新車値引き情報
更新日:2020.12.25 / 掲載日:2020.12.24

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

ヤリスクロスから18.1万円引き!

交渉途中で突如、現れた大本命、NEWモデルの“壁”に大苦戦。同士討ち&ローラー作戦で大団円

【プロローグ】 わが群馬県は知る人ぞ知る、全国有数の自動車王国。県民一人当たりのマイカー保有台数はこれまでずっと最上位を続けています(都道府県“なんちゃら”ランキングでは最下位争いをしていますが……笑)。
 私も奥さんも根っからの群馬県民で、高校を卒業したら、即、免許を取得し、すぐにクルマを所有しています。ちなみに、これまで乗り継いだクルマは私も奥さんも6台で、合計12台です。
 今回は奥さんが乗っているデミオの買い替えです。新車から10年になるので、「そろそろ買い替えよう」となりました。なによりも「奥さんには最新の安全装備を備えたクルマに乗ってもらいたい」という気持ちが強くあります。
 本命はこれといってありませんが、奥さんは「格好がいい!」と流行りのSUVタイプを希望。しかし、本格的なSUVは価格が高いので見た目重視の“なんちゃって”SUVで十分でしょう(笑)。
 遠出する時は私のC3があるので、目的は奥さんの通勤や買い物の足。したがって、取り回しの良い軽自動車、もしくは燃費がいいコンパクトカーから選びました。なお、本格クロカンのジムニーは納車にとてつもない時間がかかるとのことで、デミオの車検切れに間に合わないためパス。
 コロナ禍で商談するのはちょっと気になりますが、しっかり予防・対策をして挑みます。なお、下取り車の車検が半年以上残っているので、じっくり時間をかけて商談するつもりです。

【令和2年7~8月】 まずはキックス。日産に飛び込み訪問しました。ここは以前、私が乗っていたキューブの購入店です。
X「奥さんのクルマを買い替えようと思ってディーラー回りを始めました。この間、発売されたキックスが気になったので、ここからクルマ選びをスタートします」
セ「キックスはタイで生産していますが、品質は申し分ありません。試乗してみませんか?」
 勧められるまま試乗。ワンペダルの操作感が新鮮。周りも見やすく、運転しやすい。
 お店に戻って商談開始。見積もりに記入された支払い総額は300万円を超えていた。
セ「新型なのであまり値引きはできないんですが、10万円くらいは頑張ります」
 デミオの下取りは3万円。10年落ちの1300(グレードは忘れた)なので「限りなくゼロに近い」と思っていましたが、3万円なら納得してもよさそう。それにしてもキックスは予算的に厳しい。
 トヨタA店へ。ここもアポなしの飛び込み訪問です。いかにもベテランという営業さんが応対。
 ライズに試乗させてもらうと、車体が軽いせいか、路面の凸凹を拾って突き上げる感じの乗り心地。でも、エンジンは軽く回るし、ターボ付きで力強い。後席のスペースも十分だし、トランク部分にはそれなりに荷物も乗る。スキーに行くには十分です。
 店に戻って見積もりを出してもらう。値引きは……たったの5万円。デミオを高く取って、挽回してくれるのかと思いきや、
セ「査定は付かないですね。マツダ車の10年モノなので……」
 正直である。正直すぎる。見積もりを見ると、下取り費用が計上されている。ゼロ査定だと手数料を払って処分してもらうことになる。納得がいきません。
 他の候補車を伝えて競合をあおっても反応は鈍い。
 目を付けていたダイハツA店のK営業所が臨時休業だったので、足を延ばして同じダイハツA店のT営業所に飛び込み訪問しました。
 狙いはタフト。営業さんはとても丁寧。あれやこれやと説明してくれるし、試乗を希望したら、すぐに準備してくれました。
 軽自動車なので「頑張って走ってます」的な感じはするけれど街乗りには十分。デビューしたばかりなので、街では見かけたことがないのがいい。
セ「出たばかりですが、値引きは10万円くらいならいけますよ」
 おっ、新型の軽としては最初から意外に出してくれました。デミオの下取り額は3万円。トヨタの「査定ゼロ」はなんだったのか。
 最初に行こうと思っていたダイハツA店のK営業所へ。同じ会社の別店舗と掛け持ち商談するのはルール違反かと思いつつ、購入後を考えると、自宅に近い店舗のほうがなにかと便利だと思う。
 しかし、応対してくれた営業さんと波長が合わず、話が弾まない。タフトの値引きを訊ねても、口ごもる。小さな声で「片手くらいなら……」。5万円ということらしい。下取りはこれまた3万円。
 早々に退散。商談ってつくづく営業さん次第だと思う。こちらから選べないのがもどかしい。どうしたものか?
 スズキと商談。以前、長女が新古車のスイフトを購入した店ですが、そのときの営業さんはもういない。今回は女性の営業さんが担当。若いけれど、商品説明がしっかりしていて信頼がおける。
 ハスラーに試乗。タフトと同様に走りは頑張ってる感があるが、街乗りには問題はなし。ただし、インパネ周りのデザインはゴテゴテした感じで、ちょっと馴染みにくかった。
 値引きは10万円。下取りは3万円。正直、期待外れ。付属品/諸費用込みの支払い総額は200万円を大きく超えてしまった。


