新車値引き情報
更新日:2020.12.21 / 掲載日:2020.11.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

ヴェルファイアから64.3万円引き!

臨時収入50万円! 買い替えじゃ、いきなり40万円!! まだまだいける役員決裁64万円!!! 奇跡が起きた

【プロローグ】 これまで乗ってきたステップワゴンは購入してから14年超、走行距離はついに20万km! を突破……いつ大きな故障が起きるかとスリリングな日々を過ごしております(笑)。
 コロナ禍で仕事が減り、厳しい状況にある人たちも多いと聞いていますが、自分の勤務先は有難いことに影響がほとんどありません。だったら「新車に買い替えればいいじゃん」とおっしゃるかもしれませんが、そこはそれ、食べ盛りの子供3人を抱えるため、我が家の家計が許しません。
「まだ車検が残っているので買い替えはもう少し先にしよう」
 と思っていたら、
「国民一人あたり10万円の特別給付金!」
 のニュースが飛び込んできた。
 マジっ!!! うちは5人家族なので……臨時収入50万円! 子供達は「やったぁ、なに、買おっかな!」と狂喜乱舞ですが……
X「いっておくけど個人的な物は買わん!」
子供達「え~~」
 いっせいに不満が噴出しましたが、最後は親の権力を使って黙らせました(笑)。
 家族旅行に行こうか、それとも冷蔵庫を新しくしようか……嫁さんに相談してみると、
嫁「やっぱり貯金かな」
X「いやいや、給付金は盛大に使って、経済をまわさなきゃ」
嫁「なら、新しいクルマ、買ったら? うちのステップワゴン、そろそろヤバイよね」
X「おっ、さすが財務大臣、素晴らしい提案だ」
 ステップワゴンは結婚してすぐに購入し、長い年月を一緒に過ごしてきたので別れるのは寂しいけれど、日本の経済を復活させるため(?)思い切って決意しました。
 早速、クルマ選びを開始。家族構成を考えると、今回も選択肢はミニバンしかありません。本命はヴォクシー、対抗はセレナとステップワゴン。ひそかに、憧れのヴェルファイアとエルグランドも候補にあげたけれど、よほどの値引きがなければ手が出ません。
 ともあれ、久々の新車購入にはいやがうえにも気合が入ります!

 日曜日、フェア開催中のトヨタへ出向きました。この店はこれまでヴォクシーもヴェルファイアも取り扱っていませんでしたが、5月からトヨタが全店全車種販売に踏み切ったため、両方とも買うことができるようになりました。自宅に一番近い店舗なので、ここから購入できれば、アフターサービスはとても便利です。
 優しそうなセールスさんが登場。
X「ステップワゴンは20万kmを超えていますが、車検がまだ残っているので、もう少し乗ろうと思っていました。でも、給付金が出ることになったんで、にわかに買い替えを検討することになりました。どうするかは値段しだいです」
セ「わかりました。ご希望のおクルマはなんですか?」
X「ヴォクシーです。それから冷やかしになっちゃうかもしれないけど、ヴェルファイアもお願いできますか?」
セ「大丈夫です。ステップワゴンを査定してきます」
 しばらくして戻ってきた。
セ「お待たせしました。Xさん、下取りなんですけれど、なんとか4万円で取ります」
X「14年・20万kmなんで、お金になるだけで納得ですね。で、値引きはどれくらいですか?」
セ「ヴォクシーは総額357万円ですが、これを下取り込みで320万円にします」
 査定額4万円を差し引くと、値引きは33万円ということになる。ま、最初はこんなものでしょう。
セ「で、ヴェルファイアなんですけれど、ゴールデンアイズは総額約461万円になりますが、これを415万円にします」
 おっ、値引き+下取りで46万円! 最初から40万円引きをオーバー。けっして安くはないけれど、思ったより安い(笑)。
 そういえば、作戦会議で松本さんは、
「5月の全店全車種販売を機にヴェルファイアはアルファードに比べて販売台数がだだ下がりです。値引きが大きく緩んでいるので50万円の大台を狙いましょう。大穴候補としていますが、案外『これなら手が届く』ってことになるかもしれませんよ」
 と言っていた。そのときは内心無理、無理って思っていたけれど、見積もりを見た途端に、何かが弾けた!いきなりこの数字なら、まだまだ上乗せが取れそうだ。ここは少しムチャぶりをしてみよう。
X「ヴェルファイアが支払い総額400万円になるなら、本気で検討してもいいよね」
セ「う~ん……400ですか……」
 さすがに苦悶の表情を浮かべる。しかし、次の瞬間、予想だにしない一言が返ってきた。
セ「Xさん、400なら買ってくれるんですか?」
 えっ、400になっちゃうの?ダメもとでぶつけた数字なんだけど……はやる気持ちを隠しながら、
X「え~嫁さんの許可を取らなければ決められないよ。正直、嫁さんは『Lサイズはめちゃ高いのでNG』っていってたからね。さっきの415万円じゃ、ヴェルファイアのヴの字もいい出せません。でも、400なら、なんとか話をもっていけますよ」
セ「わかりました! こちらもこの場で『400万円にできます』とはいえません。でも、400になるようにいろいろやってみますので、しばらく時間をください」
X「自分も嫁さんを説得できるように頑張りますよ」

