新車値引き情報
更新日:2021.01.27 / 掲載日:2021.01.26
【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦
RAV4から42.7万円引き!

父はX氏最多出場記録を持つ猛者! 楽勝と思いきや……まさかの大苦戦!! DNA覚醒! 15%の壁を破壊!!!
【プロローグ】 熱心な読者なら、ここに掲載された写真を見て「あれ? この人、見覚えがあるぞ」と思っているのではないでしょうか?
そうです、我らが「ジイジ」はX氏シリーズの常連で、松本隆一さんによれば最多出場記録保持者だそうです(笑)。
今までは実家で同居していたため、クルマを借りて何不自由なく生活できていました。ところが、最近、実家を離れたため(といっても、徒歩5分)マイカーの重要性を痛感! というわけで、初めての新車購入に挑むことになりました。
父はこれまで、数えきれないほどのクルマを購入してきた猛者中の猛者。現在も実家にはランクル、ロードスター、ライズの3台があります。
私も父の影響をもろに受けて、クルマが大好き。もちろん(父が定期購読している)月刊自家用車も愛読しています。だから、今回はもうワクワク感が止まりません(笑)。
狙いは家族で出かけるキャンプやウインタースポーツに適したSUV。父に負けないように、しっかり値引き交渉して、ウルトラCクラスの値引きをたたき出すつもりです。
父の流儀は「クルマは“すっぴん”で買うべし!」(すっぴん=車両本体のみ)。私もこれを継承してナビやETC、バックモニター、ドラレコなどのディーラーオプション(付属品)は新車購入後に割安でしかも性能のいい社外品を購入予定。で、取り付けはすべて父に任せます(笑)。ちなみに、フロアマットも買いません。
【交渉1日目(水)】 いよいよ商談開始。作戦会議で松本さんから「ディーラーには飛び込みでいくよりも事前にアポイントを取っておいたほうがホット客をアピールできるし、効率もいい」とアドバイスされていたので、候補車を扱うディーラーに電話を入れて試乗と商談の予約をする。
実家のライズを借りて、妻とともにいざ出発。実際にセールスさんと相対して商談するのは初めて。夫婦ともにかなり緊張しながら、地元・東京のトヨタA店に乗り込む。
応対してくれたのは私と同じくらいの年齢のセールスさんで、物腰が柔らかく、親切そうだ。
まずはRAV4を試乗。ライズより高級感があって、乗り心地もいい。同乗したセールスさんも商品力には自信たっぷり。確かに欠点がない。
いよいよ本番。ドキドキが止まらない(笑)。
いったん奥に引っ込んで、しばらくしてプリントアウトした見積書を持って戻ってきた。しかし、肝心の値引き額が記入されていない。税金や保険、諸費用の説明を丁寧にしてくれるが、いっこうに値引きのねの字もない。こちらから「値引きはいくら?」と訊けばいいんだが、緊張のせいか、言葉が出てこない。
隣で妻がそわそわしだした。あっそうだ、そろそろ子供たちが学校から帰ってくる時間だ。ぐずぐずしてはいられない。
X「思ったより高いですね」
セ「はあ~そうですねぇ~」
結局、待てど暮らせど、はっきりした値引き額を提示してこない。ここでタイムアップ。なんの成果もなく、お店を引き上げることになってしまった。
自宅に戻って、自分のふがいなさにため息をつく。父は商談で簡単に値引きを引き出してきたものだから、私も黙って座っていればいいと高を括っていた。値引き交渉って意外に難しいということを思い知った1日目だった。
【交渉2日目(木)】 マツダへ。今日も妻が一緒だ。
CX-5を試乗。SUVの武骨なイメージはなく、都会的な品のあるデザインに好感が持てる。しかも、とても運転しやすい。
商談では「昨日の轍は踏むまい」と思っていたが、ああ、またやってしまった。見積もりを出してもらったものの、値引き額の提示はなし。子供たちの帰宅が迫ってきたため、またもや時間切れとなってしまった。
なんと、本日も値引き交渉に至らず……このままでは契約するのに何か月かかることか……。
妻も「商談って、こんなに時間がかかるの? 私、何度も付き合えないよ」といい出した。
う~ん……これではまずい。父に相談すると、
父「こっちからもっとガンガンいかないと、向こうも乗ってこないぞ。明日の日曜日、子供たちは俺が面倒をみてやるから、積極的に攻めてこい!」
あっそうだ、思い出した! 作戦会議でも松本さんから同じようなことをアドバイスされていたのだ。
松本「商談では優柔不断な態度は禁物です。ちょっと大げさなくらい、ホット客であることを強調した上で『ライバル車も魅力的なので迷っている。家計が厳しいので、支払い総額も重要な決め手になる』などといって水を向けることです」
次回からはもっと果敢に攻めよう!と決意した。
ああっ、こんなはずじゃなかった。正直すぎます! 納得いきません
【交渉3日目(日)】 子供たちをジイジに預けて、一気に4店舗まわることにした。妻は用事があるので、私一人で行く。
まずは先日のトヨタA店へ。
担当セールスさんからは「お値引き、頑張ります! 週末はぜひご来店を!」との電話をもらっていたが、なんとお休みしていた。なにか、急用ができたようだ。代わりにいかにもベテランというセールスさんが現れた。名刺を見ると……まさかの営業部長さん! これは逆にチャンスじゃないか!