マツダ車で10年モノ……査定ゼロ。正直すぎます! 納得いきません

 気を取り直して、デミオを購入したマツダに出向く。ハスラーのOEM車でフレアクロスオーバーを対象に商談してみました。相手はデミオの点検などでお世話になっている担当営業さんです。
セ「下取りは5000円です」
 きっぱりといわれてしまった。いきなり突き放された感じです。途中から上司(主任)も参戦してきて「ハスラーのOEMだから、スズキさんよりずっとお安くできます」というものの、提示してきた値引きは5万円。意気込みがまったく感じられない。コロナ禍の影響か? お茶も出てきませんでした。
 マツダさん、さようなら……。
 ホンダA店へ。狙いはフィット・クロスター。この店は私の前車、フリードでお世話になっていて、営業さん(課長さんに昇進)は私の顔を覚えていてくれました。
 まずは試乗。かなりの距離を運転させてもらい、レーンキープや前車追従といった機能を試してみました。クルマの進化は予想以上です。細めのAピラーのおかげで、前方視界もとてもいい。
 他車と競合していることは伝えた上で見積もりを出してもらうと、値引きは10万円。
セ「下取りのデミオですが、まともに査定すると3万円です。しかし10年モノでも需要はあるので、5万円にします」
X「それでも予算オーバーです」
セ「Xさん、これ以上の上乗せは無理です。ホンダは値引きじゃないですよ。クルマの良さで勝負しているんです」
 営業課長さん、ガンガン押してくる。ただし、上乗せは「難しい!」の一点張り。そこで「検討させてください」と逃げました。
 下取り車デミオの買い取り相場をつかもうと思い、インターネットの一括査定を試してみる。すると、ものの5分もしないうちに電話が入った。しかしクルマの状態を説明すると「値段が付きません。うちでは買い取りは難しそうです」とのこと。
 すぐに2店目から電話。大手チェーンの買い取りA店です。こちらは「ぜひご来店を!」とのこと。
 早速、買い取りA店に出向く。担当は若手ジャニーズ系。これまでの経過を伝えると「うちでは新古車(※欄外注)の品揃えが豊富です。もしも、うちで新古車を購入していただけるならデミオは13万円で下取ります」という。
 すぐに探してもらったが、候補にあげたクルマの新古車は見つからない。結局、引き上げることになりましたが「10年落ちのデミオ1300が13万円」というのが強く印象に残りました。
 この時点で、値段は高いが安全装備が充実しているという観点から、フィット・クロスターが最有力候補に浮上。奥さんも気に入っているので、ほぼ決まりという感じです。ただし、問題は支払い条件。経営資本の異なるホンダをまわって、フィット同士の争いにもち込もうと考えていたら突如、大本命が出現!
 8月某日、登録してあったトヨタB店のLINEに「ヤリスクロス、近々登場!」の情報が流れてきました。メーカーのWebサイトを見るとティザー(予告)キャンペーンを実施中。
 おおっかっこいい! 夫婦ともども大いに魅力を感じる。実物を見たいが、発売はもう少し先とのこと。しかし我慢できない。
 近所のトヨタC店に飛び込み訪問。応対してくれたのは「整備士から営業になった」という、スポーツマンタイプの中堅。とても丁寧な話し方で、感じがいい。
セ「ヤリスクロスは発売前なので実車も正式なカタログもない状態ですが、見積もりは可能です」
 値引きは車両本体5万円、付属品3万円の合計8万円引き。
セ「先行予約している人が多数いるので、これからの注文だと納車は年末ギリギリになりそうです。急いだほうがいいですよ」
 しかし典型的なA型人間なので、モノを見ないで契約するなんて絶対にできない。したがって、発表を待つことにした。
 その間、ヤリスクロスとフィット・クロスターをじっくり比較した結果、よりSUV感の強いヤリスクロスが我が家にはドンピシャ! ターゲットをトヨタ一本に絞ることにしました。
 8月末、ついにヤリスクロスが発売されました。
 9月に入ると、トヨタの各店に実車が揃い始めたので、週末、集中的に訪問をすることにしました。 
 それにしても5月からトヨタが実施した「すべてのクルマがどこの店でも買える」というのは我が家のように販売店にしがらみがないというユーザーにとっては実に好都合です。もしもヤリスがこれまでのようにネッツ店の専売だったら他系列を巻き込んでの同士討ち作戦はできませんでした。
 ともあれ、狙いをヤリスクロスと決めたからにはトヨタ各店を比較して一番の好条件を提示してくれた店から購入することにします。