憧れのL、安くないけど……安い(笑)。あれ、何かが弾けちゃいました(爆)

 10分ほどクルマを走らせて日産に乗り込む。セレナがメインだったけれど、気分はすっかりLサイスミニバン。狙いをエルグランドに切り替える。月刊自家用車の値引き情報では「値引きはアル/ヴェルに勝るとも劣らない」となっているので、ワクワクドキドキしてきました。
 いかにもできる雰囲気のセールスさんがお出迎え。いい感じで商談がスタートするが、トヨタとの競合を伝えた途端に態度が豹変。あからさまにやる気をなくしてしまった。ともあれ、見積もりを出してもらう。提示してきたエルグランドの総額は約530万円、セレナは約450万円。
X「う~ん……思ったより高いですね~。この見積もりには値引き額が入ってないんですけど、どのくらいいけるんですか?」
セ「正直、トヨタさんほどの値引きは無理ですね」
 あれ、最初から降伏宣言。
X「ともかく、検討したいので、どのくらいか出してください」
セ「期待しないでくださいね」
 いったん奥に引っ込む。この時間を利用して、ホンダの担当セールスさんに電話を入れた。
セ「Xさん、どうしました? なんか不具合でもありました?」
X「大丈夫! 故障じゃありません(笑)。クルマ、買い替えることになりましたよ」
セ「待ってました! やっとこの時が来ましたか!」
X「やっとって……失礼やな」(笑)
セ「すみません。試乗車、用意してお待ちしております!」
 下取り車のステップワゴンは埼玉県で購入したため、このセールスさんには車検や修理でしかお世話になっていない。ことあるごとに買い替えを勧められたが、断り続けていたので、気合が入るのもよくわかります。
 そうこうしているうちにセールスさんが戻ってきました。
セ「お待たせしました。セレナもエルグランドも値引きは20万円です。これが限界です」
X「えっ! 20万円で限界ですか……トヨタはいきなり40万円引きで、決めるなら50万円を大きく超えそうな勢いだけど……」
セ「……」(沈黙)
 あまりのガードの固さに、値引き交渉を続ける気力が一気に消え去ってしまいました。
 気を取り直してホンダへ。クルマを乗り入れると、担当セールスさんが飛び出してきて、駐車スペースに誘導してくれる。ラガーマンのようなガタイだけれど、フットワークは軽い。
 狙いをステップワゴンからオデッセイに変更。試乗してみると、やっぱり乗り心地が全然違う!本命はヴェルファイアだが「オデッセイもあり!」という気持ちになってきました。
 店に戻って商談開始。オデッセイ・アブソルートEXとステップワゴンの見積もりをお願いした。
セ「他のディーラーさんとかって行かれました?」
X「トヨタと日産に行きました」
セ「で、どうでした?」
X「トヨタはかなり頑張ってくれてます。日産は正直ダメですね。ホンダさんも頑張ってくれないとトヨタに決めちゃいますよ」
セ「まかせてください! 絶対に買ってもらいます!」
 こっちが引くくらいの熱量を発散しながら奥に引っ込んだ。ちょっとビビちゃいました(笑)。
 しばらくして戻ってきたが、怖いぐらいの笑顔。凄い数字が飛び出しそうな予感がしたが、提示してきた条件は期待外れでした。
 オデッセイの総額は約405万円。ここから値引きと下取りを合わせて30万円引きで、支払い総額375万円。
X「下取り額っていくら?」
セ「5万円です」
 逆算すると、値引きは25万円。正直、がっかりです。トヨタと同じくらいの数字は出ると思っていたのに……。あっ、そうか、あの怖いくらいの笑顔の原因はステップワゴンにあるんだな。
 どれどれ、あれ!? 見てびっくり……値引き+下取りで20万円……悪い冗談ではないのか……。
セ「どうですか?」
X「トヨタに比べて悪すぎます。最低でも40万円は引いてくれないと土俵にあがらないよ。とくにステップワゴンはひどいね」
セ「Xさん、これでも限界でやらせてもらってます。上から厳しくいわれているんで、ステップワゴンはホント、これ以上は無理です。でも、オデッセイなら40万円引きにします。支払い総額365万円! これでどうですか?」
X「350以下にならないと、検討できません」
セ「え~さすがにそれは無理です。365が限界です!」
 さっきまで自信たっぷりだったのに「う~ん……」と唸りながら頭を抱え込んでしまった。こちらも沈黙。放置プレイを続けた結果、「Xさん、宿題にさせてください」ということになりました。

