新車値引き情報
更新日:2019.10.26 / 掲載日:2019.10.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

「一生に一度!」の大勝負!! 「クロスボーダー」が大失敗!? 「夫婦仲違い作戦」で大逆転!!!

【プロローグ】 13年間・17万kmを走ったMPV。家族との思い出がたっぷり詰まっているクルマなので、もう一度車検を通そうかと思ったものの、インパネの警告灯が赤く光る……ディーラーで見てもらうと、排気ガス検知センサーの異常と判明しました。
 まだまだ、子供たちにお金がかかるので中古車の購入も考えましたが、このペースでいくと、次にクルマを買い替えるときは「60歳を行ったり来たり」。いまが「本当に乗りたいクルマを購入する最後のチャンスではないか!」
 そこで、奥さんに直訴。「次に買うクルマはコンパクトカーでいい。だから、今回は乗りたいクルマを買わせて欲しい!」
 もう必死の説得です。すると、奥さんはにっこり笑って了承してくれたのです。
 本命はランドクルーザープラド。誰もが認める本格派クロカンで、私の趣味にピッタリ。唯一の問題は「値段が高い!」こと。なまじの値引きでは買えません。
 対抗はCX-8。多人数乗車にも対応できるので、大家族の我が家にはぴったり。大穴はデリカD:5。これにエクストレイルとCR-Vが加わって大激戦の予想です。
 今回も、王道の「夫婦仲違い作戦」でいきます。ただし、奥さんは口下手なので基本は無言を貫き、視線と表情でプレッシャーをかける戦術を採ります。
 ラグビーワールドカップのキャッチコピー「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」の気持ちで、挑むぞー!

【1日目(火)】 4年前の試合(商談)を思い出しながら、松本監督(笑)と作戦会議をしました。
 おりしも消費税増税の実施まで約2か月。SUVは納期に時間がかかるクルマが多いため、現時点で「駆け込み」ができるかどうかは微妙。とくに大本命のプラドはぎりぎりのようです。「監督」からは「へたに駆け込みを意識すると、セールスマンから契約を急かされて値引き交渉がやりにくくなります。もしも『いますぐ契約してくれないと増税になってしまう』などと言われたら『その分、値引きでカバーしてください』などと切り返しましょう」とのアドバイスをもらいました。
 作戦会議終了後、早速、各社に試合の申し込み(試乗&商談の予約)を入れました。

【2日目(日)】 今日は「5試合」の超過密スケジュール。気合を入れて、いざ試合会場へ!
 第一試合はマツダさん。現在、乗っているMPVを購入したお店ですが、当時のセールスさんは異動でもういません。代わりに入社2年目のメガネが似合う好青年が登場。さあ、キックオフ!
 CX-8に試乗。申し分なしの走りっぷり。MPVの後継モデルということもあって、取り回しに違和感はまったくありません。
X「MPVは来年1月まで車検が残っていますが、17万kmだし、警告ランプが点灯してるし……もう限界と思っています」
セ「はい、買い替え時ですね」
X「マツダのディーゼル、力強くていいですね。有力候補です。でも奥さんは性能よりも価格が気になるそうです」(笑)
セ「なるほど。ところで、MPVはどうしますか?」
X「兄弟に譲ろうと思っているので、下取りはなしです」
セ「CX-8は20万円引きが基本となっています」
▼CX-8
 値引き20万円 支払い総額471万5923円(付属品41万 1685円を含む)
セ「もし決めていただけるのであれば、もう少し頑張ります」
X「あれ?『もう少し』ってレベルですか……MPVのときはムチャしてくれたけど……」
セ「最近、マツダは売り方を変えたんです。以前のような値引きはできません」
 他車の名前を出して競合をあおりましたが、苦笑いを浮かべるだけで視線も合わせてくれない。押しても引いても手応えなし。セールスさんを味方につけて、店長決裁を引き出そうという作戦でしたが、見事に失敗。
 第二試合はデリカD:5。女性のセールスさんは闊達でおしゃべり上手な感じで、奥さんとはフィーリングが合いそう。
セ「予算はおいくらですか?」
X「安ければ安いほどいいですね。子供にお金がかかるんでね」
 提示してきた見積もりにはお願いしていないメンテナンスパックやボディコートが入っている。
セ「必要だと思って入れさせていただきました。30万円くらいの値引きはできると思います」
▼デリカD:5
 値引き約30万円 支払い総額 470万円(付属品66万224 9円を含む)
 正直、女性セールスさんは苦手です(笑)。
 昼食後、第三試合へ。日産に乗り込むと、4年前にジュークを交渉したセールスさんに遭遇。ただし、向こうは気が付いていない。あえて初対面のテイでいきます。
X「CX-8やCR-Vも検討していますが、エクストレイルは私の趣味にピッタリなので、いいお話をいただければ嬉しいです」
セ「頑張ります!」
▼エクストレイル
 値引き25万円 支払い総額399万4094円(付属品90万3014円を含む)
 展示車をじっくりみせてもらったところ、3列目が思ったより狭く、奥さんは「我が家には向いてないかも……」とダメ出し。