【9月5日(土)】 希望のGグレードが試乗できるお店を探すと、トヨタD店がヒット。近所ですが、訪問したことがない店。
 試乗すると、奥さんは「すごく運転しやすい!」と大いに気に入った様子。私も同感です。
 営業さんは大谷翔平選手ばりの背高で、イケメンの若手。最初から威勢のいい数字を期待しましたが、値引きは5万円。デミオについては「10年落ちなので査定は付きません」と、期待外れ。
 帰宅後、カタログを見ながら、じっくり再検討。対象としていたGグレードと1クラス上のZグレードを比較すると、メーターパネルのデザインやヘッドライトの性能などからZグレードを選んだほうがいいという結論に達しました。奥さんに変更を伝えると、
奥「え~、Zだと19万円も高くなるね。私は安いほうでいいけど……」
X「よし、価格の差は私の小遣いから負担しよう」
奥「なら、いいわ」(笑)


3か月待ちで査定3万円ダウン、最後の最後で値引き3万円アップ

【9月6日(日)】 Zグレードの試乗車をWebで探す。するとトヨタE店がヒット。訪問する。
 営業さんはやる気満々オーラ全開! しかも、実に気風のいい男だった。
セ「Xさん、他のトヨタをまわって、うちには最後に来てもらえばいいですよ。必ず他店よりいい金額を出します!」
 これは期待できそう、いや、期待しますよ!
 Zグレードに試乗。Gグレードに比べてライトの明るさとメーターパネルデザインの違いを強く感じる。営業さんに聞くと「8割はZを選んでいる」とのこと。正しい選択だったと納得する。

【9月8日(火)】 夕方、ライズを商談したトヨタA店に出向く。
 ヤリスクロスの値引きは5万円。下取りは0円。即刻、脱落。
 続いて、Gグレードを試乗させてもらったトヨタD店へ。Zグレードに変更を申し出て、トヨタ同士の争いを伝える。
X「今度の日曜日(13日)には決めるつもりです。12日までに最終条件を出してください」
 しかし、イケメン君、相変わらず煮え切らない態度で、はっきりした数字を提示してきません(結局、この後も連絡なし)。

