に移行。なので、必要以上にアクセルを深く踏み込まずとも十分なトルクを得られる。これなら街中から高速巡航まで疲れ知らず。
さらにいえば、鼻先が軽くなったことでハンドリングは鋭くなった。フロントの慣性モーメントが減って挙動が安定する。軽量化の恩恵は思いのほか大きそうだ。
それにしても2Lで400馬力オーバーというのはすごい。F1技術が貢献しているとはいえ驚異的だ。昭和のクルマ好きには到底理解できないダウンサイジングが現実になっている。

Profile:自動車ジャーナリスト 九島辰也
長年にわたり男性ファッション誌や一般誌でも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。