CX-8はまさかの手応えなし(泣)、大本命のプラドは予算なし(大泣)

 本日の四試合目はホンダ。相手は俳優の岡田将生似のハンサム氏。
 まずはCR-Vに試乗。エクストレイル同様に、奥さんから「3列目が狭い」との指摘を受ける。
セ「CR-Vの値引きですが、20万円はいけます。今日お乗りになってきたMPVは下取りですか?」
X「兄弟に譲ろうと思っているんですが、値段が付きますか?」
セ「査定してみましょう」
 しばらくして戻ってきた。
セ「決めていただけるなら4万円で引き取らせてもらいます」
▼CR-V
 値引き22万円 下取り4万円 支払総額446万5000円(付属品38万2276円を含む)
 価値が付かないと思っていたMPVに値段が付いた。他社でも査定をしてもらうことにしよう。
 ちなみに、ここまで商談したクルマすべてが「消費税増税前に間に合う」とのことで、見積もりの消費税は8%。約10万円の節税なので、夫婦ともに安堵しました。
 本日の最終戦は本命のプラド。トヨタA店では希望のTZ-Gの試乗車を用意してくれた。セールスさんはスポーツマンタイプの若手で、とても感じのいい人です。
 プラドのたたずまいを見て他車との車格の違いを感じる。乗ってみてもエンジンの力強さ、内装の質感の良さに圧倒される。私のテンションの上がり具合をみて、奥さんは引き気味です(笑)。
X「実は、予算的にCX-8やデリカD:5が有力候補で、1クラス上のプラドは厳しいんです。でも、以前から憧れていたんで、奥さんに無理を言って商談にやってきました。カタログを夜な夜な穴が開くほど見ていますよ」(笑)
セ「ありがとうございます! プラドに対する思いが伝わってきます。いまならギリギリ増税前に間に合いますよ」
X「正直、ランクルプラドに乗るラストチャンスだと思っています。奥さんを納得させる、思い切った金額を出してください」
セ「わかりました!」
 オプションや付属品、諸費用込みの総額は665万3000円!
妻「え~、やっぱり高すぎるね」
 妻の困惑顔をみて、セールスさんが反応。妻よ、ナイスプレー!
X「ぶっちゃけ、どのくらい安くなりますか?」
セ「値引きは30万円くらいです」
X「CX-8やデリカD:5と同じ金額にしてくださいとまでは言いませんが、これでは買えません」
セ「う~ん……でも、40万円引きとかは難しいですよ」
X「あのMPVを下取りに出したらいくらになりますか?」
セ「通常、値段は出ませんが、プラドを買っていただけるのであれば、2万円付けます」
▼プラド
 値引き30万円 下取り2万円 支払い総額635万3708 円(メーカーオプション93万3 120円/付属品23万608 8円を含む)
 本日はこれにて終了。