【9月10日(木)】 トヨタA店の別の営業所にも出向いてみました。
 営業さんは30代前半の中堅。小学校区が同じだったため地元ネタで盛り上がる。ここでも「13日に決める」と宣言して、トヨタ同士の競合をあおると、
セ「ご希望のグレード/仕様のクルマがディーラー割り当て分としてあるので、11月中旬に納車できるかもしれません」
 魅力的な発言が飛び出したので、大いに乗り気になったが、提示してきた見積もりはまったく面白みなし。値引き5万円、下取りゼロ。いくら納車が早くなっても、これでは買えません。

【9月12日(土)】 数日前、新古車を勧めてきた大手の買い取りA店の営業さん(若手ジャニーズ系)が「状況はどうですか?」と電話を入れてきました。そこで「ヤリスクロスの新車を販売できますか? もしできるなら見積もりを出してください」と宿題を出しておいたのです。
セ「うちでもヤリスクロスの新車を販売できます。ただし、FAXやメールで見積もりを送るのはNGなので、すみませんが、お店まで来てもらえませんか?」
 ここは「買ってくれるなら、デミオを13万円で下取る」といっていたので、早速、出向いてみました。
セ「すみません、デミオの下取り額なんですが。ヤリスクロスは納車が12月になってしまうため、13万円は付けられません。それでも10万円で取ります。」
 他店との競合を警戒しているのか、「印刷した見積もりは渡せない」とのこと。口頭で「支払い総額は250万円ちょっと」としてきた。逆算すると、値引きは20万円を超えているようですが、この店独自の諸費用などが加わるため、トヨタの見積もりとは単純には比較できない。いずれにしても「下取り10万円」と「支払い総額250万円強」という数字はつかめました。態度を保留して引き上げる。
 ここでいよいよ切り札。「最後に来てね!」といっていたトヨタE店のやる気満々オーラ全開の営業さんにアポイントを取る。
 夕方、トヨタE店へ。
X「ご希望通り、最後に来ましたよ。他店ではデミオに10万円の下取り額が付きました。支払い総額は250万円くらいです」
セ「250ですか……(電卓を叩きながら)厳しい数字です」
X「あれ?『他店より必ずいい金額を出す』っていってたから、期待して来たんですよ」
セ「う~ん……」
 かなり苦戦していましたが、結局、値引き15万円、下取り10万円、支払い総額245万円を提示。
 ここで、トヨタC店から電話が入る。スポーツマンタイプの中堅営業さんです。商談のテーブルを離れて、話を聞く。
セ「いろいろ手を尽くした結果、Xさんのデミオ、8万円で下取りできます。ただしできるだけ早く引き渡してください」
X「奥さんはクルマ通勤なので、納車前にクルマを引き渡すことはできません。代車を用意してもらえますか?」
セ「すみません、数か月間ともなると代車は出せないんです」
 これでは話が進められない。丁重にお断りしました。
 商談のテーブルに戻る。
X「ヤリスクロスの納車は12月頃になるそうですが、下取り車のデミオはそれまで乗っていてもいいんですよね」
セ「はい、大丈夫です!」
 ほとんどトヨタE店に決まりとなりましたが「この間、宣言した通り、明日決めることにします」といって引き上げる。

【9月13日(日)】 午後、トヨタE店へ。昨日、検討した結果、新たにプロテクションフィルムやマッドガードなど合計7万9200円分の付属品を付けることにしました。
 数万円の追加なら「支払い総額245万円をそのままにして欲しい。OKなら決める!」と迫るつもりでしたが、8万円近くとなると、さすがにいえない(笑)。
X「これが最後の最後です。追加分を含めて支払い総額を250万円にしてくれるなら契約します。他のトヨタは断りますよ」
セ「う~ん……わかりました」
 よっしゃ! 土壇場で値引きが3万円ほどアップ。
 最終的な条件は車両本体とメーカーオプション13万7500円/付属品21万2260円から18万1380円引き、下取り10万円となっていました。


購入データ
From群馬県
TOYOTA ヤリスクロス
Z
トータル値引き 18.1万円

値引き採点 5
付属品の値引きを含めて18万1380円引き。ただし下取りのデミオは納車(約3か月待ち)まで乗っていられるので、半分の5万円は値引きと考えていい。実質的には23万円引きとなる。


提供元:月刊自家用車

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