嫁さん、男前! 最難関を通過!! 気持ち3万円、自分2万円で決着!

 自宅に帰る途中、トヨタのセールスさんから電話が入る。
セ「Xさん、ヴェルファイアの件ですが400でできそうです」
 下取り込みで61万円引き!
X「えっ、できるんですか?」
セ「ぜひやらせてください! ただし、少々条件がありますが……」
 やっぱりな。何かあるんだ。
セ「純正のフロアマットは高いので、これを社外のものに替えさせてください」
 えっ、それだけ!? フロアマットなんてなんでもいいよね。ただし、残念そうに装って、
X「そっか、純正品じゃなくなっちゃうのか……まあ、400になるなら仕方ないですよね。とりあえず嫁さんと相談してみます」
セ「来週の日曜日って、空いてますか? 試乗車を用意するので、ご家族で来店していただけませんか?」
X「わかりました。家族揃って出向くので、よろしくね」
 電話を切ったあと興奮が収まらない。下取り込みとはいえ60万円超の値引きが飛び出した。これで自分の中では「ほぼヴェルファイア!」となってしまった。
 問題は嫁さんの説得です。う~ん……これが最難関ミッションかもしれません。
 帰宅するやいなや、嫁さんに相談。ドキドキ……。
 トヨタのセールスさんがどれだけ頑張ってくれたかを熱く語る。一方、ヴォクシーやセレナ、ステップワゴンのMサイズは「こんなに割高!」を強調する。
 喋り終えると、嫁さんが一言。
嫁「その条件なら悩むまでもなくヴェルファイアだね」
 !!!!!!!!!!!!!
X「ほんとに買っていいの? ヴェルファイアだよ? 高いよ?」
嫁「高くったって、セールスさんがそこまで頑張ってくれたなら買うしかないでしょ!」
 おおっ、嫁さん、男前!(笑)。
X「正直なところ、値段的にはヴェルファイアよりオデッセイのほうがかなり安くなるけど?」
嫁「ん~オデッセイ、好きじゃない。断然、ヴェルファイアのほうがカッコイイ!」
 ここで、夫婦のやり取りを覗き見ていたかのようにホンダから電話が入りました。
セ「オデッセイに決めていただけるなら、ご希望の350万円で店長に話ができます! ただし、この電話で『決める!』と言ってください! 今日、フェアを開催していたのですが、売れ行きが良くなかったんで、いま店長にお願いすればなんとかなります」
X「せっかくだけど、この場では決められませんよ。トヨタとも約束しちゃったので無理です」
セ「……そうですか……」
X「トヨタと契約する前には必ず連絡を入れますよ。その時に頑張れるなら、お願いします」
 翌週の日曜日、ついに決戦!
 いざ買うとなったら欲しいオプションがいっぱい。正直、全部欲しい! しかし、付けすぎると買える値段じゃなくなってしまう。そんなことを悩みながら、今日までの1週間を過ごしました(笑)。
 午後1時過ぎ、トヨタへ出陣。家族揃って試乗するはずだったが、長女と長男は「めんどくさい」とのこと。まぁ、いいか。近いのであっという間に到着。
 早速、試乗。ボディがデカイのですべてが重いと思いきや……。