【3日目(火)】仕事の休みが取れたので、一人で試合に出向く。
 第一試合はマツダ戦。
セ「CX-8は前回提示した20万円引きが限界です。あのMPVを下取りに出しませんか? 高取りで頑張ります!」
X「兄弟に譲ろうと思っていましたが、頑張っていただけるのであれば出してもいいですよ」
セ「13年・17万kmというと、値段は付かないんですが、マツダ車ということで5万円付けます」
 う~ん……マツダさんには値引き+下取りの合計で40万円超を期待していたのだが……ほぼ脱落。
 なお、複数の買い取り店にMPVの査定してもらったが、どこも「自動車税の還付分を含めて2~3万円」とのこと。
 先日のトヨタA店から「ぜひ、ご来店を!」との追加試合の申し込みがあったので出向いてみた。
X「CX-8とデリカD:5、それにプラドで迷っています。さっきマツダに行ってきたんですが、あのMPVに5万円の査定額を付けてくれてびっくりしています」
セ「マツダさんも、そうきましたか……実は、僕からも同様の提案をさせていただこうと思っていました。うちも5万円で取ります」
X「これでマツダさんと同じ土俵にのったわけですね」
セ「当店の今までの最高値引き額はクラウンの38万円なんです。プラドで値引き30万円+高取り5万円は限界の限界です。これ以上は本部が許可してくれません」
X「支払い総額は630万円を超えますね。これでは奥さんを説得できませんよ。奥さんは600万円になるのならプラドでもかまわないと言ってるんですけど……」
セ「え~~~っ(絶句)」
X「まあ、さすがに600万円は無理だとしても、それに近い金額を出していただけたら……」
セ「まだ店長に相談していないんですが、どうにか625万円にはもっていきたいと思います。これでいかがですか?」
X「625では奥さんからOKをもらうのは難しいかもしれません。日曜日にまた来ますので、その時は凄い数字を期待しています」
セ「相談しておきます」
▼プラド
 値引き35万円 下取り5万円 支払い総額625万円(メーカ ーオプション93万3120円 /付属品23万6088円を含 む)
 目標は値引き+下取りで50万円だが、あと10万円の上乗せは厳しいかも……。

駆け込みアウト! 頭が真っ白……、スクラム組んで本部長を押せ!

【4日目(土)】 いよいよ大本命のランクル・プラドにとっておきの「クロスボーダー(越境)作戦」を仕掛けることにした。
 奥さんが隣県の出身ということもあり、経営の違うトヨタB店とも商談してプラド同士のガチンコ勝負に持ち込みます。
 張り切って、隣県のトヨタB店へ。電話でアポをとっておいたので、すぐに対応してくれた。相手は穏やかなベテランで、往年の元ラグビー日本代表レジェンドと同姓。「これは何かの縁かも!」
 期待しながらキックオフ。だが、いきなりの強烈な攻撃を受けた……。
セ「プラドの場合、いますぐに契約しても登録は増税後の10月になってしまいます」
 間に合う前提だったので、一瞬、頭が真っ白に……。
X「実は、地元のトヨタA店とも商談しています。A店では増税前に間に合うと言われたけど……」
セ「うちは無理です。10月以降の登録になってしまいます」
X「奥さんにプラドはダメ出しをされています。でも、支払い総額が600万円になればOKと言われているんですが……」
セ「わかりました。ちょっとお待ちください。店長と相談して見積もりを出します」
 しばらくして戻ってきた。
セ「すみません。600万円は無理です。630万円になります」
▼プラド
 値引き43万6520円 下取り2万円 支払い総額630万円(メーカーオプション95万400円/付属品25万7206円を含む。消費税10%)
X「トヨタA店は625万円なので、話にならないな~」
セ「消費税10%で見積もりを出しているので、値引き額はうちのほうが大きいんですけど……」
X「問題は支払い総額です」
セ「はい、そうですよね。わかりました。これは私の宿題とさせてください。ぜひ明日もう一度ご来店していただけませんか?」
X「トヨタA店に午後3時に伺うことになっているので、午前中であれば大丈夫です」
セ「お待ちしています」
 商談後、納期の確認のため、あわててトヨタA店に連絡する。
X「妻の実家の近くのトヨタB店とも商談させてもらったんですが、B店は増税前に間に合わないそうです。A店さんは駆け込みセーフなんですよね」
セ「間に合いますよ。B店さんとは県が異なるため確保している台数が違うんでしょう」
X「実は、B店とは明日の午前中にもういちど商談することになっています。あちらは『増税前には間に合わないが、値引きを大きくして支払い総額を下げる』そうです。B店は妻の実家と付き合いがあるのでむげに断るわけにはいきませんが、支払い総額を615万円にしてくれるなら契約します」
セ「少し時間をください。上と掛け合ってみます」
 30分ほどで電話が鳴る。
セ「すみません。掛け合ったんですが、やはり625万円が限界でした。もし、625万円でよろしかったら、明日お越しください」
 あれ!? トヨタA店がのってこない……まさかの展開だ。必殺と思っていたクロスボーダー作戦が不発。電話だけで値下げを迫ったのがいけなかったのか……。
 最終戦を待たずに敗戦? プラドに乗る夢は消えてしまうのか……。

