新型車比較・ライバル車対決
更新日:2022.01.25 / 掲載日:2021.12.02
コンパクトSUVベストバイ〜NEWロッキー/ライズ vs 定番人気モデル〜 その2
ベストバイはどれだ? コンパクトSUV最新事情
新ロッキー&ライズの登場で勢力図が塗り替わるのは必至!
最新ハイブリッド車が追加されたことで、より魅力的になったロッキー&ライズ。
ライバルモデルたちとこれまで以上の争いを繰り広げるのは間違いない。注目すべきコンパクトSUVとの関係をおさらいしてみよう。
【CHECK.02】走り&動力性能
手堅くまとめたロッキー&ライズは
一般路で真価を発揮
主役となるロッキー&ライズは試乗前になるため推測になってしまうが、ダイハツやトヨタの他モデルの傾向からすれば、ハイブリッド車も1.2ℓ車もスペックの数値以上の力感と滑らかなドライバビリティを示すと予想できる。高速長距離は余力感にも秀でるヤリスクロスを上回るとは考え難いが、一般路主体ならばバランスよくまとまっているだろう。
目玉のハイブリッド車の出力で比べても、ロッキー&ライズのe-SMARTの駆動モーターの最高出力は78kW、キックスは95kW、ヴェゼルは96kW。車両重量はロッキー&ライズが200㎏近く軽量だが、空気抵抗の比率が大きな高速域ではモーター出力の差が加速性能や余力に直結しやすいため、実走行でのパワー感もスペック数値どおりの順番になるだろう。
ロッキー&ライズの1.2ℓ車との比較では、クロスビーがメインターゲットになる。最高出力こそロッキー&ライズが勝るが、最大トルクやターボの特性からして高速域では分が悪い。
ロッキー/ライズ
力強さを感じる走りの味は
新型でも踏襲されていそう
ハイブリッド車も1.2ℓ車も高速長距離向けとは言い難いスペックだが、従来型の特性からして扱いやすく仕上がっているだろう。フットワークはパワートレーンのキャラに合わせて変更されていなければスポーティでちょっと忙しいタイプ。
ヤリスクロス
一般路から高速道路まで
ライバル勢を圧倒する走行性能を持つ
やや硬めのサスチューンだが、街乗りから高速長距離まで安心してこなせるフットワーク。動力性能は力強く滑らかなのが特徴。幅広い速度域で安定したコントロール性を示すのでスペック以上に力感がある。
キックス
電動走行がもたらす
余力溢れる走りが魅力
電動走行主体がもたらす、低中速域の瞬発力の効いた動力性能が印象的。その一方で高速域になるほど加速と燃費が悪化しやすいのが難点だ。ハンドリングは比較的穏やかな特性。幅広い道路状況で良質の走りが楽しめる。
ヴェゼル
幅広い走行シーンで良質を実感できる
高速長距離を苦にしないことも強み
低中速域ではシリーズ式の小気味よさと力強さ、高速巡航ではエンジン直動がもたらす落ち着きのあるドライブフィールが味わえる。比較的ソフトなサスチューンだが高速域での安定性とコントロール性に優れたハンドリングも魅力だ。
クロスビー
電動アシストの効きも良好
街中中心ならば十分な実力を持つ
急加速ではターボの伸びやかな加速、巡航からの緩加速ではマイルドハイブリッドの電動アシストがもたらす粘りが印象的。高速での安定感はライバル車に及ばないが、穏やかな乗り心地もあって街中中心のファミリーユースには好適だ。
【CHECK.03】装備&機能
必要不可欠な装備が充実する
ヤリスクロスとヴェゼルがリード
ハンズフリー機能付きパワーリヤゲートはヤリスクロスとヴェゼルが採用。ヤリスクロスはZとGにOP設定、ヴェゼルはZとプレイに標準装着する。上級クラスで採用率が高まっているHUDはヤリスクロスのみが採用している。全車にディスプレイオーディオと車載ITのT-Connectが標準装着されるなど、ヤリスクロスの利便系機能の充実ぶりは目を惹かれる。
安全&運転支援機能は5車とも全車速A㏄を採用するが、クロスビーのみ停車保持機能がない。操舵支援機能のLKAはいずれも走行ライン制御型を採用している。ただキックスとヴェゼルは全車に標準装着、ヤリスクロスもB以外は標準装着されることに対して、ロッキー&ライズとクロスビーは上級グレード限定となっている。高速長距離で便利な運転支援機能は、ぜひとも選びたい装備の一つ。ACC/LKA込みの価格で検討することをオススメしたい。
ロッキー/ライズ
スマートアシストは
グレードごとに装着設定が異なる
今回の改良でスマートアシストの機能が強化されたが、上位グレード中心の装着設定が少々気になる。ヤリスクロスは標準のディスプレイオーディオもOP設定になることも残念だ
ヤリスクロス
最先端の機能装備がコスパ良く
装着される充実の装着設定が魅力
運転支援のLTAまでカバーするトヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオを装着するほか、最新の駐車支援機能にも対応。利便装備の充実ぶりは大きな魅力になっている。
キックス
プロパイロットは標準装着
一部の利便機能は少々古さが否めない
運転支援のプロパイロットは全グレードに標準装着されることは魅力だが、車載IT関連機能はライバル勢に比べると一世代前というのが少々泣き所といえる。
ヴェゼル
ホンダセンシングは全グレードに標準装着
ナビがOPなのは残念
ホンダセンシングが全グレードに標準装着されるのは強み。車載ITは最新の通信連携ナビを備える専用ユニットが用意されるが、メーカーOPとなってしまうのが少し残念だ。
クロスビー
ACCが選べるのは中級グレードから
ナビもOP設定になる
車線維持機能も備えるA㏄など備えるスズキセーフティサポートは、中級グレード以上に標準装着。ナビ&オーディオは専用タイプも用意されるが、OP装着で選ばないとならない。
【THE 結論】ズバリ、今買うべき一台は?
得意なことが微妙に異なる
それぞれに選ぶべき理由あり
走行性能で比べると、ロッキー&ライズとクロスビーはタウンカー型、ヤリスクロスとキックス、ヴェゼルは高速長距離も難なくこなすタウン&ツーリング型と分けることができる。燃費はヤリスクロスが優れるが、最新ハイブリッドを採用したロッキー&ライズも侮れないだろう。
ファミリー&レジャーもこなしたい使い方では、ある程度のオフロード性能も備えるヴェゼルとヤリスクロスのバランスがいい。キャビンのまとまりはロッキー&ライズとキックス、装備関連はヤリスクロスとヴェゼルがリードする。
正に一長一短と言うべき5車。1台でなんでもこなしたいというならヴェゼルとヤリスクロスに強みを感じるが、燃費や購入費用を含めたコスパまで考えればロッキー&ライズのハイブリッド車はかなり面白そうに感じる。
ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。