 あれ!? ハンドルもアクセルも思った以上に軽い。カタログを見ていて「デジタルインナーミラーなんて要らない」と思っていたけれど、とにかく見やすい。普通のミラーに切り替えも簡単だ。
 後部座席では次女と嫁が「乗り心地、最高!」「広~い!」「これ、何?」とか騒いでいる。二人とも気に入ったみたい。自宅の駐車場に入れてみたが、予想通りに楽勝。近辺の狭い道も楽勝にクリア。
 お店に戻って最後の交渉を開始。欲しいオプションを伝える。ざっくり30万円相当の追加です。
X「どうせ買うならと思って選んだら、こんなに増えてしまいました。しかし、すべて必要なので、これらを削るってことは考えていません。高くなり過ぎたら(ヴェルファイアの購入を)あきらめるしかないと思っています。なんとか少しでも安く買えるように、よろしくお願いします!」
セ「わかりました! しばらくお待ちください」
 コーヒーを飲みながら待っていると、嫁さんがぼそっと「いくらになりそうなの?」と聞いてきた。
X「追加オプションを含めて420万円なら即サイン、それ以上なら再度交渉になるかな」
嫁「やり過ぎはよくないからね。丁度いいところで決めなよ。タイミング逃すとOKっていいづらくなっちゃうよ」
 おっしゃる通りです。
セ「お待たせしました。先ほどのオプションを追加して425万円でどうですか?」
X「もう少しなんとかなりませんか? 420なら、すぐにでも決めちゃうんですけど……」
セ「420ですか……それは本当に厳しいです」
X「そこをなんとか!」
セ「う~ん……無理だとは思いますが、一応聞いて来ます」
 待つこと10分。
セ「ごめんなさい。無理でした。実は、425万円にするため、店長にお願いして役員の決裁を下ろしてもらっているんです。こうなると、私がお願いできるのはXさんしかいません。425でお願いします!」
 嫁さんをちらっと見るともういいじゃんって表情です。
X「わかりました。420とはいいません。気持ちということで3万円上乗せしてください。残りの2万円は自分がもちます」
セ「……わかりました……なんとかします。422万円でやります!」
 最終的な条件は車両本体とメーカーオプション12万1000円から49万8368円引き、付属品(31万3580円)から14万5000円引きで、値引き合計は64万3368円。下取りは4万3470円(リサイクル預託金1万3470円を含む)。
 この場からホンダに電話。トヨタの条件を伝えると「どうやっても勝てませんね。完敗です」。
 というわけで、オデッセイは丁重にお断りしました。
 清々しい気持ちで、ヴェルファイアの注文書にサイン!



購入データ
From愛知県
TOYOTA ヴェルファイア 
Zゴールデンアイズ(7人)
トータル値引き 64.3万円

値引き採点 5
車両本体49万8368円+付属品(31万3580円)14万5000円で値引き合計は64万3368円。値引き率は13.8%。大盤振る舞い中とはいえ、ここまで取れれば文句なしのウルトラCクラス!


提供元:月刊自家用車

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