部長「お越しいただきありがとうございます。担当から話は聞いています。他のクルマも見にいったりなさっていますか?」
X「マツダさんに行ってきました。CX-5、かなりいいですよ。そのほかキックスやフォレスターも検討しています。でも、今のところ、RAV4が第一候補ですね。とにかく無理して買うので値段しだいで決めることになります」
部「今回は少し値引きをさせていただきました」
見積書には値引き15万円と記されている。この程度で納得したら父のDNAが泣く(笑)。
X「この数字じゃ、ちょっと……買うのをためらいますね~」
部「わかりました。もっと安くできるのか、確認してきます」
奥に引っ込む。よし、いい感じになってきた。それにしても、部長さんが「確認する」ってだれが相手なんだ? 社長だったりして(笑)。
部「これでいかがですか?」
なんと、値引きは30万円。さっきの2倍じゃん! 内心驚くがここで顔に出したら、いかん、いかん、平常心、平常心。
あれ!? 見積もりをよく見ると、頼みもしないものが計上されているじゃないか。
X「ボディコーティングとメンテナンスパックは必要ないんで外してください。それから納車費用はクルマを取りに来るので、これも削ってください」
部「わかりました」
X「それから、もう少し安くなりませんか?」
部「今月、どうしてももう一件、契約が欲しくてですね……すでに頑張っているのですが……」
X「我が家も無理しているんですよね」
部「わかりました。本日決めてもらえるなら、あと5万円上乗せします」
値引きの合計は35万円にアップ。支払い総額は270万円ほどに下がった。
X「これでもまだ予算オーバーなんです」
部「Xさん、もう無理です。これが限界なんです。決めてください!」
部長さん、かなり真剣だ。
どうしよう? そうだ、ここはひとつ、松本さんに教わった「契約を迫られたら奥様を悪者にして逃げましょう」を活用させてもらおう。
X「すみません。最終決定権は妻にあるんです。いったん帰って相談させてください」
部長さん、渋々承諾。
妻よ、許せ。
次はスバル。フォレスターに試乗。加速、安定感、ともにいい感じだ。体育会系のセールスさんを相手に商談を開始。
セ「フォレスターは近々、マイナーチェンジして新型になります。現行モデルは現在、オーダーが止まっていて在庫のみの販売になります」
在庫を調べてもらって、希望色があるプレミアムを対象に見積もりを出してもらった。
車両本体値引きは25万円。
X「正直、予算オーバーです」
セ「在庫車なので、もう少しいけると思います」
しばらくして戻ってきた。値引きは30万円で、支払い総額は約307万円。
X「RAV4は270万円ですよ。300万円を大きく下回らないと手が出ません」
セ「すみません、さすがにもうこれ以上は……」
マイチェン前の在庫だが、50万円台の値引きが飛び出したら、本命に浮上したんだけど……。
次は日産。キックスに試乗。e-POWER、恐るべし! 静かだし、加速も十分。プロパイロットの一般道でも使える追従システムも素晴らしい!