【5日目(日)】 一縷の望みをかけてトヨタB店へ。
X「トヨタA店に確認したら、増税前に間に合うとのことでした」
セ「そうですか……」
X「サイドモールを削るので、615万円になりませんか?」
セ「本部に掛け合ってみます」
 しばらくして戻ってきた。
セ「Xさん。メンテナンスパックを加えて支払い総額622万4000円でどうでしょうか?」
X「サイドモールを削ると、A店は621万円になります。高いほうから買うのはさすがに奥さんがOKを出してくれません。メンテナンスパック抜きになりませんか? A店はなしですよ」
セ「今、本部の営業部長が来ています。メンテナンスパック抜きでは決裁が下りないんです」
X「わかりました。じゃあ、メンテナンスパック付きで621万円になりませんか? 私もこの場から奥さんにメールで確認します」
セ「……621ですか……」
X「はい、621です」
セ「……う~ん……」
X「おっ、(スマホの画面を差し出して)これ、見てください! 奥さんから『621万円でいいよ』と返信がありました」
セ「わかりました。ちょっとお待ちください」
 審判(奥さん)のジャッジが出た! さあ、セールスさん、一緒にスクラムを組んで相手(本部決裁)を押し込もう!
 しばらくして戻ってきたセールスさんから試合結果が告げられた。
セ「621万円! OKです!」
 ここでノーサイド! 試合が終われば敵味方なしがラグビーの精神です。最終試合の結果は以下の通りとなりました。
 車両本体/メーカーオプション(95万400円)から41万1234円引き、付属品19万2500円から7万6926円引き、下取り7万180円(リサイクル費用戻し分1万5180円を含む)。これとは別にリヤスキッドプレート(1万5000円相当)が無料サービスとなっているので、値引きの合計は50万3000円を超えました。下取りと合わせれば57万円オーバー。目標を大きく超えることができました。

【延長戦】後日、奥さんの要望で「希望ナンバーを追加したい」と連絡する。追加料金がかかるのを覚悟していたが、費用(5400円)は無料にしてくれました。
 さすが、激戦をともにした戦友だ。セールス氏に感謝!


購入データ
From岡山県
TOYOTA  ランドクルーザープラド
TZ-G(7人・4WD)
トータル値引き 50.3万円

値引き採点 5
メーカーオプションを95万400円、付属品を19万2500円付けているが、合計48万8160円引き+無料サービス1万5000円なら大成功。高取り分を含めると超ウルトラCクラスといえる。

提供元:月刊自家用車

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