お店に戻ってベテラン風のセールスさんと交渉開始。
セ「これが見積もりです」
自信満々に提示してきたので、大いに期待したが……、
X「え!? 値引きは5万円ですか……実はほかもまわっているんですが、どこも30万円以上の値引きを出していますよ」
セ「キックスは新型で人気でして~車両本体からの値引きはこれが精一杯なんです」
X「……」(言葉が出ない)
セ「Xさん、日産には楽にクルマに乗れる方法があります。これなら月々の支払いがとてもお安くすみます……うんちゃらかんちゃら……」
流行りのサブスクらしきシステムを勧めてきた。「こりゃだめだ」と、早々に引き上げる。
迫られたら“妻”で逃げるべし! 父親譲りの越境&一発交渉が炸裂
【交渉4日目(日)】 1週間ぶりの交渉。今日も私一人だ。
まずはマツダへ。前回は「値引き交渉に至らず」だった。
セ「またご来店、ありがとうございます! あれから、ほかもまわられたんですよね」
おっ、探りを入れてきた。顔つきも明らかに前回とは違う。そういえば、松本さんが「2回目になると最初とは打って変わって積極的に売り込んでくるケースがけっこうあります。こういうときはチャンスですよ」といっていたのを思い出した。
X「はい、いろいろ見てまわりました。今のところRAV4が一番の候補で、35万円引きしてもらってます。でも、CX-5もいいなと思っています」
セ「わかりました。頑張らせてもらいます!」
いったん奥に引っ込む。前回は「最近のマツダは値引きしない」みたいなことをいっていたので、「頑張る」とはいっても、20万円引き程度か……。
セ「これでどうでしょう?」
見積書を見ると「35万円」という数字が記載されている。
セ「思い切って出しました。本来はほとんど値引きしないんですよ。これで決めてもらえないでしょうか?」
予想外の値引きにちょっと動転するが、気を取り直して、
X「RAV4と同じですか……もうちょい引いてくれたら、本気で検討できるんですけど……」
セ「これ以上ですか……ちょっと上に相談してきます」
しばらくして戻ってきた。
セ「実は、キャッシュバック・キャンペーンがあるんですが、今回は適用にならないんですよね。でも、なんとか適用させて3万円のキャッシュバック付きでどうですか?」
X「……う~ん……」
セ「Xさん、これ以上はほんと、無理ですよ」
CX-5に気持ちが傾いてきているが、決めるまでには至らない。契約を迫られたが、例の「決定権は妻。相談させてもらいたい」で、なんとか逃げた。
続いて三菱へ。アウトランダーに試乗。3列シートなだけあって候補車のなかでは一番広く、走りも安定感がある。価格もリーズナブルだ。
商談慣れしてきたせいか、スムーズに値引き交渉まで流れていく。緊張感が消えて、けっこう楽しくなってきた。
しかし、提示してきた車両本体の値引き額は15万円。
X「こんなに高くてはとても最終候補には残れません」
セ「では、これでどうですか?」
電卓をいじりながらペンで見積書に25万円と記載する。
X「う~ん……トヨタとかマツダは35万円引きなので……」
セ「すいません。これ以上の上乗せは難しいです」
これで三菱は脱落。
本日、最後に商談を約束していたトヨタB店に乗り込む。
私の住んでいる地域は都内23区といっても都県境が近く、ちょっと走れば隣県に行ける。父から「RAV4を狙うなら越境してトヨタB店を攻めてみろ。俺と付き合いのあるセールスさんに話を通しておいてやる」と勧められていたのだ。
さらに松本さんからも「都内のトヨタは4系列の販売店が統合して『トヨタモビリティ東京』という巨大なディーラーに生まれ変わっています。トヨタ同士の競合をあおりにくい状況なので、4系列がそのまま生きている隣県のほうが攻めやすいと思います。お父さんの紹介を使うなら都内のトヨタの条件が煮詰まったところで一発勝負を仕掛けるといいでしょう」とのアドバイスをもらっていたので、ここまで温存しておいたのだ。
しかし都内のトヨタA店は部長さんが直接出てきてかなりの好条件を出している。これを上回るのは厳しそうだ。
セ「お父様から話を伺っています。まだ値引き額は入っていませんけれど、とりあえず、見積もりを出しておきました」
見積書を見ると、こちらから何も申し出ていないのに付属品はまったく計上されていない。さらに、他社だと必ず入れてくるボディコーティングやメンテナンスパックもなし。納車費用まで削ってある。
セ「お父様はクルマの買い方をよくご存じで、余分なものはすべて省かれますからね」
X「はい、私もそれでいきます。実は、他社とは話が進んでいて、こちらには最後に来ました。都内のトヨタからは35万円引き、支払い総額270万円をもらっています」
セ「なるほど。で、Xさんのご希望は?」
X「ズバリ、250万円! OKなら大逆転もアリです」
ダメもとでむちゃな数字をぶつけてみた。逆算すると値引きは50万円を超えることになる。車両本体のみの「すっぴん」状態からこれだけ引くのはハードルがめちゃ高そうだ。すぐさま「それは無理です」と拒否されると思いきや、
セ「しばらくお待ちください」
あれ!? 涼しい顔だ。
半信半疑で待っていると、セールスさん、登場。
セ「東京さんには負けられません。頑張りました!」
提示してきた条件は支払い総額259万円! 値引きは42万6660円となっている。
セ「お父さんにはお世話になっていますので、一発回答で限界を出しました。すみません、これ以上は本当に無理です」
X「ありがとうございます! 9万円ほど予算をオーバーしているので、とりあえず妻に相談させてください」
50万円引きとはいかなかったが、ここまでやってくれれば大満足。もちろん妻も納得。後日、めでたく契約した。
購入データ
From東京都
TOYOTA RAV4
X
トータル値引き 42.7万円
値引き採点 5
1月号では値引き49.4万円(13.8%)、2月号では46.2万円(11.8%)の例を紹介しているが、どちらも15%の壁は破れなかった。今回は値引き額こそ下回っているが値引き率は15.2%。